「シー・ノー・イーヴル・ニンジャ」#4#5（再放送バージョン）

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イグゾーションの手がトオヤマ・デンジ……偽名を使ったウミノ……の首筋に伸びる。「ん？なぜ答えない。私の質問には全て答えたまえ。正直に。そうすれば君もきっと生きられる。私は寛大だからね」「し、知りません。ニンジャソウルのそうした性質は。本当です」「そうか。では次の質問だ」 21

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「アイエエ……アバッ……？」首筋を押さえつけられたウミノの目が白色LEDボンボリめいて徐々に輝き出す。「アバッ……？」「大丈夫だ……まだ……まだオーバーロードはしていない……実際繊細な作業だよ。君の体内から活力を引き出してあげているんだ。恐れずに喋る……活力を」「あああ……」22

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「君はなぜ、君が指揮するコフーン遺跡の調査隊から逃げた？大変名誉な仕事であるし……ロードのご期待も大きかったわけだが……」「アバッ……アバッ……アバッ……お、恐ろしかったのです。災いが。全世界に災いが。ビジョンが……」「ビジョン。なんと非科学的な」イグゾーションは眉を顰める。23

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ウミノが震え、身体が内側から輝き出した。「アバババッ！？」「……すまない、君がふざけた事を言うものだから……だが君は嘘を言っていないね。あの神器が大きな災いを呼ぶと？学者の君はそんな蒙昧な話を真っ先に否定してかからねばならんだろうに。だからカギを持って逃げたと？」「そうです」24

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「宝具殿の鍵はどこに隠した。言いなさい」「アバッ……アバッ」「言いなさい」「い、言います……言います、全て話します、本当です助けてください」「どこに隠した。言いなさい」「アバッ……口頭の説明では伝えづらいのです」「なるほど。では後回しにして、次の質問に行こう」「アバッ……」25

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「君の教え子の事だ」「アバッ……？教え子の……？」「そう。君の研究室にかつて、フジオ・カタクラという男がいたはずだ」「アバッ……！フジオ……！フジオ、カタクラ！」 26

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「そうだ！知っているね！」イグゾーションの声に熱がこもる。「フジオ・カタクラ！」「アバッ……アバッ……か、彼は。彼は、私の元助手のホソダ=サンと二人で会社を興していた。インディペンデントな冒険家カンパニー……それこそ遺跡の発掘も請け負って……しかし、なぜそんな事を……？」 27

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「私にとって大変重要な情報だ！」「アバッ、ホソダ=サンは！ホソダ=サンはしかし、落盤事故で遺体で発見され、フジオ=サンは……彼に至っては死体すら発見されなかったと……」「実際生きておるからな！素晴らしいぞ！」「アバーッ！」「……何者！」イグゾーションは突然入り口を振り返った。28

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「Wasshoi！」イグゾーションが注意を振り向けた一瞬後、独房の鋼鉄フスマが一撃で破砕！廊下から一人の囚人が飛び込んで来た！「イヤーッ！」イグゾーションは既にカラテ警戒していた。彼は鋼鉄フスマの穴から突入して来た囚人めがけ、迎撃の拳を繰り出す！ 29

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「イヤーッ！」囚人はカラテパンチを片手でそらし、自らもチョップで反撃！その身体を赤黒いニンジャ装束が、その顔を禍々しき「忍」「殺」レリーフのメンポが覆う！「何？」訝るイグゾーション！そのままワン・インチ打撃の応酬が始まる！「イヤーッ！」「イヤーッ！」30

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さらにイグゾーションにも変化が！イクサと共に上等なスーツは細切れに破け、中から全身を覆う赤橙色のニンジャ装束が現れる。いつのまにかその顔もニンジャ頭巾とメンポを装着している！ 31

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「イヤーッ！」「イヤーッ！」今やその場には上等スーツの男も侵入囚人も無く、かわりに二人のニンジャ有り！赤橙のイグゾーションと対するこの赤黒ニンジャを、我々はあまりにもよく知っている。その通り！彼こそ復讐の鬼、ニンジャスレイヤー=フジキド・ケンジ！ 32

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「イヤーッ！」イグゾーションがニンジャスレイヤーの顎を蹴り上げる。「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーはバック転で鋼鉄フスマの穴から廊下へ飛び退がり、空中でスリケンを四連続投擲！「イヤーッ！」電撃的速度で四枚全て指先で挟み取るイグゾーション！「アイエエエ！」悲鳴を上げるウミノ！ 33

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「イヤーッ！」イグゾーションの激烈な蹴りが鋼鉄フスマを根元から破砕！吹き飛んだフスマを、廊下のニンジャスレイヤーは側転回避！壁に衝突するフスマ！「ドーモ、はじめまして。ニンジャスレイヤーです」廊下にゆっくりと進み出たイグゾーションへ、ニンジャスレイヤーがアイサツした。34

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「ドーモ、ニンジャスレイヤー=サン。私はザイバツ・シャドーギルドのグランドマスター位階ニンジャ。偉大なるロード・オブ・ザイバツの腹心。イグゾーションです」イグゾーションがオジギを返した。「どこで知ったか、君もウミノ=サンを追って来たか。君は一足遅かったようだ」35

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「遅い？何が遅いものか」ニンジャスレイヤーは言い放った。「ザイバツの幹部級ニンジャ。オヌシの事は惨たらしく殺し、プリズンの正門に首を吊るす。そしてウミノ=サンを確保するだけの事。ニンジャ殺すべし」「噂通り、自暴自棄なまでの憎悪」イグゾーションはカラテを構える。36

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「君のワザマエはある程度理解できた。なるほど、デスナイト=サンやブラックドラゴン=サンを破ったのは嘘では無いようだ」「そして次はオヌシだイグゾーション=サン。ニンジャを全て殺し、ザイバツ・シャドーギルドも解体する」「なんたる夢見がちな男であろうか」「イヤーッ！」37

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ニンジャスレイヤーが仕掛けた。心臓めがけた右手チョップ突きだ！「ハッハハハ！イヤーッ！」「グワーッ！？」ニンジャスレイヤーはスマートボールめいて元来た位置へ弾き飛ばされた！右手チョップ突きと交差させてイグゾーションの左チョップ突きが伸び、ニンジャスレイヤーの顔面を捉えたのだ！38

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「ヌウーッ！」体勢を立て直すニンジャスレイヤーへ、イグゾーションが追い討ちをかける！「イヤーッ！」回し蹴りだ！ガードするニンジャスレイヤー！重い！「イヤーッ！」さらに回し蹴りだ！重い！「イヤーッ！」さらに回し蹴りだ！重い！ 39

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ニンジャスレイヤーが肘先で重い蹴りをガードする度、徐々に体の向きが強制的に横に向かされてゆく。これは実際アブナイ！「イヤーッ！」イグゾーションが身を沈め、水面蹴りでニンジャスレイヤーのふくらはぎを蹴りに行く！ナムサン！もはやほとんど真後ろからの攻撃！ 40

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だが！「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーはこの水面蹴りをまたぐようにブリッジ！そこから手をついたままバック転！これは後世にカポエイラやブレイクダンスへ転用された古代カラテ技、マカーコだ！バック転の着地点にはイグゾーション！「グワーッ！？」全体重と遠心力を両足に乗せ、叩き込む！ 41

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イグゾーションを踏みつけた反動でニンジャスレイヤーは垂直に回転ジャンプ！再度ストンピングにゆく！「イヤーッ！」イグゾーションは床をゴロゴロと転がるワーム・ムーブメントでこれを回避！「イヤーッ！」至近距離からスリケンをばら撒くように投げ、起き上がる！ 42

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「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーは飛来するスリケンを全て指先で挟み取り、投げ返す！「イヤーッ！」「イヤーッ！」イグゾーションはニンジャスレイヤーへ身体を横向け、側転！その足をぶつけに行く！スリケンをかわしながらの奇襲攻撃だ！「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーはバック転で回避！ 43

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「イヤーッ！イヤーッ！イヤーッ！」「イヤーッ！イヤーッ！イヤーッ！」側転蹴りを連続で繰り出すイグゾーション、それを連続バック転で回避するニンジャスレイヤー！ゴウランガ！赤橙と赤黒、二色のニンジャが回転しながら渡り廊下を猛烈な速度で突き進むさまはさながら火炎車輪のごとし！44

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「イヤーッ！イヤーッ！イヤーッ！」「イヤーッ！イヤーッ！イヤーッ！」いつしか二者は廊下を渡り終えようとしていた！「アイエエエエ！？」「ニ、ニンジャ！？」「ニンジャ！？ニンジャナンデ！？」渡り廊下の入り口を警戒していた看守が悲鳴を上げる！ 45