unpeu_g #twnovel 2012/12 「好きって言ったらもう会えない?」

twnovelまとめ:その⑬(12月分)
0
二月大笑 @unpeu_G

#twnovel 海賊行為の果遂に異国で投獄刑となる。しかしこの国の豊かな事よ!牢でも天国の様で故郷の国とは大違いだ。先ずは言葉をそして知識を。私は必死に勉強した。故郷で疑問だった事全てに解答があった。私は異国で成り上がり遂に故郷を買い取った。初代大統領しかし渾名は勿論海賊王だ。

2012-12-05 01:20:32
二月大笑 @unpeu_G

#twnovel 私の中のこの娘は時々とんでもない事を口走る。世界を崩壊させるような。「好きって言ったらもう会えない?」その声が彼に届かないうち私は直ちに彼女を捕らえ塔の天辺に閉じ込めた。そこから彼の姿は見えても彼女の声は届かない。それ以降彼女は言葉通り二度と彼には会えなかった。

2012-12-05 19:21:52
二月大笑 @unpeu_G

#twnovel 小さい頃の夢だった宇宙飛行士の私が言う。サーカス団の私が言う。発明王の大冒険家のスポーツ選手の私が言う。研究者に飼育員に作家に屠殺士にパイロットに歌手になった私が私に言う。「私になるのを諦めてでもなりたかったのは一体何?」私は何を得る為に今の私になったのだろう。

2012-12-07 02:50:30
二月大笑 @unpeu_G

#twnovel 後輩をライブに招待したらあっさり感動してくれた。「私もバンドを組みたいです!」「経験あるの?」「ありません!」しかしどうやら本気らしく次の日早速メンバー募集のポスターを作って持ってきた。「当方ギターのコードG。それ以外全パート募集。」ハンドベル方式らしい。

2012-12-10 00:59:03
二月大笑 @unpeu_G

#twnovel 「なんてこったい!よりにもよって俺が結婚しちまってから運命の君と出会えるなんて!」男は大げさに嘆く。「運命とおっしゃるのでしたらご結婚も運命でしょう。わたくしとはつまりその後に出会う運命だったのですよ。奥様を大切になさいませ。」彼女はあっさりとあしらう。

2012-12-10 23:59:06
二月大笑 @unpeu_G

#twnovel 本来あなたが使った物を「片付けない」や「洗わない」事は選択出来ないのです。使ったものは片付ける。汚したものは洗って仕舞う。分岐も選択もありません。なのに選べる。それはバグです。そのバグをさらに放置する。そんなの崩れて当然です。そのうちどうにも動かなくなる。

2012-12-11 22:53:46
二月大笑 @unpeu_G

#twnovel 時間は一方通行だから元通りなどあり得ない。たまたま上にあったものが今下にあるということに何か問題があるのだろうか。力を集めて出来たものは力をまき散らしながら崩れる。自然に任せておけば良い。心配することなんか無い。そのうち動かなくなったあなたも土に買えるのだから。

2012-12-11 23:11:56
二月大笑 @unpeu_G

#twnovel 彼女のつややかなくちびるの端がつり上がるのを見た。石を乗せた爪がきらめく白い手でテーブルのボトルを掴む。ピンクのドン・ペリニヨン。こぼれた泡が倒れたグラスに反射してきらきらと輝く。細い体でのフルスイング。揺れる巻き髪が縁取る笑顔。わき腹に重すぎる衝撃。

2012-12-19 00:13:15
二月大笑 @unpeu_G

マヤ歴の終了に伴い新しい世界に転移した。これまでの物理的、化学的、数学的、心理的法則が通用しなくなった事による大混乱と淘汰。残された人と物の絶望。新たな秩序を一から手探りする中で見える微かな希望。それでも育まれる新しい形の愛。生き抜け新しい世界!この後すぐ! #twnovel

2012-12-20 21:30:19
二月大笑 @unpeu_G

#twnovel プレゼントを貰う瞬間は勿論とても嬉しかった。けれど大人になった今もっと楽しい事を覚えた。送るプレゼントに悩む時間。どんな物が喜ばれるだろう。明るくて楽しくて意外で出来ればほんのちょっとだけ人生を変えるような物。期待と少しの不安な気持ちを綺麗な包装紙に押し込める。

2012-12-22 00:27:45
二月大笑 @unpeu_G

#twnovel 「私は宝塚を受けます。」再従姉妹のその宣言が一族を騒然とさせた。作家の祖母は女学生の頃謡いの師範に言われた事を未だに恨み覚えていたし、大叔母は合唱を外されて毎年指揮者にされた事が日舞の原点とまで言う。歌はからきしダメな血なのだ。そして再従姉妹も例外でない。

2012-12-23 02:43:23
二月大笑 @unpeu_G

#twnovel 「チャンスの女神はつるっぱげ。生えているのは前髪だけ。それをすかさず掴まないと…」男は熱く語っている。私が女神だったならつるっぱげなんて言う人の近くはさっさと通り過ぎるか避ける。だからこそ髪を掴むなんて乱暴な発想になるのだろう。そうせざるを得ないのだ彼は。

2012-12-27 02:16:55