アルビノ三成の話【完】

完結しましたーーー!!!
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「吉継と元就は元々学生時代からの旧友で、大学時代には世界中から注目を集める程の”期待の新人”として二人は優秀な成績を収めてきたんだ。」

 

「大学を卒業して一旦は離れてしまったんだけど、”どんな難病も怪我も治せる治療薬を一緒に開発してほしい”という依頼に喜んで力を貸すことになった。」

 

「そして考え出されたのが、優性遺伝子を人工的に作り出し、その細胞を治療に役立てるというのもでね。遺伝子学の第一人者だった吉継は、劣性遺伝子…つまりアルビノの遺伝子を交配させて極めて低い確率でできる優性遺伝子の細胞を利用しようという案を出して二人で研究を始めた。その劣性遺伝子の試作品第一号が彼。元親君なんだ。」

 

元親「当時の遺伝子操作は手探り状態だったから体制や研究が不安定でよぉ。生まれたばかりの俺は既に危篤状態。そこで一部の遺伝子を操作して普通の人間にすることで一命を取り留めたって訳よ。オッドアイなのはその名残なんだよな。」

 

半兵衛「元親君の誕生を機に、二人は幾度となく研究を繰り返して何度も何度も色々な劣性遺伝子を組み合わせた。劣性遺伝子ですらまともに生かすことができなかったんだから、優性遺伝子を生み出すなんて雲をつかむような話だよね!」

 

「そして二人の血の滲む努力の結果、めでたく誕生した優性遺伝子が僕なんだよ、三成君。」

ダミ助 @FreeDm03

三成「あなたが完成した優勢遺伝子なら、元就様は何故万能薬の研究にいそしまないのですか…?」 半「そう、そこなんだけどね…実はもう僕の細胞で病気や怪我を治す研究は進められたんだ。ちゃんとね…」

2013-03-03 23:29:11
ダミ助 @FreeDm03

半「研究用ラットで治療試験をする所まではうまくいっていたんだ。だけど、優性遺伝子の細胞は、実際に人間の体内に入れてみると拒否反応を起こす事がわかってね。実験台にされた人は激痛や発熱・耐えきれないかゆみに四六時中襲われて、全身も腫れ上がって人とは思えないような姿になってしまった。」

2013-03-03 23:32:25
ダミ助 @FreeDm03

半「結果、本人の希望で安楽死させる事になったんだけど、その末路に吉継は、優性遺伝子は人を救えない。それを受け入れて遺伝子にとらわれない人間の自然の回復力に目を向けようとした。でも元就は諦めきれなかった。会社の未来をかけた研究だったしね。」

2013-03-03 23:36:27
ダミ助 @FreeDm03

三「………。」半「吉継はちゃんと説得したよ。諦めようって。……でも引くに引けない所まで来てしまったのが元就を簡単に諦めさせなかったんだろうね。」

2013-03-03 23:39:14
ダミ助 @FreeDm03

半「それどころか元就は、…家康君に聞いただろうけど、逆に劣勢遺伝子が引き起こす重篤な病を蔓延させて、その治療薬を独占で提供すれば今までの研究費も会社の信頼も一網打尽にできるって思考に彼は走ってしまった。」

2013-03-03 23:42:30
ダミ助 @FreeDm03

半「酷な話を度々するようだけど、君はその計画に今までずっと利用されてきたんだ。三成君が元就から教えられてきた事は全部真逆で全部シナリオ…なんだ……ごめんね…こんな事…僕も話をするのは辛いんだ…」

2013-03-03 23:47:39
ダミ助 @FreeDm03

三「…………」 元親「この計画を止めて三成を連れ戻すために、まぁつまりは元就を助けるためにもなる訳だが…そのために吉継は助手である家康達と俺達二人で阻止チームを作った。吉継と家康は潜入して好機を見計らってた。」

2013-03-03 23:55:03
ダミ助 @FreeDm03

半「…あの後家康君と連絡は取れたのかい?元親君。」元「いや、未だ連絡がつかねぇ…無事だといいんだが…」三成「………た。」元「…あ?」三成「……刑部は動かなくなった……あの時と…同じ音がしたから…家康も同じ目に…遭った」

2013-03-04 00:00:32

元親「…っおい、一体そりゃあどういう…」半「撃たれたかもしれない……さっきから吉継と家康君に付けている発信機の通信がどうもおかしいんだ…」

ダミ助 @FreeDm03

元「…ぉい…なんだって…!!?」 あの時の光景が鮮明に蘇ると、体中が寒くなってざわつき始めた。元就様が刑部に向けたあの黒い物体から不快な音が放たれてから、何度名前を呼んでも返事がしなくなった。研究室育ちで何もわからない三成にも悪い予感がした。

2013-03-04 00:05:28
ダミ助 @FreeDm03

家康の時もそうだ。あの時と同じ音が、彼の最後の言葉を遮った。彼が私に投げ掛けていた叫びが最後まで聞けなかった心残りと、私に知識があったらあの場をなんとかできたのだろうかという後悔が頭を支配している。

2013-03-04 00:10:31
ダミ助 @FreeDm03

元「…マズい事になったな…」半「これはもたもたしてる場合じゃないね」元「あぁ、残ってる真田もそれ以前から連絡が取れねぇから心配だ。取り敢えず政宗ん所に連絡して、サヤカに兵を借りる」半「今夜にでも向かわないと」

2013-03-04 00:22:28
ダミ助 @FreeDm03

三「…今夜に何を…?」半「こうなったら潜入なんてもどかしい事はしていられない。最後に家康君から貰った連絡では、劣勢遺伝子の蔓延ワクチンが完成しているんだ。世界に出回る前に強引にでも止めないと…!」

2013-03-04 00:26:27

===--家康視点--===

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