ついったで上げたおはなし

笛のゆめだけ。
0
Uの人 @mikan_daisuki6

成長期のせいだろうか、視力が急激に低下した。最後列。ノートが追いつかず、焦る。すると、左隣から黒板の内容が書かれたメモが回ってきた。走り書きの字だけれど、とても読みやすい。左を向けば『がんばれ』黒川君が笑っている様に見えた。いつの間にか、彼のメモも私のノートに貼られる様になった。

2013-01-11 00:44:54
Uの人 @mikan_daisuki6

【ほいっする! 黒川】自分は真面目にノート取らない癖に、身近にいる頑張っている子が困っているとついつい助けてあげちゃう黒川くん男前ですよね。っていう話にしたかったで…す…あ…れ…? @kotomaria

2013-01-11 00:48:34
Uの人 @mikan_daisuki6

がちゃん。ジッパーを上げ、コートのポケットに手を入れながら夜の道を歩く。白い吐息が昇る冬の夜空に瞬く星があまりに美しくて、ぼんやりと言葉が浮かんだ。君が好き、と。僕が生きる上でこれ以上の意味は無くなっていい。夜の渕、アパートの脇にある自販機で缶コーヒーを二つ買って、彼女を待った。

2013-01-11 01:05:15
Uの人 @mikan_daisuki6

【ほいっする! 椎名/君が好き】あれね、あれ、ミスチルさんのあれね。もうね、当時たきざわさんのドラマ見ながらこの曲が流れてもね、翼さんしか思い浮かばなかったの_(:3」∠)_

2013-01-11 01:06:44
Uの人 @mikan_daisuki6

その日は透き通る様な青空に飛行機が雲を引いていた。人一倍成長の遅い小さな身体が吹っ飛ばされる。しかし、不敵に笑っていた。その美しく凛々しい姿が、最初のときめき。珍しく雪が降っていた。翼に手を伸ばすことはもう出来なかった。けれど、現実を受け止めきれなかった。溢れて止まらないのは涙。

2013-01-12 00:06:36
Uの人 @mikan_daisuki6

遅い成長期。同世代より一回り以上小さい身体が嫌いだった。そんな自分よりも頭一つ小さく、『男らしい』と初めて評したのは彼女。好きだった。嘘じゃない。けれど、選べなかった。彼女より大事な人がいた。それでも何故だか手を離せなかった。俯く彼女に手も差し出せない。歯痒い想いが身を貫いた冬。

2013-01-12 00:16:37
Uの人 @mikan_daisuki6

切れ端に乱雑に書かれたメモが、そのノートには一つ一つ丁寧に貼られていた。下には写しが自分の字で書かれている。勉強をする為に開いたが、メモに目を奪われてしまった。黒川の顔が脳内をチラつく。つられて照れる。眼鏡を作るのはもう少し後で良いよね、なんて物思いにふけりながら教科書を開いた。

2013-01-12 00:30:38
Uの人 @mikan_daisuki6

【ほいっする! 黒川】昨日の続きっぽいもの。

2013-01-12 00:31:11
Uの人 @mikan_daisuki6

この状況に理解が出来ない。幼馴染が自分の預かり知らぬところで小林と付き合っていただけでも意味が分からないのに、今、自分はその彼女と二人でスポーツ用品店にいる。小林への誕生日プレゼントを買う為に。「何でこの僕がわざわざ休みの日に来なくちゃいけないんだよ」

2013-01-15 23:44:22
Uの人 @mikan_daisuki6

「だって翼の方が優也の好み分かってるじゃない」「お前だって四六時中一緒ににいるだろ」「私の知らない優也を翼は沢山知ってる」ずるい、と僕を目の前にして不貞腐れるので、呆れ返ってしまう。愛されてるなぁ、小林。

2013-01-15 23:45:26
Uの人 @mikan_daisuki6

昔からよく知っている幼馴染と、自分の仲間がこんな関係になるのも微笑ましいのかもしれない。色々と納得はいかないけれど。

2013-01-15 23:45:57
Uの人 @mikan_daisuki6

【ほいっする!小林】小林くんお誕生日おめでとう!出て来ないけど/(^o^)\今日中に140字に纏めきれないと思ったので、三つ並べちゃったけど。

2013-01-15 23:47:26
Uの人 @mikan_daisuki6

現役のプロサッカー選手だなんて肩書きはどうでも良かった気がする。私が気になったのは、教科書を朗読する際に見せる真っ直ぐ伸びた長身に低い声、普段から真面目な癖に午後の授業中にウトウトと少しうたた寝をするところ。何よりも陽だまりの下でちょっと照れた様に困った様に笑うところが好きなの。

2013-01-18 21:31:23
Uの人 @mikan_daisuki6

【ホイッスル!/渋沢】『朗読の声がすき 居眠りする背中がすき 微笑するときの雰囲気がすき』お題お借りしました(*′∀`*)

2013-01-18 21:32:56
Uの人 @mikan_daisuki6

「遅かったな」扉を開けてそこに居座っていたのは間違いなく大地本人で。ようやく鍵を握ったかじかんだ手からは再び力が抜けた。連絡一つも寄越さない彼と普段からこの家にいる訳ではない私。前に直接顔を見たのはいつだったか。コーヒーを淹れる音がする。忘れていた幸せに苦笑した。「お帰りなさい」

2013-01-20 21:49:29
Uの人 @mikan_daisuki6

【ほいっする!/不破】眞木さん笛文庫ゲットおめでとうございました記念(勝手に) @kotomaria

2013-01-20 21:50:29
Uの人 @mikan_daisuki6

【動物5 (予感)】 01 眠れる獅子は無意識に(藤代)・ 02 夢見るうさぎは月を見る(真田)・ 03 カモシカの折れた足(渋沢)・ 04 夢際の魚が泣いてる(椎名)・ 05 羊、眠らず(山口)

2013-01-21 22:46:19
Uの人 @mikan_daisuki6

「足りない!あれだけじゃ俺の胃袋は満足させられない」「もっと食べれば良いじゃない」「今月はお菓子の食べ過ぎでカロリー制限されてるんだよ」悔しそうにシャツを捲った。チラリ、整った腹筋に思わず見惚れる。「そうだ!毎日俺にお弁当作ってよ!」あまりの無邪気な笑顔に私は頷くしかなかった。

2013-01-21 23:04:35
Uの人 @mikan_daisuki6

【ほいっする!/藤代】 『眠れる獅子は無意識に』 「……それ、どういう意味で言ってるの?」「え?」

2013-01-21 23:04:58
Uの人 @mikan_daisuki6

それだけが取り柄だった。自分が世界に存在し得る唯一の手段。しかし、それを否定された彼女がそこにはいた。世界は広い、分かっていた。でも起き上がれない。「俺は今を進むから一緒に行こう。ゆっくりで構わないから」暗闇に光が射すとはこの事だろうか。「君と一緒にいたいんだ。倒れても君は君だ」

2013-01-21 23:09:55
Uの人 @mikan_daisuki6

【ほいっする!/渋沢】 『カモシカの折れた足』 「何か飲むか?」「ココア飲みたい」「茶受けは豆大福しかないけど、良いのか?」

2013-01-21 23:10:29
Uの人 @mikan_daisuki6

「え、真田がいいの?」水っぽいジュースと参考書を片手に休憩という会話に華咲く。「怖いじゃん」「怖くないよ」例えば、落ちた鉛筆を直ぐに拾ってくれるところ。手の届かない本を取ってくれるところ。朝、おはようの挨拶をしてくれるところ。数え出せばキリがない。「優しいよ」私だけが知っている。

2013-01-21 23:26:30
Uの人 @mikan_daisuki6

【ほいっする!/真田】 『夢見るうさぎは月を見る』 「一馬、高校の時にクラスの女の子から怖いって言われてたよ「え!?何でだよ!??俺、何かしたか?」

2013-01-21 23:26:55
Uの人 @mikan_daisuki6

風呂上がりの疲労と火照りに、布団の冷涼さと弾力が心地いい。つい微睡む。まぁいいか、なんてぼんやりとしていたら本当に眠っていた。その事に彼女が気付いたのは、冷んやりとした人肌を頬が感じ取ったから。重い瞼が睫毛を伴ってゆっくりと上がる。「つ、ばさ…」目を細める彼が耳元で何かを囁いた。

2013-01-21 23:36:31
Uの人 @mikan_daisuki6

【ほいっする!/椎名】 『夢際の魚が泣いてる』 突然の言葉。ふわり、柔らかな髪が額に触れた。理解が出来ない彼女をさらに置いて行くかのように。

2013-01-21 23:36:52