上どれでバレンタインのお話

バレンタインの二人(上原さんとどれすとさん)のお話。全10話。
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泉ピン太 @izumi_pinta

【バレンタイン上どれ】朝から母が大量に作ったチョコを胃に詰めたせいか胸焼けが酷い。今日は久しぶりの休日で何しようか楽しみにしていたがこの調子では無理そうだ。続

2013-02-14 01:03:17
泉ピン太 @izumi_pinta

【続き2】「ごめんね?一回成功したら楽しくなっちゃって」「う、いいよ。うん、母さんが楽しいならいいんじゃないかな」ソファに横たわったまま答える。14日の魔力は恐ろしい。まだ目の前に広がる大量のそれは次の犠牲者義兄さんが消費してくれることを祈って眠りにつこうと目を閉じる。続

2013-02-14 01:05:17
泉ピン太 @izumi_pinta

【続き3】「お届けものよー」と揺り起こされ目を覚ます、外を見やれば少し日が傾いていた。「俺に?誰から?」「えっと、上原広輝さんからよ。素敵な人ね」そう微笑みながら母さんは箱を渡してきた。素敵?と疑問が浮かんだが箱に貼り付けてある名前を見て理解した。何やってるの上原くん。続

2013-02-14 01:09:27
泉ピン太 @izumi_pinta

【続き4】『上原どれすと様へ、上原広輝より』と箱にはそうはっきりかかれていた。「貴方嫁ぐの?」「その予定らしいね」「貴方ならドレス着れるわよねその時はもちろんお母さんを呼んでね?」「うん、もちろん」いつになるか分からないけどねと心の中で付け足す。続

2013-02-14 01:18:44
泉ピン太 @izumi_pinta

【続き5】何が送られてきたのだろうか、箱は少し重たい。少し開けると中からは朝、嫌というほど嗅いだ甘ったるい匂いが漂ってきた。中身は大量のチョコレートと手紙だった。チョコの方は一先ず置いといて手紙に手を付ける。手紙にはこう綴られていた。続

2013-02-15 01:31:43
泉ピン太 @izumi_pinta

【続き6】『どれすとさんへ、問題です。この大量のチョコレートの中から足りないものを並び替えて一つの言葉を作って下さい。正解したらプレゼントがあります』その内容にふっと笑みが漏れる。手紙の通りチョコを並べようと箱の中を見る、どうやらアルファベットのチョコのようだ。続

2013-02-15 01:45:01
泉ピン太 @izumi_pinta

【続き7】A〜Zまでが本来は2個ずつ計52個あるようなのだが「えっと…E,I,L,Oが2個,U,V,Yがないのか」これを並び替える…とふと思い浮かんだ言葉。彼らしいなと早速電話をかける。3コールもしないうちに上原くんは出た。「ねぇ上原くん、チョコありがとう。答えさぁ分かったよ」続

2013-02-15 01:58:27
泉ピン太 @izumi_pinta

【続き8】「早いですね、もう分かっちゃったんですか?」「上原くんらしいなぁと、あとさ宛先何あれ母さんにドレス姿待ってるとか言われたんだけど」「いいじゃないですか、似合いますよ」「ていうか名前、届かなかったらどうするつもりだったの?」「愛の力で届けます」「ねぇ上原くん」続

2013-02-15 02:16:44
泉ピン太 @izumi_pinta

【続き9】「なんですか?」「I LOVE YOU」「え」「だから答え、I LOVE YOUでしょ?」「正解です、簡単過ぎましたかね」「正解したらプレゼントでしょ?なぁに?プレゼントって」「そうでしたね、プレゼント…俺の名前なんですけどどうですかね?」「上原くんはどうしたいの?」続

2013-02-15 02:26:33
泉ピン太 @izumi_pinta

【ラスト】「俺はどれすとさんが好きです愛してます」「ねぇそれってプロポーズ?」「の、つもりです」「チョコレートで愛を告げてくるとことかさ、すっごい上原くんらしくて好きだよ」「はい」「…いつかね?いつか」「〜っはい!」上原くん、迎えに来てくれるの待ってるから。終

2013-02-15 02:34:51