茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第865回「引き算だけでなく、たし算も」

脳科学者・茂木健一郎さんの2月17日の連続ツイート。 本日は、ふりかえり系、分析系ツイート。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

しゅりんくっ! ぷれいりーどっぐくん、おはよう!

2013-02-17 07:33:45
茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第865回をお送りします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、ふりかえり系、分析系ツイート。

2013-02-17 07:37:38
茂木健一郎 @kenichiromogi

ひた(1)ある時、ヘルスケアのベンチャーをしている田辺顕能さん(@aktanabe)が、嵐山吉兆の徳岡邦夫さんとたずねていらした。何か、面白いことをしたいと、ちょうど、TEDが関心を集め始めていたころで、京都でTEDみたいなものをやったらいいんじゃないか、ということになった。

2013-02-17 07:40:04
茂木健一郎 @kenichiromogi

ひた(2)それが、かたちになったのが「京都サロン」(http://t.co/x692GyXG)である。少人数で、徳岡さんの嵐山吉兆での食事、星野佳路さん(@skier1960)の星のやでの宿泊(桂川をはさんで、対岸にある)を含め、議論をしよう、というのがその趣旨だった。

2013-02-17 07:43:19
茂木健一郎 @kenichiromogi

ひた(3)田辺顕能さんは、なんというか、やる気と気合いに満ちた人で、その志もすばらしかった。それで、京都サロンがスタートして、昨日が二回目。伏見でつくり酒屋を営んで14代目の、「月の桂」の増田徳兵衛さんが、日本酒について、いろいろ教えてくださった。(昨日写真を多数ツイート)

2013-02-17 07:45:59
茂木健一郎 @kenichiromogi

ひた(4)増田徳兵衛さんのお話でとても心に残ったのが、「米作り」から始めるべきだということ。特に、ワインと比較してその点が「物語」としての日本酒に従来欠けていたことだと言う。鋭い指摘だと持った。ワイナリーは、畑つくり、ぶどう作りから始める。そこから、付加価値が生まれる。

2013-02-17 07:47:50
茂木健一郎 @kenichiromogi

ひた(5)米は、どこからか良いものを買ってくればいいんだ、というのでは、何かが足りない。ロマネ・コンティは何百年も同じ畑からブドウを収穫している。米作りから日本酒を始めるべきだという増田徳兵衛さんの主張は、正論であり、慧眼であり、そこに未来があると感じた。

2013-02-17 07:49:02
茂木健一郎 @kenichiromogi

ひた(6)「月の桂」から、嵐山吉兆に行って、徳岡邦夫さんの料理をいただいた。とても美味しかったが、特に瞠目したのが、それが決して「引き算」だけではないこと。様々な素材をむしろたし算して、しかもその組み合わせで新しいクオリアを生み出す、まさに「芸術」である。

2013-02-17 07:51:09
茂木健一郎 @kenichiromogi

ひた(7)例えば、椀。「紅白梅蒔絵椀」とある。「蛤汐 胡麻豆腐 十六島海苔」と献立に書かれたその器の中には、さまざまな食材が渾然となった宇宙があった。単に引き算の「禅」だけでなく、むしろ豊饒と共生の愉しさがそこにあることが、いかにも徳岡邦夫さんらしく、感動した。

2013-02-17 07:53:42
茂木健一郎 @kenichiromogi

ひた(8)この、「引き算だけでなく、たし算も」というのが、今回の京都サロンのテーマだった日本酒の未来、そして日本の未来を考える上で大切なことだと思う。美味しいお酒があることに加えて、さまざまな「物語」がそこにパッケージされることで、響き合いの付加価値が生まれていく。

2013-02-17 07:54:57
茂木健一郎 @kenichiromogi

ひた(9)パッケージを通しての響き合いの付加価値こそが、星野佳路さん(@skier1960)が星のやで展開していることだと私は思う。それは、単一の要素に還元できることではない。要素が有機的に組み合わさって一つの「生きもの」として立ち上がるからこそ、ブランドになり、評価される。

2013-02-17 07:56:25
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第865回「引き算だけでなく、たし算も」でした。

2013-02-17 07:56:55