バトルクエスト・クレンチ・ユア・フィスト #9

翻訳チームによるサイバーパンクニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) 日本語版公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ 続きを読む
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」捻り込むような掌打!空気が渦巻き、歪む!致命的打撃だ!だがアコライトはカッと目を見開き、彼もまた右掌を繰り出した!オーバーウェルムの掌をめがけ!「イヤーッ!」……パアン!空気が破裂! 22

2013-02-15 23:22:54
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

アコライトとオーバーウェルム、両者の耳から血が噴き出した。オーバーウェルムは驚愕に目を見開く。後ずさる。己の右腕を見る。ビリビリと鳴る激しい震動は、暴れ狂う波と化して、掌から手首へ、手首から肘先へ、肘先から肩へ、迫り上がっていった。「グワ……グ……グワーッ!?」 23

2013-02-15 23:25:48
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

オーバーウェルムは仰け反る!「セイヤッサーボンジャン!」アコライトは両脚を踏みしめた。大地が鳴動し、石床が爆ぜた。オーバーウェルムはワン・インチ距離の敵を見下ろそうとした。「ボンジャンハイ!」「グワーッ!」ボンジャン!ヘブンスルーキャノン! 24

2013-02-15 23:28:29
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

間欠泉めいて突き上げられた怒涛の拳がオーバーウェルムの顎をメンポごと粉砕、その巨体は20フィートの高さまで放り出され、もはや受け身も取れずに、頭から石床へ落下した。アコライトは祈るように目を閉じ、息を吐き出した。そしてザンシンした。 25

2013-02-16 13:46:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ハッハハハハ!」ジバヌチは晴れやかに笑った。「アッパレよ!」警報音が鳴り響く中、宮殿からの増援が続々と中庭へ集まりつつあった。二人の護衛ヤクザがジバヌチの両脇でチャカを抜き、目配せした。彼らが主に退避を耳打ちしても、ジバヌチは笑い続けていた。 26

2013-02-16 14:05:55
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

アコライトはザンシンを維持。護衛戦士達がアサルトライフルを構え、闘技舞台を包囲にかかる。オーバーウェルムはもはや虫の息。痙攣しながら上体を起こそうとする。震える手でアコライトを指し、兵士に命ずる。「殺せ、ボンズを。生かして帰すべからず……」BLAM! 27

2013-02-16 14:22:35
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

オーバーウェルムの右目に銃弾が着弾。後頭部から脳漿が飛び散る。「サヨナラ!」いかなニンジャであろうとも、頭部を破壊されれば死ぬ。オーバーウェルムは爆発四散した。銃を構えたジバヌチは「見苦しいわ!」と吐き捨て、なおも笑い続ける。その目は異様な熱を帯び、爛々と輝いていた。 28

2013-02-16 14:27:56
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「褒めてやる!ボンズ!」ジバヌチは叫んだ。護衛戦士達が銃撃を開始した。当然、オーバーウェルムを殺害したジバヌチも敵対対象だ。ヤクザがジバヌチの盾となり、チャカを撃ち返す。アコライトはジバヌチめがけ駆け出す。ジバヌチは笑い続ける。「ボンズ!ワシはな……」 29

2013-02-16 14:43:21
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」ガンダルヴァに続いて、ニンジャスレイヤーは一瞬の躊躇いも無しに、謎の井戸へ跳躍落下した。敵の懐中へ自ら飛び込むその行い、無謀!モスキート・ダイビング・トゥ・ベイルファイアのコトワザ通りだ。しかし今の彼の憤怒は、敵の背中を前に躊躇する程ぬるくは無かった。 31

2013-02-16 15:01:22
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

宮殿の奥、キナコと共に彼の救援を待っていたナンシーの状況説明は簡潔だった。簡潔に過ぎる程に。フジキドが彼女の気丈な笑みに隠された身体の芯の震えを見過ごしたとでもお考えか?否!垂直落下の果て、淀んだ闇の中へ着地した彼が顔を上げると、レーザーポインターめいたその眼光はジゴクの炎!32

2013-02-16 15:17:14
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

不気味な石の壁、捻れた回廊、空気に満ちる不快な没薬。地下迷宮じみた空間において、ニンジャスレイヤーは己のニンジャ知覚力を研ぎ澄ます。四方から響いてくる病んだ嬌声と笑いに混じり、スルスルと地を這うような音が近づいてくる。彼はジュー・ジツを構える。「SSHHZZ!」「イヤーッ!」33

2013-02-16 15:27:49
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

チュン!投擲したスリケンが巨大な牙とぶつかり合い、火花が闇を照らした。恐るべき大蛇の頭部が浮かび上がる!蛇はシンカンセンめいた速度でニンジャスレイヤーに体当たりをかける!「SSSZZZZT!」「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはコマめいて回転跳躍!回し蹴りを繰り出す! 34

2013-02-16 15:32:39
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「SHHHH!」大蛇の眉間部に強烈な蹴りが命中!大蛇は怯み、滑るように後退する。「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはスリケンを投擲!闇の中に火花が閃く。「SHHHKKKK」大蛇の唸り声は石壁に反響し、四方八方からニンジャスレイヤーを包み込む。 35

2013-02-16 15:47:16
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ニンジャスレイヤーは五叉路に立っている。彼は目を閉じ、中腰姿勢をとった。そして、「イヤーッ!」裏拳を繰り出す!「SHHZZZ!」先程と全くの別角度から突進してきた大蛇の頭部に裏拳が直撃!「ZZZGG!」KRAAASH!苦悶する大蛇が壁に頭部を打ちつけ、石を砕く! 36

2013-02-16 15:49:21
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはスリケン投擲!蛇は牙でこれを撃ち返す!そしてまたしてもスルスルと後退してゆく。誘うように!ニンジャスレイヤーは大蛇を追い、スプリントを開始!「SHHH!」「イヤーッ!イヤーッ!」走りながらスリケン投擲!蛇は後退しながら頭を振り、牙で弾き返す!37

2013-02-16 15:51:22
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ムフフフ……一介のニンジャごとき、我が無限の法力を前に、所詮はオイランとさほど変わらぬもの……」闇の奥からガンダルヴァの恍惚じみた声が響く。「入門せよ、ニンジャスレイヤー=サン。すぐにわかる……すぐにこの地の崇高美をお前も理解する……」 38

2013-02-16 16:00:33
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

蛇が後退する!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは側転からフリップジャンプし、一気に間合いを詰めた。彼は円形の広間へ飛び込んだ。誘い込まれた格好であろうか?広間には複数の牢獄が接し、歪んだ鉄格子の奥から沢山の目がこの新たなエントリー者を見つめた。ここが嬌声と笑いの源だ! 39

2013-02-16 16:13:54
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「アバッ……蛇神様ァー」「御力……」「早く御情け……」「体温何度……アバッ……」骨と皮ばかりになった男女が歪んだ笑いを浮かべ、鉄格子に縋り付き、あるいは手を伸ばした。ニンジャスレイヤーはジュー・ジツを構え、中心部の円柱を背にした。大蛇はどこから現れる! 40

2013-02-16 16:18:35
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「フフフフ……彼らは不覚者であるが……」姿無きガンダルヴァの声が反響した。「彼らをすら、私は救う……ひとつに交えて……愛よ……いずれわかる……わからせてあげなさい……」「アバーッ……」幽鬼じみた者たちが歪んだ鉄格子を越えて、一人、また一人と這い出して来た。「愛者様ァー」 41

2013-02-16 16:22:50
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ニンジャスレイヤーは眉根を寄せた。幽鬼じみた地下牢の住人は続々と這い出し、彼を取り囲む。「恐れる事は無い……恐れる事は無い。さあ!」「アバーッ!」突如、彼らがおよそ人間離れした瞬発力を発揮、涎を吐き散らしながらニンジャスレイヤーに組みついた。「アバーッ!」「アバーッ!」 42

2013-02-16 16:27:44
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「彼らは不覚者……危害をくわえることはない……決してない……」恍惚としたガンダルヴァの声が闇に響く。ニンジャスレイヤーは縋りついてくる者らに対し、チョップを振り上げかけた。その時、闇の奥に大蛇の目が光った。ニンジャスレイヤーは大蛇の目を見つめ、ゆっくりと……その手を下ろした。43

2013-02-16 16:30:15
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

幽鬼達は彼の脚を愛おしそうに撫で、頬ずりし、押さえつける。やがて大蛇の頭部が、ぬう、と現れた。二又の舌が閃き、ニンジャスレイヤーの顔を舐めた。ニンジャスレイヤーは無言で俯いた。大蛇が巨大な口を開き、ニンジャスレイヤーの上半身を噛んだ。さらに顎を動かし、ひと呑みにした。 44

2013-02-16 16:36:54