翠葉のSS　2013－01

@suixyou

｢なんであんたなのよ…｣｢この国の王だから｣｢そんなのは知ってるわ!｣｢何がそんなに不満なんだ?｣｢私の夫があんたの弟からあんたに変わってることよ!｣｢ああ、そんなこと｣｢そんなこと!?｣――さて、民に微笑み手を振る彼らがこんな会話をしていると誰が想像できようか。 #王宮ss

@suixyou

故意に彼女の左側に俺がいることにいつか気付いてくれたらいい。ただ、そのいつかをもう待てない自分がいるから。だから、俺が想っていることに、伸ばしたこの手に早く彼女が気付いてくれますように。――左利きの彼女。

@suixyou

いつだって、私は彼の左側。机を並べて勉強する時も。手を繋いで道を歩く時も。肩を並べて電車に乗るときも。だってそれが何よりの温もりだから。勉強する時に触れる肘も、歩く時に触れるあの手も、電車に乗っている時の肩も。彼が彼であるからこその温もり。――左利きの彼。

@suixyou

｢…先生?｣｢ん?滝川…?｣｢先生お久しぶりです!｣｢美人になったなあ｣｢お世辞は結構です｣｢素直に受け取りなさい｣｢うわ教師の口…あ｣｢ん?あ、こいつは高校からの友達｣｢そうなんですかー初めまして!｣｢……｣｢(なんか…無愛想)｣――恋の始まりはいつも突然。 #偶然ss

@suixyou

｢先生お久しぶりです｣｢……｣｢…まさか誰とか言いませんよね｣｢違うよ、大人になったと思ってな｣｢…だって大人ですから｣｢ははっ!そりゃそーだ｣｢笑った｣｢ん？｣｢いえ、何でも(昔と笑い方変わってない)｣――好きだったあの頃のまま。 #同窓会ss