Twitter小説大賞応募候補ついのべまとめ

数は少ないですが。みなさんの作品を見て、まとめ衝動がぐりぐり来たのでまとめてみました。
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あやばね @ayabane

「人にゃ繋がる力と繋げる力がある。こりゃ一緒の物だ」大将が唾を飛散して言う。「料理もそう。米の上に魚乗せてみたり、韮を卵で絡めてみたり。お前だって持ってるんだよ、その力。そしてその繋がりは簡単には切れん!」僕のハートと携帯が震えた。今度はちゃんと謝れる気がする。 #twnovel

2011-03-12 23:24:22
あやばね @ayabane

人の小指に掛る糸が視えた。運命のアレかと思ったが、赤い物は見たことがない。自分の指にも結われていたが、やはり赤くない。いいとこマゼンタだ。ある時同じ糸が視える女の子に出会った。「重ねたら、綺麗かも」彼女は自分の指の黄色い糸を、そっと僕の糸に絡ませた。頷く、二人。 #twnovel

2011-03-26 10:06:27
あやばね @ayabane

古今東西の探偵が招かれた、瀟洒な部屋の扉がカチリと囁く。「探偵諸君、しばらく儂の実験に付き合ってもらうぞ…」「閉じ込められた?いかん、犯罪者が野放しに!」やがて一年が過ぎ、あるニュースが流れた。「過去一年の犯罪件数が、過去最低を更新しました」世は概ね事もなし。 #twnovel

2011-07-02 15:06:16
あやばね @ayabane

今日は親父の墓参り。一年前に主人を失った店は、否が応でも俺が継ぐようになったが、日々力不足を実感するばかり。毎年うちの店を紹介してくれている本が今年も送られてきたが、親父が死に物狂いで獲得した星がひとつ、流れていた。取り戻し、更に輝かせる事を誓い、手を合わせる。 #twnvday

2011-08-14 16:52:54
あやばね @ayabane

今日もまた通販生活。近所の店を探すより、ネット上で探すのが断然早い。品数もある。でも、本だけは近所の本屋で買うと決めている。今日も、取り寄せを頼んだ本を購入しに来た。「いつもありがとうございますっ!」レジのあの娘のとびっきりの笑顔。これだけは通販では拝めない。 #twnovel

2011-08-28 22:52:29
あやばね @ayabane

苛烈に目の悪い僕はメガネ合コンに来た。恒例のシャッフルタイム。無論、シャッフルされるのはメガネだ。男女一組のメガネが交換される。さ、僕の相手とメガネを探そ…ん、伊達か?困った、何も見えないぞ。気合で目を凝らすと、よろけた女性がベランダから落ちていくのが見えた。 #twnovel

2011-10-18 10:01:44
あやばね @ayabane

今は亡きご主人様を作った。これより起動。ロボットの私如きが創造主を再生するなどおこがましいが、どうしてももう一度会いたかった。設計図自体はご主人様のパソコンにとても古い日付で残っていた。私が朽ちたらまた作って貰おう。ご主人様が朽ちたら私が。幸福な、閉じた世界。 #twnovel

2011-12-17 11:44:23
あやばね @ayabane

おおつごもりだね、って君が言う。おおみそかじゃないの、と僕が答える。マイノリティな側に駆け寄る君と、マジョリティな側に安楽する僕のいつものやりとり。あなたの近くが落ち着く、って君が言う。ドキドキして落ち着かない、と僕が答える。 #twnovel

2011-12-31 12:13:21
あやばね @ayabane

最もシンプルな方法がそう。敵だよ敵。共通の敵を作るんだ。教わったかい、遥かな時代からそうだろう?彼らは人同士で喧嘩して、街同士で領土を奪い合い、国同士で戦争して結束を高めた。だから僕らは攻め立てるんだ。この青い星がひとつにまとまるようにね。#twnovel

2012-02-20 00:37:34
あやばね @ayabane

眠気をシェアするSNSに登録した。起きていたい人から、眠れない者へ。不眠症の僕にはとてもありがたかった。相性のいい提供者に出会い、「あなたの眠気は心地がいい」と、感謝のメッセージを送った。一言帰って来る「いい夢を」。あなたのまどろみで、あなたの夢をみる。 #twnovel

2012-08-01 09:48:39
あやばね @ayabane

「今宵は月が綺麗ですね」「そう?それは遠くからの景観だからよ。側に行けば岩が横たわるだけの殺風景な場所。そこに居ても、同じ事が言えるのかしら」「ええ。今よりも月を知り、魅力されるでしょう。あなたと一緒に」「私が付いていくとでも?とっても青いわね…あなたと、地球」 #twnovel

2012-08-19 22:12:07
あやばね @ayabane

俺達は、カウンターで飲んでいた。「未来から来たお前がその赤い糸で俺と彼女を?」青年は頷く。「彼女は僕の母親です」「じゃ、もしかして俺の息子?」今度は首を振る。「…違うのか。でもお前、そんなことしたら」「未来では、自殺が許さー」俺は、カウンターでひとり飲んでいた。 #twnovel

2012-11-15 18:31:18
あやばね @ayabane

若かったあの頃、読んだ本を読み返す。意外と、内容を忘れているものだな。細胞が総員もう入れ替わってるもんな、なんて自分に言い訳をしながら。でもあるページに差し掛かり、当時の記憶が呼吸を請うように水面に顔を出す。佇んでいた。君の長かった髪が、しおりのような顔をして。 #twnovel

2013-01-13 03:26:31