#狂気の魔法少女

焼きカレーのひと @burning_curry

ねえ。もう、銀色の杖は、錆びきっているの。ずっとずっと、前から。気付いていたのに、気付かないふりをして。ねえ、もう、銀色の杖は、使えないの。ずっとずっと、前から。願いなんて、一度も叶えて居なかった。なら、私の魔法は、何のためにあったの？ ねえ。 #twnovel #狂気の魔法少女

焼きカレーのひと @burning_curry

魔法少女が秘密を守る方法を教えてくれた。秘密を知られたくない相手に、銀の杖を一振り。それならば、と銀の杖をお母さんに、お父さんに、お友達に、彼に一振り。これでもう、大丈夫よね？ @1_dark #twremix 「だってもう、みんな知ることすらできないもの」 #狂気の魔法少女

焼きカレーのひと @burning_curry

夢の中で、世界が滅びていた。誰がこんなことを願ったのか、と首をかしげながらあたりを見る。銀の杖を持つ、魔法少女が首をかしげ、笑っていた。「これが願いでしょう？」私の手には、銀の杖。夢の中の願いにしては、やけに、リアルで。 @23novel #twremix #狂気の魔法少女

焼きカレーのひと @burning_curry

糸、いと、イト。みんな繋がってる糸がある。それを見ることが出来るのが、魔法少女。糸、いと、イト。みんな繋がってる。あたしの先に糸はない。イト、いと、糸。みんな繋がってる。憎い、憎い、憎い。だから全部、切るの。魔法、銀の杖、糸。全て断ち切る力。 #twnovel #狂気の魔法少女

焼きカレーのひと @burning_curry

チクタクチクタク、誰かの鼓動。チクタクチクタク、時計の音。銀色の杖は二本、チクタクチクタク。誰かの鼓動が止まれば誰かの鼓動が生まれることを、彼女は知ってるから。誰かの幸せのためだもの、と、チクタクチクタク。魔法少女は、銀の杖で、終わりを呼ぶ。 #twnovel #狂気の魔法少女

焼きカレーのひと @burning_curry

ほら、時間。銀の針と針が動いて止まって重なって、世界の終わりがやってきた。楽しく笑って歌って踊ってさ、終わりを待ちましょう。踊る少女の舞いは魔法。歌う少女の声は呪文。さあ、時間。君の願いは叶わない。銀の杖が、天に輝く。 #twnovel #全滅亡祭 #狂気の魔法少女

焼きカレーのひと @burning_curry

最近のあの娘は無敵。何をしてもミスしないし、完璧にこなしてる。おかげで誰も彼もチヤホヤ。でも私は知ってる、あの娘のヒミツ。あの銀の杖。器用に動かして弄くって、何でもかんでも思いのまま。あの娘は実は #twnovel ほら、時間。秘密のお喋りなんて、ナンセンスよ？ #狂気の魔法少女

焼きカレーのひと @burning_curry

魔法少女は、歌う。それは恋の歌、それは夢の歌。彼女の歌声に惹かれて、誰もが彼女の周りに集まる。誰もが叶えたい恋も夢も、彼女の歌の中では自由自在。銀の杖、まるでタクトのように振って。歌の終わりは願いの結末。願いが本物ならばきっと、叶っているはず。 #twnovel #狂気の魔法少女

焼きカレーのひと @burning_curry

魔法少女は卵から産まれる。願いを込めた小さな卵を砕いて、魔法少女は産まれる。殻の中の世界は、少女たちの誕生と共に。誰かの願いの世界は、誰かの願いによって滅びる。魔法少女の願いが世界を容易く滅ぼすことを、誰も知らない。 #twnovel #世界もう滅ぼしたい協会 #狂気の魔法少女

焼きカレーのひと @burning_curry

今日は一学期最後の日。明日からは夏休み。偶然を期待できない一カ月と約十日は、ちょっとかなり、苦しくて。一学期最後の日、少女は銀の杖で魔法をかける。「君が、私だけのものになりますように」願いは、赤い色と共に校舎の片隅で叶う。 @23novel #twremix #狂気の魔法少女

焼きカレーのひと @burning_curry

滅亡の卵に恋心を入れるのはね、力があるからよ、と、魔法少女は語る。小さな恋でも、少女の感受性の強い心に触れたら、意図も容易く世界だって壊せるから。魔法少女は何処かで、卵に羽化しない恋心を閉じ込める。 @23novel #twremix #世界もう滅ぼしたい協会 #狂気の魔法少女

焼きカレーのひと @burning_curry

願うのは何？ 祈るのは何故？ 魔法のないこの世界で魔法を求めて、欲にまみれて、純粋な願いも祈りも穢れてしまった。魔法少女になったあの子も、きっと世界の本当を見て、心を砕いてしまったんだろうね。輝く魔法は彼女の欠片。魔法少女には、もう、心はない。 #twnovel #狂気の魔法少女

焼きカレーのひと @burning_curry

仮装する人々、華やぐ街。誰もがいつもの自分を忘れて、はしゃいでお菓子を食べている。忘れられるはずなんてないのに、って、少女はガラスに映る、魔法少女の姿をした自分を見る。どんなに姿を変えても、貴方は私を見てくれないでしょう。だって貴方は、もう。 #twnovel #狂気の魔法少女

焼きカレーのひと @burning_curry

人の影の合間で、誰にも知られず魔法少女は戦う。銀色の杖をきらめかせて、街の影の中を、駆ける。誰にも知られぬ恋心を、誰にも知られぬ間に切り刻む。叶わぬ恋ならば、最初からあってもなくても同じでしょう？ 影の間、魔法少女は銀の杖を、振りかざす。 #twnovel #狂気の魔法少女

焼きカレーのひと @burning_curry

森の片隅で、ティーパーティーが開かれる。赤い紅茶が雫を作って、焼きたてのケーキの香りが鼻をくすぐる。魔法少女は独り、銀の杖を振って笑う。杖さえ振れば、また、願いが叶うはずだから。戻らない時に思いを馳せ、魔法少女は、独り。 @Gomappp26 #twremix #狂気の魔法少女

焼きカレーのひと @burning_curry

好きになったら、魔法をかけます。いつまでも私のそばにいてくれるようにと、呪いを込めて、こっそり魔法をかけるのです。私のそばから二度と離れられないように、銀の杖を振って、鎖で繋いで、強力な痛みの魔法をかけるのです。 @23novel #twremix #狂気の魔法少女

焼きカレーのひと @burning_curry

愛を、愛を、愛を頂戴。魔法少女は、ただ願う。私が欲しいのは、愛、愛。見たこともない愛を求めて、魔法少女は駆ける。銀の杖を振り回して、叫ぶ。愛を、愛を。少女は求める。愛を、愛を。愛を、愛を。 #愛の魔法 #狂気の魔法少女