茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第883回「居場所は、必要なんだろうね」

脳科学者・茂木健一郎さんの3月7日の連続ツイート。 本日は、ふりかえり系、分析系ツイート。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

しゅりんくっ! ぷれいりーどっぐくん、おはよう!

2013-03-07 06:36:18
茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第883回をお送りします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、ふりかえり系、分析系ツイート。

2013-03-07 07:21:39
茂木健一郎 @kenichiromogi

いひ(1)池上高志(@alltbl)が大学の将来についてのシンポジウムを東大の駒場でやるというので、予定をいくつか調整して、午後だけ出かけた。それで、面白かったのだけれども、ぼくなりに考えたのは、やっぱり「居場所」は必要なのではないかということ。それが大学であれ、なんであれ。

2013-03-07 07:23:18
茂木健一郎 @kenichiromogi

いひ(2)当日議論にも出ていたが、今、実質的な学術情報という意味においては、大学の特権的な意味はなくなってきている。論文はgoogle scholarで大抵落としてこれるし、大学のlectureのビデオも、米国の有名大学を中心にふんだんにネット上に転がっている。

2013-03-07 07:24:28
茂木健一郎 @kenichiromogi

いひ(3)しばしば問題とされる議論相手にせよ、ネット上で検索すれば、同じようなことに関心を持っている仲間を見つけることは容易である。だから、時代の状況としては、大学とは関係なく独学することは可能であるし、実際にそうやっている人たちはもはやかなりの数いるのではないかと思う。

2013-03-07 07:25:35
茂木健一郎 @kenichiromogi

いひ(4)じゃあ、大学は要らないかと言えば、まだ機能が残っているという感覚を、駒場キャンパスを歩きながら思った。18の春、塩谷賢(@まだツイッター始めず)と出会って衝撃を受けた頃、私はわけもわからずにふらふら歩き回っていた。大学は、確かに一つの「居場所」だったのではないか。

2013-03-07 07:28:01
茂木健一郎 @kenichiromogi

いひ(5)その塩谷は、数学を修士まで出た後で厚生省(当時)に入り、その時に今の妻と出会ってめでたく寿退官し、東大の駒場の科学史科学哲学の大学院に入った。そして、修士、博士を「表裏」9年やった後で、論文も書かず、無事に「単位取得退学」(っていうんだっけ?)してプーとなった。

2013-03-07 07:31:07
茂木健一郎 @kenichiromogi

いひ(6)塩谷賢は、今でも時間論の哲学を続けているけれども、その人生の時において、駒場の科学史科学哲学にぷー大学院生として在籍していた期間は、それなりに安定したいた時期だったようにも思う。なんとはなしに、「あっ、塩谷は駒場にいるんだ」みたいな、認知的な安定性が立ち上がっていた。

2013-03-07 07:33:01
茂木健一郎 @kenichiromogi

いひ(7)学問の実質においては、大学はもはや特権的な意味はない。また、居場所も、工夫すればネットワーキングやノマドで設計できるかもしれない。問題は、「居場所」としての安心感(人間というのは弱い存在だからね)を与える機能において、大学と匹敵するものはまだなかなかないということだ。

2013-03-07 07:34:18
茂木健一郎 @kenichiromogi

いひ(8)パネリストとして来ていた森田真生とか、鈴木健とか、才能と幸運に恵まれた人たちは、大学と関係なく自分一人で立つことができるけど、多数の、か弱き羊たちにとって、大学と同じくらいの世間にわかりやすい居場所を与えてくれる存在は、まだないのだろう。

2013-03-07 07:35:46
茂木健一郎 @kenichiromogi

いひ(9)逆に言えばそこに大学のリスクもある。居場所として既得権益化し、実質が低下する。大学なんて最初から相手にしないで自分で勝手にやるくらいの力と勢いがないと、現代ではまともなことはできない。それでも、居場所を確保して安心したいという動機も、人間だからあるんだろうね。

2013-03-07 07:38:26
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第883回「居場所は、必要なんだろうね」でした。

2013-03-07 07:38:49