アニメプロデューサー・吉岡昌仁氏の『名探偵コナン』テレビ裏話

吉岡昌仁 @yoshioka_masa

コナンテレビ裏話#1 市ヶ谷駅の上にビヤガーデンがあってそこでスワッチから「コナンをやりたい」つて話があった。「やるならタブーに挑戦しよう」って誓い。こだま監督とキャラクターデザインの須藤に話をした。そして小学館に。青山さんが「アニメ？嬉しい」で、1995年スタートしました。

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コナンテレビ裏話#2コナンは最初2話から作ったんだ。制作発表会があって1話にはコナンが出てこない。小さくなった新一は最後「えっ！」の一言だけ出るけどまだコナンって名乗ってない。小さくなった新一に声をかけた警官は、高木渉と千葉一伸。まさか高木刑事と千葉刑事になるとは誰も思わなかった

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コナンテレビ裏話#3 いまでもみなみに言われて答えられないシーンが1話にある。「ねえ、ヨッシーさ、なんでジンとウォッカがジェットコースターに並んで乗るの？」わかりましぇん！原作がそうなってたんだもの(T-T)(笑)

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コナンテレビ裏話#3、1話から 暫くはずっと「蘭のもとに戻るんだ」っていうのを強調して作った。この季節いつも思う。真っ暗な工藤邸で階段を少し上がって新一の身長になって蘭に手袋を渡すコナン。切ない。でもあの時の手袋「沈黙の…」中で蘭がしてたのわかった？ファンへのプレゼントでした。

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今朝の#4だった。てことで次は#5だけど話したい話数のタイトル忘れた。800本以上やってるんだもんな

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コナンテレビ裏話#5。初めての前後編10、11話だったかな「ピアノソナタ月光殺人事件」？完成して青山さんに見てもらった時に感心して喜んでくれた。「漫画には音がないから、こうなるって想像できなかった。アニメってスゲエ～」って。それからは何かと感想を伝えてくれた。嬉しかった。つづく

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コナンテレビ裏話#6「ピアノソナタ…」は新一がコナンになって一番悔しかった事件じゃないかなぁ、ってみなみとよく話す。新一であったら先生を助け出せたのにコナンであったから放り投げられてしまう。焼け跡に残るコナンの顔を「話せない無念」の表情で描いて欲しいって頼んだ。須藤、見事！

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コナンテレビ裏話#7スタートした頃はおもちゃの宣伝のようなアニメが多かった。スワッチと「コナンが成功しなかったらテレビからストーリーアニメはなくなる」って危機感をもって作った。でも、飲み屋さんで「コナン知ってる？」って言うと「未来少年？」って2年ぐらいは言われたな。今はないけど

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コナンテレビ裏話#8「揺れる警視庁」の時、神奈延年と三木眞一郎を起用した。二人とも素晴らしかった。その頃オレ難病になって渉とみなみにだけ話してて、収録のとき渉が感極まって台詞が言えないシーンがあった。 「佐藤さん、忘れちゃだめですよ。亡くなったら想い出でしか生きれないんですから」

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コナンテレビ裏話#9灰原のおねえさんが出てきた頃はなるぺく人を殺したくないってことでラスト助かった話にかした。暫くして青山さんが「吉岡さん怒るかなぁ原作で灰原を出しちゃった」。おねえさんが生きてると灰原は出られない。だから新たにおねえさんが死ぬ話を作ってSPで灰原が登場したんだ

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コナンテレビ裏話#10初めてオリジナルを作った頃、うちの会議室はアンパンマン、ルパン、セイントテール、で埋まっていて喫茶店でシナリオ会議をしてた。「青酸カリって手に入りやすいか」「心臓発作をおこさせるとか」ってやってると警官が来る。お店が連絡したらしく、なんど交番に行ったかな

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コナンテレビ裏話#11オリジナル2本目は原作のシナリオ会議の時に決まった。古内さんが電卓で数字を打ってみせてきた。553…数字が並んでるんだけど電卓を逆さまにしたら皆ビックリ！EXPRESSって読めた。映画のシナリオを古内さんに頼んだのは、そんなセンスに惚れたからかもしれない

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コナンテレビ裏話#12、何話だったか忘れたけどコナンとすれ違う車にルパンと次元が乗ってるシーンがあった。フィルムチェックをしてる時は気がつかなくてOAで分かった。すぐにモンキー先生を訪ねて謝った。そしたら「コナンに出してくれてありがとう」って。モンキー先生ってデカイなぁ

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コナンテレビ裏話#13最初の頃一番悩んだのが蘭とコナンが一緒に歩くとき。蘭とコナンを横から撮るとふたりの歩幅が違う。蘭の一歩はコナンの二歩。でも作画さん蘭がコナンの歩幅を気にしながら歩くように作ってくれた。コナンが駆け足にならないように。今度注意して見て。ほっこりしちゃうよ！

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テレビコナン裏話#14コナンのスタートの頃は新聞によく、ある団体やある団体のコナンバッシングの記事が載った。スワッチと理論武装(あの頃はこの言葉よく使ったなぁ)しようって言って「俺たちは人殺しの番組を作ってるんじゃない、人殺しをしてはいけないっていう番組を作ってるんだ」って戦った

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コナンテレビ裏話#15「小五郎の同窓会…」は兎に角おっちゃんをかっこよく描きたかった。ともするとズッコケキャラになりそうだったんだけど、元は警視庁捜査一課の敏腕刑事。鋭さがゆえ一番犯人であってほしくない親友への疑惑が強くなる小五郎の苦悩が伝わったら嬉しい。一話一話命削って作った

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コナンテレビ裏話#16青山さんが考えるトリックって本当にできる。コナンは年に一度スタッフとキャストで旅行してるんだけど鍵をかけ糸を使って廊下から遺体まで鍵を戻す。茶さんと渉と一伸がホテルでやって密室大成功！大ハシャギ。そこでみなみが「嬉しそうだけどあなた達、警視庁の刑事ですから」

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コナンテレビ裏話#17コナンの収録を渋谷でやっていた頃はいつも皆で行き付けのお店で食事して帰った。広い居酒屋で奥に2，30人入れるカラオケルームが指定席。一曲も歌わずその日の内容や芝居が良かったかとか反省会。熱くコナンを語り合った。その店はもうないけど熱い思いは、今も生きてる

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コナンテレビ裏話#18コナンチームの行き付けはもう一軒。新井薬師にあった沖縄料理の店。飲み足りない人、別の仕事から駆けつける者。そこでもまた熱い話に。おかみさんが気のいい人でみんな勝手に酒を作ってた。その頃珍しかったシークワサーサワーが定番。女将が亡くなった時みんな集まってくれた

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コナンテレビ裏話#19「霧天狗伝説…」は原作に凄くはまった。高い梁に首吊り死体。青山さんよく考えるわ～って感心した。で、アニメオリジナルでああいうトリックをやりたかった。足跡のない泥地の真ん中に死体があるとか色々。そして何人かのライターさんに相談してできたのが五重塔の首吊り死体だ

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コナンテレビ裏話#21テレビがスタートして少したった頃、「メーキングコナン」って言うビデオを作った。シナリオ会議を少年探偵団が殺し屋の打ち合わせと勘違いしてストーリーが進むんだけど、はじめてアフレコを経験した。僕、こだま監督…という順番で。ブースの外で声優さんが大笑い。いつもと逆

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コナンテレビ裏話#21(この前の#20)アーティスト…の時、TOW-MIX はライブをやらないのでどう作るか悩んだ。山本さんはすべての口パクを歌詞通りに合わせダンスも入れた。当時はフィルムだったから映写室の大画面で見て感動！みなみと椎名君「やるならこんなライブをやりたい」って！

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テレビコナン裏話#22 佐藤刑事の彼が死ぬSPの時、「ARMS」で相棒だった延年と三木を起用した。「ARMS」でのいきのよさもあって仕事を忘れて二人の芝居に見いっちゃった。その後突然爆発！延年の刑事と三木の刑事が殉職。なんか芝居と現実がごっちゃになった。あの日の収録は忘れない。

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コナンテレビ裏話#23コナンの大変なところは青山さんの原作に季節を入れたトリックが多いところ。たとえば今桜の花の話が連載されると、アニメ制作は３ヶ月かかるから夏の放送になって季節がずれる。雪なら9月からの作業。放送に季節を会わせる為、オリジナルの脚本をためる。そんな努力をしてます