今井哲也先生のGJ部語りまとめ

漫画家の今井哲也先生がGJ部に対する想いを熱く語っていたので思わずまとめてみました。初トゥギャりなのでちゃんとできてるか凄く不安。
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今井哲也 @imaitetsuya

その結果、なんかよくわからないけど箸が転げてもおかしい空間が現出するし、それが時々気づくと暴走してて、けど流れにのっかってると引き返すタイミングがわからなくて、気づいたらなんか今僕蹴られた! とか、なんかさっきからずっとキスシーンの話ばっかしてる・・・ とか、そうなる

2013-03-23 09:33:42
今井哲也 @imaitetsuya

話が戻りますけど、これって、共学高校のとくに文化系部活動の部室ではたぶんかなり普遍的に起こっていることだと思うんです それこそ吹奏楽部のチューニングの音をBGMにしながら

2013-03-23 09:36:02
今井哲也 @imaitetsuya

たとえば、長嶋有の小説『ぼくは落ち着きがない』とかこれにすごい近い。

2013-03-23 09:39:46
今井哲也 @imaitetsuya

高校の図書部が舞台なんだけど、変な改装工事の結果生まれた壁と壁のスキ間みたいな、変な狭い隠れ家みたいな部室で男女の部員がめいめい本を読んでいて、なんかたまにすごい変な挨拶が部員の間でだけ流行るとかそんな話。基本何も起こらない。ただ本読むのとここでだべるのが楽しいよねーってだけ。

2013-03-23 09:40:35
今井哲也 @imaitetsuya

あとね、あれです。ゆゆ式。GJ部の楽しさってゆゆ式とすごく近い。

2013-03-23 09:41:24
今井哲也 @imaitetsuya

三上小又さんの4コマ漫画『ゆゆ式』のすごく独特で好きなところってどこかというと。こう、登場人物がなんかおもしろいことを言うんですけど、それがギャグ漫画のいわゆるギャグとして作られてはいないところなんですけど。

2013-03-23 09:44:38
今井哲也 @imaitetsuya

登場人物が発するギャグとかなにか面白いことが、コマの外の読者に対して、いわば読者を笑わせるために用意されるギャグとか状況じゃないんですよね。そうじゃなくて、彼女たちは「一緒にしゃべっている別な登場人物の誰かを笑わせるために」ギャグとか冗談を発する。

2013-03-23 09:45:53
今井哲也 @imaitetsuya

で、その子がそれが面白くて大笑いしたり、それこそ変なツボに入って延々笑いが止まらなくなっちゃったり、あるいはわざと無表情とか無言で返して逆に相手を大笑いさせたりする。で、その状況全体が読んでる側はすごく可愛らしくて楽しくて面白いっていう。そういう漫画。

2013-03-23 09:49:03
今井哲也 @imaitetsuya

だから、ゆゆ式ではすごい破壊的なボケばかり発するバカなムードメーカーの子がいるんですけど、その子実は学校の成績はすごいよかったりするんですよ。あくまで仲のいいいつもの面子とふざけるときだけものすごいふざけるっていう。

2013-03-23 09:51:59
今井哲也 @imaitetsuya

逆に、ひどくマイペースで天然ボケとしか言いようのない子がいるんですけど、その子はときどき発言の意味を本気で理解してもらえなくて、なんか会話が尻すぼみになって終わるとかする。このへんの会話の空気感がすごいリアル。で彼女たちが3人のいつものじゃれ合いを全力で楽しんでるのがわかる。

2013-03-23 09:53:37
今井哲也 @imaitetsuya

この感じ。皆がちょっとずつほかの皆に合わせながら、その面子だけで通用するある意味特殊なキャラを作って演じながら、でもそれは決して無理をしてるんじゃなくて、ただこの今、ここに一緒にいる皆との空間を全力で楽しむために積極的にその場にコミットしていくっていう楽しさ。その時間の愛おしさ。

2013-03-23 09:56:23
今井哲也 @imaitetsuya

ゆゆ式だと、皆と別れて自宅の部屋でひとりきりになったときのテンションの落差とかも一緒に描かれていてそれがまた良いです。あんなにはしゃぐのは3人でいるときだけで、家だとなにも考えずにぼーっとしてたりちょっと寂しかったりさっきまでの会話の余韻に浸ってたりする。

2013-03-23 09:59:47
今井哲也 @imaitetsuya

でメールが来た時だけテンションがまたガッ! と上がる。これこれ! 仲のいい友達と一緒に過ごすってこういう感じだよ!! っていう。

2013-03-23 10:00:32
今井哲也 @imaitetsuya

で、GJ部も、ぼくはそういう感じがしてすごい愛おしいんですね。内容とか生産性とか全然ないほんとにしょうもないことで、いちいちみんなで全力でふざけあって楽しむっていう。高校のときの部活動の楽しさの、ほとんど本質といっていい部分がここにある感じがする。

2013-03-23 10:02:57
今井哲也 @imaitetsuya

で、しかもそれって、これまで「部活動もの」っていうくくりの中ではすごく描くのが難しかった部分だと思うんです。確かに存在するものなのにほとんど描かれない。

2013-03-23 10:04:10
今井哲也 @imaitetsuya

なんでかっていうと、たとえばもしこのアニメが「軽音楽部」とか「美術部」とか「文芸部」を舞台にしていたら、それって「軽音楽部のくせに軽音楽を全然やらないアニメ」「美術部なのに絵を全然描かないアニメ」としか説明できなくなるじゃないですか。でも、そうなんですけど、そうじゃないんですよ

2013-03-23 10:05:52
今井哲也 @imaitetsuya

「部室でただだべってるのが楽しい」って、たぶんあらゆる部活動、とりわけ文化部にはそれはもう普遍的に存在していて、確かに部活の楽しさのすごく大切な一部分のはずなのに、部活動の目的そのものとは全然関係ない時間じゃないですか。だから具体的な「ナントカ部」を設定した瞬間脇道になってしまう

2013-03-23 10:09:36
今井哲也 @imaitetsuya

でもやっぱり「部活」を描く上でそこってすごく大事で、むしろ何か作品を仕上げるとか大会に出るとか勝つとかなんかそういうのも、下手したらその楽しい時間に対するそっちの方がオマケだったんじゃないかと思っちゃう瞬間すらあるんですけど、だからつまり、「GJ部」って名称がまずすごいんですよ。

2013-03-23 10:14:49
今井哲也 @imaitetsuya

GJ部って言われた瞬間なんかもう部活の活動内容自体はどうでもよくなるじゃないですか。「ごらく部」以上に実態不明で、ほんとはなにかあるのかもしれないしないのかもしれないし、あるいは美術部とか文芸部とか生徒会とか好きなものを代入しても全然内容的には成り立つ。難しく考えるとそういう装置

2013-03-23 10:17:59
今井哲也 @imaitetsuya

なので以前も言ったけど繰り返して言いますけど、僕にとっての高校時代の思い出って、まちがいなくあのGJ部のアニメのなかに全てあるんです あれこそ青春です これです https://t.co/fm0nK1R42r

2013-03-23 10:30:26
今井哲也 @imaitetsuya

あとあれな、文化部で女子がいっぱいで男が一人っていうのもトラウマが刺激されて非常に良い

2013-03-23 10:31:30
今井哲也 @imaitetsuya

まあべつに文化部に限らないと思うけど文化部って書くけど、文化部の女子って3人以上集まって男子がこっちひとりだけだと、もうなんかその男子のことはどのようにいじっても全て許されるみたいな感じで来るよな! あいつら何言ってもいいと思ってるよな!!!

2013-03-23 10:34:23
今井哲也 @imaitetsuya

で純朴な男子としては人権をライトに踏みにじられつつちょっとその状況もドキドキしてまんざらでなかったりするよな! わかるよキョロ君! わかるよ!!

2013-03-23 10:35:35