簡易検証:東京新聞(3/7)報道「TPP参加に極秘条件 後発国、再交渉できず」は事実か(カナダ編) #反TPP #関税
- tkatsumi06j
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きっかけとなった情報(2013/3/7付)
@tkatsumi06j 不平等条約!環太平洋連携協定(TPP)「交渉を打ち切る権利は九カ国のみにある」「既に現在の参加国間で合意した条文は原則として受け入れ、再交渉は要求できない」 2013年3月7日 夕刊 http://t.co/JGwLXQAK47
2013-04-01 05:35:53裏取ります。"@DreamStarAngels: 不平等条約!環太平洋連携協定(TPP)「交渉を打ち切る権利は九カ国のみにある」「既に現在の参加国間で合意した条文は原則として受け入れ、再交渉は要求できない」 2013年3月7日 夕刊 http://t.co/wwWTRPlw2s"
2013-04-01 06:00:19まあ、「複数の政府筋」というソースは検証しようがないんだが。脱原発にいかに友好であろうと、検証不能なソースを示すメディアはどこであろうと疑ってかかる基本姿勢に変わりはない。
2013-04-01 06:16:03今回の東京新聞の報道の場合、ソースは「複数の外交関係筋」となっている。つまり、「外交畑」に限定されている。これが日本政府を表すのだとしたら、外務省経由のリークということになる。その意図は何か。これを読み取る必要があるだろう。安倍政権に対する造反とも受け取れる行為だからだ。
2013-04-01 06:21:47検証:一般資料編(2012/6/19付)
【TPPとカナダ】オタワ大学で電子商取引法を教える著作権法問題のコラムニストであるM・ガイスト教授 @mgheist は、12年6月付のブログ「カナダは二等国扱いか」で今回の東京新聞へのリークと似た内容について詳述している。 http://t.co/zKgMEoIR7R
2013-04-01 06:43:20【TPPとカナダ】2.ガイスト教授は、会員制米通商情報サイト経由の情報として、カナダ政府は、①TPP原参加9カ国が合意した章については再協議を求めないこと。②同9カ国が合意した章については拒否できないことの2条件を受け入れたとする。事実なら今回の「外交関係筋」のリークと整合する。
2013-04-01 06:52:44【TPPとカナダ】3.カナダが参加を躊躇した理由は知的財産権問題。ガイスト教授は問題をずっと追ってきた。実は教授がこの記事を書いた昨年同月、カナダ国会は知的財産権保護法を可決したばかりだった。TPPに参加することはこの法の改正を意味するため、教授は政府の参加意図を疑う。
2013-04-01 06:57:54【TPPとカナダ】4.ガイスト教授はTPPが極めて透明性を欠いた交渉であり、カナダ政府の従来の情報開示の姿勢と真っ向から対立することを指摘する。結果、12年6月時点では、カナダ政府は交渉内容を一切開示しない姿勢をとっていたそうだ。では、それから1年近く経つ現在はどうなのか。
2013-04-01 07:00:36【TPPとカナダ】5.ガイスト教授ほどカナダの交渉課題に精通した人間が信頼する情報筋の情報なら、カナダが既存合意への参加や拒否ができないとする東京新聞の「外交関係筋」の情報も事実と考えられる。ただ問題は、当事国カナダで12年6月に発覚していた事実が今更日本で報じられたことだ。
2013-04-01 07:04:33【TPPとカナダ】終.ガイスト教授の12年6月付の情報と東京新聞の13年3月付の「外交関係筋」の情報は整合した。情報格差はあるとはいえ、このことを今更、今、このタイミングで外交関係筋が明らかにする意図は何なのか。世論突き上げが狙いか。政権転覆が目的か。冷徹に見る必要がある。
2013-04-01 07:08:12検証:政府資料編(2013/3/12付)
【TPPとカナダ2】カナダ外交通商省はそのTPP専用ページで「規制制度の整合性、電気通信、税関協力(Customs Facilitation)、開発の分野で重要な進展が見られた」と米通商代表部USTRと同じ内容の報告を行っている。 http://t.co/Omm459lfr6
2013-04-01 07:23:26【TPPとカナダ2】2.カナダ外交通商省はまた、第16回会合の総意として、参加国の首席交渉官らが「2013年内の合意妥結を目指すことに合意」したとしている。これも東京新聞が報じる内容や外務省の同会合の要約の内容と整合する。 http://t.co/Omm459lfr6
2013-04-01 07:28:34【TPPとカナダ2】3.米通商代表部、カナダ外交通商省、日本の外務省の三者の発表資料はいずれも、第16回会合では「税関協力」の分野で進展が見られたとしている。「関税分野の協議が終了した」とは発表していない。同会合についてはカナダ政府も報道発表を行っているので確認してみる。
2013-04-01 07:32:09【TPPとカナダ2】4.オタワ大学のガイスト教授が懸念したように、カナダ政府は確かにTPPに関する透明性をやや欠いているようだ。13年3月12日付のプレスリリースには「税関協力」分野等について協議が終了したことが明記されていない。 http://t.co/M7LEcxkJ66
2013-04-01 07:37:23【TPPとカナダ2】5.カナダ政府の発表からわかるのは、カナダは関税をtariff。税関をcustomsと明確に表記分けしていること。つまりUSTRの発表通りなら、customsに関する協議は終結しているがtariffに関する協議は依然継続中であることになる。
2013-04-01 07:40:11【TPPとカナダ2】6.カナダ政府の発表はUSTRのTPP総合サイトにリンクされているので、詳細は参照すれば足りる。カナダの懸念材料は知的財産権だが、この件については発表は全く触れていない。ただし、カナダ政府は市民社会を含む各ステイクホルダーと公開協議を行っている。
2013-04-01 07:44:33【TPPとカナダ2】終.ガイスト教授が指摘するように透明性に対する疑問は依然残るも、カナダ政府は少なくとも関係者らとの公開協議を実施することで一定の情報開示に努めている。すでにNAFTA加盟国であるカナダに関税協力は重要な分野ではないので発表は事実通りと捉えることができる。
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