unpeu_g #twnovel 2013/2 でもやっぱり「いくつに見える?」って茶番だよね

twnovelまとめ:その⑮(2月分)
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二月大笑 @unpeu_G

#twnovel 歳を訊ねる行為にも合理的理由を見いだせないが「いくつに見える?」と訊ね返す主人の行動も解せない。私にも訊ねて来た相手に私は端的に答える。「製造経過七年です。」相手は興醒めして去っていく。「これが情緒という感情よ。」主人は初めて会った時より柔らかくなった顔で笑う。

2013-02-06 01:43:42
二月大笑 @unpeu_G

#twnovel 「何でそんなに太るのです?」アンドロイドの彼女が言うと洒落にならない台詞だが、まあでもその疑問もわかる。一緒に釣りに行ったのだ。「準備して行って釣り上げて捌いて調理して盛り付けて、取れるカロリーがこれっぽっち!すごい持ち出しじゃないですか!何で補ってるんです?」

2013-02-06 21:23:16
二月大笑 @unpeu_G

#twnovel 急に訊ねて来られても色々不都合だって言うのに。私は絶対簾を上げない。それでもなかなか引き下がらない。何とか時間を稼がなくては。「蓬莱の玉の枝が欲しいわ!」そうして必死に片付ける。「その巻物も全部巻いて!」嫗が呆れて小言を言う。「だから普段から片しなさいって…」

2013-02-13 02:02:17
二月大笑 @unpeu_G

#twnovel 灰色の町はいつも冬で、結婚したばかりの私は桜という字を大きく書いて妻と二人で「花見」をした。すぐ春が来ると言い合いながら。彼女を亡くして思い出した。紙に彼女の名を書いてみる。違う。こんなのはただの名前だ。続けて妻、と書いてみた。これもまたただの漢字だった。

2013-02-15 01:17:51
二月大笑 @unpeu_G

#twnovel オート巡航モードのラクダはさくさくと砂を踏み進む。昼にたっぷり充電したしGPSが付いているので隣について行くだけで良い。蜃気楼にも惑わされない。夜の砂漠は風もなく動くのは月と星だけである。北の一点の星を除いて。ラクダが機械仕掛けになってもあの星だけは動かない。

2013-02-23 01:36:34
二月大笑 @unpeu_G

#twnovel 私を描いていた彼も暗くなったのでペンを止めた。月が出て星が巡り始める。「世界を回す力があればな。」彼はペン軸を北極星に突き立てて回すそぶりをする。私は黙って微笑んでその場でくるりと回って見せた。まだ見ぬ婚礼相手に送る為に描いてもらっていた正装がふわりと広がった。

2013-02-23 22:44:52
二月大笑 @unpeu_G

過度の未練はストレスとなる。速やかな消去は義務である。もちろん抵抗する者もおり中でもこの女は鮮やかに我々の手をすり抜け続ける。解放銃の射程外に逃げおおせた女にせめてと叫ぶ。「どうして楽にならないのだ!」女も振り返って叫ぶ。「私は忘れたくないの。あなたを。」 #twnovel

2013-02-27 13:36:33