「ツイッター作家」について (その2)

有名人でもないけれど、ツイッター上で多数のフォロワーを持つ程度には影響力がある。そこを注目されてか、本を出版する機会を与えられ、自分の本の宣伝をツイッターで行い、本の感想として好意的なことを言ってくれた他人のツイートをガンガンリツイートしまくる―――そんなプチ著名人「ツイッター作家」たちの戦略について考察しました。第2弾です。
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GoWest @GoWest_jp

「「ツイッター作家」について」をトゥギャりました。 http://t.co/hzHJ5ceG15

2013-04-09 20:27:23
GoWest @GoWest_jp

ツイッター作家は、読者に相反する「近さ=親密感」と「遠さ=畏敬」を感じさせれば、本が売りやすくなると書いた。ここで、「畏敬」("この人は俺達の知らないことを知っているぞ"感)のソースは、ツイッター作家の海外体験や海外在住状態であることが多い。

2013-04-10 15:56:45
GoWest @GoWest_jp

つまり、ツイッター作家は、「私はあなたの行ったことのない外国で、あんなスゴイ事やこんなスゴイ事を体験した結果、一定の知見に達しました」と喧伝して、その知見とやらを日本在住市民のお金と交換するビジネスをしてるわけだ。

2013-04-10 16:00:45
GoWest @GoWest_jp

彼ら(ツイッター作家)は、ことさら「英語」「ノマド」「グローバリズム」などというキーワードを持ち出し、自分が本の中で伝えようとしている知見が、いかに万国共通の普遍的なものであるかを強調する。

2013-04-10 16:09:29
GoWest @GoWest_jp

次に、彼らは伝家の宝刀「世界はこう変化する」という予言を繰り出す。そしてこう言う。"ボクが目をつけた「変化」はかくも普遍的であるのだから、日本でそれがまだ起こっていないのなら絶対これから起こるんですよ。" そして、それに備えよ、と説く。

2013-04-10 16:14:03
GoWest @GoWest_jp

この時代、この世界で生き残りたいなら「万国共通の普遍的スキル」を身につけ、それを鍛え、研ぎ澄ませよ。そんなメッセージを発して、彼らは潜在的読者を鼓舞したり煽ったり焦らせたりする。

2013-04-10 16:18:44
GoWest @GoWest_jp

しかしながら、彼らインターネット作家たち自身による本の出版という行為――これは「万国共通の普遍的スキル」を用いたしのぎを削る戦いからは程遠い。「外国」の知見と「日本」の読者というロケの違いに着目したすごくローカルなビジネスに過ぎないではないか。そこがものすごく引っかかる。

2013-04-10 16:23:55
GoWest @GoWest_jp

やってる事は、東南アジアで雑貨を安く買い付けて、日本で高値で売ってるのと同じ。―――「普遍的」な価値は何処へいった? しかも、雑貨は東南アジア産かもしれないが、「知見」は本当に外国産なのかどうかも怪しい。

2013-04-10 16:28:06
GoWest @GoWest_jp

インターネット作家さんたちはこう言い訳するのかな?「いいえ、私、本業では普遍的スキルを磨いて世界中の人たちとしのぎを削ってるんです。国籍なんて関係ない厳しい世界です―――え、本ですか?ああ、確かに普遍的スキルじゃなくて、ロケの不均衡で稼いでますね。でも、こっちは『副業』なんで。」

2013-04-10 16:33:44
GoWest @GoWest_jp

そして面白いことに、彼らインターネット作家さんたちに魅了されるツイッターのフォロワーさんや読者の多くが、彼らの著書には興味を示すものの、「彼らが本業でどの程度成功しているか」については、そこまで関心がないのではないのではないかと思う。

2013-04-10 16:38:30
GoWest @GoWest_jp

僕は「体験」にはスゴイもくそもなくて、海外フリーランスは海外フリーランスの、日本のサラリーマンは日本のサラリーマンの、ホームレスはホームレスの、各人それぞれ独自の体験を持っていると思う。誰しも、相手が知らない自分の体験を語ることができる、という意味ではイーブンな立場にある。

2013-04-10 16:45:45
GoWest @GoWest_jp

本が売れるのは、実のところ、海外ノマドが普遍的スキルをより多く持っているからではない。相手の体験が自分の役にも立ちそうだと信じたから、読者はお金を払ったのだ。じゃあどうして読者は「役に立つ」と思ったの?――ぼくは、そこに、ツイッターを通じた「洗脳マーケティング」の作用を感じる。

2013-04-10 16:50:43
GoWest @GoWest_jp

ツイッター作家が繰り出す「未来はこうなる」「世の中はこう動く」という断定的予言。これを信じたから、読者は自分の体験よりツイッター作家の体験のほうが価値がある、と思ったのだ。自分独自の体験をインターネット作家の方に売りつけることだって、同じくらい合理的だったはずなのに。

2013-04-10 16:56:22
GoWest @GoWest_jp

「洗脳マーケティング」の1つの手法が「断定口調の予言」によるバイアス印加であり、別の1つの手法が「畏敬と親近感のブレンド」であり、さらに別の1つの手法が「根拠薄弱でも論理飛躍してても、一貫して上から口調で説き続けていく態度」であるのだと思う。

2013-04-10 17:01:06
GoWest @GoWest_jp

あ、ところどころ「インターネット作家」と書いてしまったのは「ツイッター作家」の誤記です。失礼しました。

2013-04-10 18:06:15