カナコちゃん

藤原祐 @fujiwarayu

これからPOSTするのは、TLでちらほら流れてた話題と関係あるようなないような話なんですが。

藤原祐 @fujiwarayu

僕はいつも本を書く時には、日本のどこかの町に住む、14歳くらいの、本を読むのがちょっと好きな「誰か」、まあ仮に名前を「カナコ」ちゃんとして（性別は本当はどっちでもいいんだけど）、とにかくその「カナコちゃん」が読んで楽しんでくれるといいな、と思いながら書く。

藤原祐 @fujiwarayu

カナコちゃんは毎月の少ない小遣いを、ちょっとしたオシャレであったり音楽であったり、そして本を買うのにも使う。お小遣いは限られているから、今月の電撃文庫を全部、とか、各出版社のものを毎月20冊、とか、そんなにたくさんは買えない。せいぜいが月に3冊とか4冊とかじゃないかと思う。

藤原祐 @fujiwarayu

でもってカナコちゃんはちょっと控えめな性格の子なので、僕に手紙を送ってくれたりはしないし、Twitterやblogで僕の本の感想を書いたりもしない。ただ僕の本を読んでくれて、面白かったら次を買ってくれて、面白くなかったらがっかりして、がっかりが続けばそのうち買うのをやめてしまう。

藤原祐 @fujiwarayu

ライトノベルについて、いろんな定義とか越境がどうのとかを気にする人がいて、それはもちろん否定したり僕のような立場の者があれこれ口を出すようなことではないんだけど、でも僕は「ライトノベル」というのは「カナコちゃんみたいな子たちが読んでくれる本」だと思っている。

藤原祐 @fujiwarayu

カナコちゃんたちは僕らの本を夢中で読む。人生や存在意義を仮託するほどに。そうして年を取って、いつか他の本も読むようになって、ライトノベルなんか読まなくなって、そうして大人になった後、かつて夢中になった僕らの本を押し入れから発見して「こんなの読んでたな」と少し笑う。

藤原祐 @fujiwarayu

その後、僕らの本は、そっと押し入れに戻されるかもしれない。縛って捨てられてしまうかもわからない。でも、どっちでもいい。そういうものだし、そういうものでありたい。

藤原祐 @fujiwarayu

まあ以前にも書きましたけど、もちろん中には大人になっても付き合ってくれ人たちがいて、そういう人たちとはもう一生の付き合いなのだから、その縁は大事にしたいです。でもだからといって、日本のどこかにいるかもしれないカナコちゃんのことをないがしろにはしたくないと思うんです。

藤原祐 @fujiwarayu

だってそうして、一生付き合ってくれるようになった人たちも、かつてはカナコちゃんだったはずだしね。カナコちゃんは裏切っちゃいけない。……そしてカナコちゃんカナコちゃんと架空の存在を馴れ馴れしく呼んでたらなんか頭がおかしくなりそうになったのでこの話はここで終わります。

藤原祐 @fujiwarayu

なんか誤字脱字多いな！　一般文芸とか文学とかいいんだけど→一般文芸でも文学でもいいんだけど／大人になっても付き合ってくれ人たちがいて→大人になっても付き合ってくれる人たちがいて