高橋源一郎氏、『クォンタムファミリーズ』(東浩紀 著)読了後の感想

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高橋源一郎 @takagengen

子どもたちを寝かしつけてから、『クォンタム・ファミリーズ』の最後の部分、読了。ひとことでいうと、感動した。すげえ小説だ。『キャラクターズ』でも、(東浩紀の部分に)ぼくは「小説の魂」とでもいうしかないものを感じた。

2010-01-03 03:49:43
高橋源一郎 @takagengen

(過剰に)物語ろうとする欲望と、それに相反する(過剰に)批評的であろうとする意志に、引き裂かれそうになりながら、小説は書かれる。だから、『クォンタム・ファミリーズ』は理想的な小説というべきだろう。それにしても、困ったことが(少なくとも)一つある。四月に出るぼくの新作に似てる……。

2010-01-03 03:55:27
高橋源一郎 @takagengen

ぼくの『悪と戦う』(という作品)も、「並行世界」の物語で、主人公の「存在しなかった」「××」と「××」が、ある世界に介入して、主人公を救い、世界の破滅を回避させるのだ。でも、偶然の一致ではないような気がする。「歴史」が終わったと感じられた後に書かれる小説はこうなるのかもしれない。

2010-01-03 04:00:32
高橋源一郎 @takagengen

小説から不必要な要素をすべて引き算していって、最後に残るのは「倫理」だとぼくは考えている。そして「倫理」は「時間」に深く関係している。「歴史」がなくなっても、人間が「倫理」を必要とする限り、(小説の中で)「時間」にかかわるなにかを作り出さなければならないのだ。

2010-01-03 04:07:33
高橋源一郎 @takagengen

それは、「歴史」ではなく、「時間のゆらぎ」のようなものなのかもしれない。「過去完了」で書けなくなった以上、他にとるべき方途はないのである。久しぶりに、小説読んで、興奮しちゃったぜ。次男が寝ぼけて、書斎に来たので、寝室に連れて行きます。んじゃ。

2010-01-03 04:16:17