2013年4月27日 愛媛新聞 「ふるさと大学『伊予塾』第39回講座 『これからどうなる グローバル経済と日本』同志社大学大学院 浜浜矩子さん(60) アベノミクス中身知って 中銀恐慌や通称戦争の恐れ TPP負の貿易転換も」

0
しまなみ @shimanamis

【愛媛新聞4月27日】ふるさと大学「伊予塾」第39回講座 「これからどうなる グローバル経済と日本」 同志社大学大学院 浜矩子さん(60) アベノミクス中身知って 中銀恐慌や通称戦争の恐れ TPP負の貿易転換も ――以下本文。

2013-04-27 22:55:45
しまなみ @shimanamis

浜矩子① ふるさと大学「伊予塾」(実行委員会、愛媛新聞社主催)の第39回講座が13日、四国中央市であり、エコノミストとして活躍する同志社大学大学院教授の浜矩子さんが「これからどうなる グローバル経済と日本」と題して講演した。

2013-04-27 22:56:15
しまなみ @shimanamis

浜矩子② 浜さんは参加した約300人を前に、アベノミクスや環太平洋連携協定(TPP)を独特の視点で分析。グローバル経済の中で日本の置かれている状況や今後の経済の見通しについて軽妙な語り口で解説した。

2013-04-27 22:56:35
しまなみ @shimanamis

浜矩子③ 今日流行しているアベノミクスと云う言葉をどうとらえるかだが、「○○ミクス」というラベルが独り歩きし、その中身について問わなくなる危険な側面を持っていることを指摘しておきたい。いわば「知的ゾンビ状態」になる可能性があるということだ。

2013-04-27 22:57:09
しまなみ @shimanamis

浜矩子④ 政府が押し出す「公共事業を景気対策に」という発想そのものが、日本のようなインフラが充実し成熟した国家にとってどれほど経済効果があるか疑わしいだけでなく、お金もない中で、前年度比約16%増の公共事業費を組むようなばらまきは時代にそぐわない。まさに浦島太郎だ。

2013-04-27 22:57:38
しまなみ @shimanamis

浜矩子⑤ 政府の発想は「米国に追い付け追い越せ」を掲げたかつての高度成長期をイメージしたもの。「日本を取り戻す」という後ろ向きなキャッチフレーズにも表れている。

2013-04-27 22:58:02
しまなみ @shimanamis

浜矩子⑥ 金融政策もグローバル時代の輸出企業の実態を理解していない。黒田(東彦総裁)体制の日銀が長期国債や上場投資信託のようなリスクの高い金融商品を買い支え、量的緩和で大量に出したカネを、活性化した株式市場に誘導してバブルをあおれば、物価はそれなりに上昇するかもしれない。

2013-04-27 22:58:37
しまなみ @shimanamis

浜矩子⑦ しかし、多くの輸出企業が国内で一貫生産体制を取っているわけではなく、輸出依存度が高いので円安はコスト負担を招く。そうなると企業は最も操作しやすい人件費を削減するしかない。結果、円安をあおるほど賃金デフレとバブル経済化という従来ではあり得ない矛盾が起こってしまう。

2013-04-27 22:59:06
しまなみ @shimanamis

浜矩子⑧ 本来、中央銀行と政府は刑事ドラマの相棒同士のように個性をぶつけ合いながら同じ問題を解決していく関係でなければならない。

2013-04-27 22:59:45
しまなみ @shimanamis

浜矩子⑨ 通貨価値の番人、民主主義の経済的防波堤であるはずの中銀が政府の設定する数値目標達成を目指し金融緩和を行うなど、「バブル製造装置、政府への金貸し業者」と化している。もはや先進国の中銀とはいえない状態だ。

2013-04-27 23:00:18
しまなみ @shimanamis

浜矩子⑩ 中銀が「不良債権」を買い込み、進んで自らの財務体質を悪化させれば円への信用を失わせ、暴落させる危険がある。これは体を張ってユーロを守ろうとする昨今の欧州中銀の姿に近い。今心配しなければならないのは中銀が引き金となる「中銀恐慌」が起こることだ。

2013-04-27 23:02:57
しまなみ @shimanamis

浜矩子⑪ グローバル経済の中でヒト、モノ、カネは国境を超えて自由に行き来することができるのに、国やその政府の政策は国境を越えることができない。

2013-04-27 23:04:07
しまなみ @shimanamis

浜矩子⑫ 例えば工場の国外転出やリーマン・ショックなどグローバル化によってもたらされる問題に国の政策が対応せざるを得ないことから、国民国家への負担としてのしかかっていることが原因とみている。

2013-04-27 23:08:07
しまなみ @shimanamis

浜矩子⑬ 政府はこれまで国民が望んできた円安株高を実現させているという自負から「自分たちは市場をうまくコントロールできている」と錯覚している。

2013-04-27 23:09:08
しまなみ @shimanamis

浜矩子⑭ だが、もはや株価が下がったり円高になるような行動をとることができず、政策が市場にとらわれてしまう。政策責任者としてあるまじき行為と言うほかない。

2013-04-27 23:09:33
しまなみ @shimanamis

浜矩子⑮ 危惧する状況は中銀恐慌だけではない。急激な円安が発端となって各国間の為替の切り下げ競争(通貨戦争)や近隣窮乏化策を招き、経済圏を形成しようとより広い国土や市場、多くの生産資源を奪い合えば通商戦争にも発展する可能性がある。

2013-04-27 23:10:09
しまなみ @shimanamis

浜矩子⑯ この二つの戦争に各国が足を踏み入れつつある証拠がTPPからみて取れる。議論されている「例外なき貿易の自由化」との認識は誤解だ。

2013-04-27 23:10:44
しまなみ @shimanamis

浜矩子⑰ 環太平洋という特定エリア内での貿易自由化は、これまで付き合いのあった国でもエリアが違えばコスト面で付き合えなくなることから、不の貿易転換効果を生んでしまう。

2013-04-27 23:11:05
しまなみ @shimanamis

浜矩子⑱ TPPは「自由貿易協定」といいながら地域を限定した排他的貿易協定というのが実態で、1930年代のブロック経済によく似ている。いかに悲惨な結果を招いたかはご存じの通りだ。一歩間違えば永遠の闇へ突入することになってしまうだろう。

2013-04-27 23:11:28
しまなみ @shimanamis

浜矩子⑲ どうすればいいのか。各国が自国の富を守る「僕富論」から他国の利益を考える「君富論」へ転換し、お互いに手を差し伸べあわなければならない。これには「まさか」という視線が向けられるだろうが、歴史を教訓としてほしい。

2013-04-27 23:14:03
しまなみ @shimanamis

浜矩子⑳ もし、会場の皆さんが君富論を普及してくれれば、グローバル経済の中で新たな夜明けに向かって扉を開くことができるだろう。

2013-04-27 23:14:40
しまなみ @shimanamis

浜矩子21 はま・のりこ 52年東京都生まれ。父が松山市出身。75年一橋大卒業後、三菱総合研究所入社、90~98年に同社の初代ロンドン駐在員事務所所長。経済調査部長、政策経済研究世インター主席研究員を経て02年10月から現職。専門は国際経済学。

2013-04-27 23:16:54