あるいはこんなエイラーニャX

だれもまとめてくれなかったからじぶんでまとめました
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@lowen_lowe

「一回5ポンド」と書かれたプラカードを首から下げさせられているエイラ。ブリタニアの貨幣単位は気にしないこと。重大なのは彼女はちゃんと服を着ていて、手足だけがっちりと柱に固定されて動けないことだ。隣には笑顔のサーニャがいる。エイラの顔は半泣きに近い状態。前提条件は以上

2013-05-03 23:32:11
@lowen_lowe

1)後ろ手に拘束された上で柱に縛り付けられたエイラ。起きたらこうなっており何が起きたのかよくわかっていない。部屋は暗い。姿は部屋着きのままだ。「あれ」と違和感を発し「おかしいな」「なにこれ」「ぐ……」「このっ」「ぬけろっ!」などとやっているが縄がびくともしない。

2013-05-03 23:34:08
@lowen_lowe

2)「だめよ、エイラ」後ろから声。サーニャのそれ。「サーニャ?」「エイラ、抜けようとしちゃ駄目」何故?その質問を発する前にサーニャがエイラの腹部を殴った。鈍痛と衝撃、何が起こったか理解する前に嘔吐が襲う。「ぐぶっ!?ぐ……うぶっ、うげっ!?」

2013-05-03 23:38:22
@lowen_lowe

3)吐瀉物が口の中に広がる。たまらずエイラはそれを床に吐き出した。びちゃびちゃ、ぼとぼと、固形物の混ざった液体が床に激突する特徴的な音の中で、腹部の激痛と呼吸の苦しさに悶えるエイラは、微かにサーニャの声を聞いた。「あは。エイラかわいい」状況が把握できない

2013-05-03 23:41:20
@lowen_lowe

4)サーニャは更にエイラの腹部を靴で蹴った。嫌な音、直後に先ほどと比べ物にならない激痛。戻すものがなくなっていたので胃液がこみあげ、漏れた。「がっはっぁぁっうぇっうえええええええ」むせる。言葉にならない。エイラは自分に突然降ってかかった災難を受け入れずにいるが、その間も暴力は続く

2013-05-03 23:43:38
@lowen_lowe

5)下腹部だけではない。肋骨がきしんでいる気がする。サーニャの蹴りがひとしきり終わったあとで訪れたわずかな静寂は、しかしエイラに終わりをもたらすことはない。「エイラ、好きよ」その好きという言葉が何を意味しているのかエイラにはわからない。涙と吐瀉物でぐずぐずの顔でサーニャを見る

2013-05-03 23:52:52
@lowen_lowe

半開きだったエイラの目がかっと見開かれた。そこには恐怖の色、そして視線の先はサーニャではなく、彼女が持っている器具。なんという名前なのかはわからないが、何か途轍もなく恐ろしいものであるということだけは理解できた。「サ……ニャ……それ……」何故、より、ソレが気になるほどに。

2013-05-03 23:54:43
@lowen_lowe

7)点滴用の針に見える。チューブがつながっていて、それはタンクを経てコンプレッサーにいたっているようだった。そしてもうひとつ、こちらにはコンプレッサーはついていないが、いかにもケミカルな色彩の液体が詰められた文字通りの点滴。前者はともかく後者は解る、あれを私の血中に注入するのだ

2013-05-03 23:58:25
@lowen_lowe

8)「エイラ、きになる?」サーニャの笑顔は穏やかだ。眼を除いては。あんな目をしたサーニャを見たことはない。「エイラ、最近ペリーヌさんとどうしたの」「……」答える力が残っていない。「ツンツンメガネなんて仇名つけて仲良くしてる。芳佳ちゃんとも」だんだんと声が威圧的になる

2013-05-04 00:01:34
@lowen_lowe

9)それとこれと何の関係があるんだ、そういった眼差しを察したのだろうか。サーニャは更に語気を荒げてエイラの交友関係をまくしたてた。おおよそサーニャが知るはずのないことまで事細かに。そして言うのだ。「なんでエイラは私以外の子と仲良くするの?」

2013-05-04 00:04:44
@lowen_lowe

A)口元を残虐に吊り上げてもういちど言う。「なんで?」と。知らない、私は普通にやっているだけだ。その言葉は定期的に咳き込んでいるエイラにとって発するのが大変苦痛だったが、サーニャは無慈悲に遮る。「エイラは私のことを好きだ好きだ大事だ大事だと言うけど、肝心なとき傍にいないじゃない」

2013-05-04 00:07:23
@lowen_lowe

B)肝心なとき?「そう、肝心な!私が一人で哨戒に上がって戻ってきたときもう寝てる!私があなたのベッドに潜り込んで寝ても起きるときにはもう居ない!そのくせ口先だけで私を大切だって言う!!」今度の怒声には物理力が加わった。平手打ち。ぐずぐずの顔が左右に。液体が散り、サーニャの掌を汚す

2013-05-04 00:09:02
@lowen_lowe

C)そんなふうにサーニャが寂しがっているなんて、エイラにはわからなかった。しかし、放置している間にもはや取り返しがつかないほどサーニャを追い詰めていたのだろう。ごめんなさい、そう言葉にしようとしたのだが、サーニャが口元を三日月のように吊り上げて宣言したのでタイミングを見失う

2013-05-04 00:10:19
@lowen_lowe

D)「だから約束守ってもらう。ずっと一緒にいてもらう。大事にしてもらう。私の両親を探すのについてきてもらう。エイラの意思なんかもう知らない。エイラの意思なんか必要ない。もうウソなんか吐けないし、もう私なしではどこにもいけないようにする。私がエイラを持ち運べるようにする」

2013-05-04 00:12:34
@lowen_lowe

E)どういう意味だ、まさか、その器具は……疑問を口にする前に、縛られた腕の一部、まくられた袖から露出したところに鋭い痛み。頬を張られた痛みから意識を戻すと自分の腕に刺さっているのはコンプレッサに繋がった針。腕を血が這い、それよりずっと多くが吸い上げられていく。背筋に悪寒。やめろ

2013-05-04 00:16:01
@lowen_lowe

F)「まだコンプレッサは入れてないけどこれなら必要ないかもね」怖い。やめろ「エイラの血を全部抜くから」まさか、本当に「こっちは防腐剤。かわりにエイラに充填する」剥製にでもするつもりなのか「エイラが私のものになるんだって考えると昨日眠れなかった。覚醒剤って凄いわねエイラ」 .

2013-05-04 00:18:33
@lowen_lowe

10)「やめ……ヤめ"ッ……」つぶれた声で要求する。やめろと。しかしサーニャは聞かない。「吐かせた理由もわかったでしょ」「わがっ……サ……ニャ……言うトオリ……オネガ ヤメ コロサナ デ」コンプレッサーが作動した。すごい音がする。一気に血の気が引く。寒い。視界が暗くなる。

2013-05-04 00:20:39
@lowen_lowe

11)その中でエイラはサーニャの声だけを明瞭に理解していた。ああ、エイラ、きれいよ。あなたの目が濁っていくのも、あなたの手が冷たくなっていくのも、あなたの体から力が抜けていくのも、あなたの呼吸が消えていくのも。大丈夫、眼球は新しいのを入れるし、体も髪もお手入れするからね。

2013-05-04 00:22:42
@lowen_lowe

12)エイラがわたしのものになった。もうエイラはいなくなったりしない。わたしのまえにずっといる。わたしがのぞむときのぞむだけそばにいてくれる。エイラ、あいしてる、エイラ、もしあなたが腐敗しても骨だけになっても愛してる。エイラ、あなたの愛もあなたの体もあなたの死もずっと私のもの

2013-05-04 00:26:24