協力型ゲームのデザインについて:パンデミックのデザイナーMatt Leacock氏へのインタビュー

協力型ボードゲームの名作、パンデミックのデザイナーMatt Leacock氏へのインタビュー記事の和訳です。和訳作成と公開についてはインタビュアーShannon Appelcline氏とMatt Leacock氏から許可を頂いております。拙い和訳ではありますが、大意は外していないと思います。原文はこちら>http://www.mechanics-and-meeples.com/2013/04/29/co-op-interviews-matt-leacock-pandemic/
ゲーム デザイン インタビュー パンデミック ボードゲーム アナログゲーム
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EL-CO @EL_CO4tw
Matt Leacockはパンデミックのデザイナーである。パンデミックはその洗練されたデザインから協力型ゲームの代表作の1つとして知られている。彼はForbidden Islandと、Forbidden Desert(複数の言語で今四半期に発売予定)のデザイナーでもある。
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このインタビューは2013年4月に電子メール上で行われたものである。【訳注:インタビュアーはShannon Appelcline(以下SA)、インタビュイーはMatt Leacock(以下ML)。原文はhttp://t.co/uvnOzi1tuD
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SA: 何故協力型ゲームをデザインしようと思ったのですか?あるいはもっと具体的に、何故パンデミックをデザインしようと思ったのですか?
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ML: Reiner Knizia氏の指輪物語を遊んで、協力型ゲームは本当に楽しいもの(興味深い、という意味ではなく)だと知りました。カードとボードだけでこれほどの緊張感を生み出す、指輪物語のシステムは魅力的でした。そして私は自分で協力型ゲームを作ったらどうなるかを考えたのです。
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当時、疫病(パンデミック)のニュースが多く報じられていて、疫病は“敵”として相応しいのではないかと思いついたのです。疫病には感情もなく、恐ろしく、拡散し、非常に簡単なルールでモデル化することができます。最後の2点が特に魅力的でした。
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私は創発システム(単純なルールから極めて複雑かつ多様な結果が生み出されるシステム)を用いてゲームをデザインしました。制御不能な形で次々と現れるようなシステム、というアイデアを考えずにはいられなかったのです。
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こうしたことを考えながら、幼い娘と散歩に出掛けたある日のこと、私はノートに書き留めながら、カードデッキについての新しいアイデアを思いついたのです。極めて初期から、私は捨て札を山札の上に載せることで一度感染した街が再度感染するというルールに取り付かれていたのです。
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SA: 同じカードをゲーム中に何度もアクティブにするこのシステムは、少し複雑ではありますが、パンデミックの秀逸なデザインの1つで、ゲームをうまく機能させていると思います。
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指輪物語から協力型ゲームをデザインするようになった、というのは興味深いですね。指輪物語はパンデミック以前における最も優れた協力型ゲームといえるでしょうから。指輪物語や初期の協力型ゲームの中で、パンデミックのデザインに特に影響を与えた要素はなんでしょうか?
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ML: コミュニケーションを促進し、同時に1人のプレイヤーが場を支配してしまう可能性を下げるために、プレイヤー同士がゲーム中に手札を見せ合うことを禁じるルールを(指輪物語から)取り入れました。
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導入用のゲームモードでは、経験者が初心者にアドバイスできるようにこの制限をなくしましたし、パンデミックの第2版ではこの制限をオプションルールとしました。
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Knizia氏が指輪物語において、この制限ルールを裏切り者のルールのために採用したのか、制限のルールを正当化するために裏切り者のルールを導入したのかはわかりません。私の経験では仲間のホビットを裏切ろうとしたプレイヤーはいません。
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おそらくKnizia氏は、手札を見せるよりも手札について口頭で説明させた方が、アルファプレイヤーシンドローム【訳注:特定の1人が場を仕切ってしまうことであると思われる】を抑えてプレイヤーそれぞれの自主性を強めると考えたのではないでしょうか。
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Days of Wonder社のMark Kaufmann氏とEric Hautemont氏と話した後で、役職のルールを加えました。彼らはゲームの初期版をテストして、それぞれのプレイヤーが自身の特異性を感じられるようにした方が良いと勧めてくれました。
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今思えば当然のことなのですが、当時プレイヤー達は灰色のまったく同じ駒を3つ動かしていたのです。
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SA: 素晴らしい変更ですね!役職はパンデミックの最も面白い部分だと思います。これ以外にパンデミックのデザインで、協力性について特に重要だと思うことはありますか?
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ML: 同色のカードの5枚組を作る基本的な目標は1人で達成するのは難しく、多くの場合他のプレイヤーとの協力が必要となります。プレイヤー達は集結できるように数ターン前から計画をする必要もあるでしょう。これによって、プレイヤー間の会話と共に問題解決をするという意識が促されるのです。
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先ほど話題になった役職は、それぞれのプレイヤーに「特別に強力な能力」を与えます。ゲーム自体が難しいため、成功するためには仲間の特殊能力に頼らなければなりません。また、役職はプレイヤーに強い目的意識を与え、他のプレイヤーとの違いも浮き立たせてくれます。
EL-CO @EL_CO4tw
協力型ゲームは、時として、複数人ではなく1人ででも同じように解けるパズルであるように感じられることもあります(実際には私は1人よりも複数人で考える方が良いことが多いと思いますが)。この「グループパズル」感を減らすためには、プレイヤーに自主性を与えると良いと考えています。
EL-CO @EL_CO4tw
例えば、パンデミックにおいてプレイヤーは自分の駒の移動を完全にコントロールすることができます。他のプレイヤーに移動させられることもありますが、その際にも担当プレイヤーの許可を得なければなりません。
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手札を他のプレイヤーに見せてはならない、というルールも同様の原則に基づいています。プレイヤーは自分の手札の情報をコントロールできるのです。他のプレイヤーは知りたいと思った場合には訊かなければならないのです。
EL-CO @EL_CO4tw
私はプレイヤーの自主性を高める方法をいつも考えています。これは協力型ゲームのデザインにおいて重要なポイントだと思います。
EL-CO @EL_CO4tw
パンデミックにおいて協力性を高めるシステムについてまとめてみましょう。
EL-CO @EL_CO4tw
「治療薬開発のためにカードの組を作るには他のプレイヤーとの協力が必要である」「高い難易度のため、他のプレイヤーの役職の能力を頼らなければならない」
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「それぞれの役職はプレイヤーにチーム内での目的意識を与え、プレイヤーが取り残されることがないようにする」「プレイヤーが自分の手札と駒をコントロールできることは、プレイヤーに自主性を感じさせ、誰が何を担当しているのかを明確にする」
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