パターン・ランゲージのイラストの発想の仕方

「パターン・ランゲージのイラストの発想の仕方」について井庭先生がつぶやかれていたことのまとめです。
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井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

しかし、この比較型のイラストは「説明的過ぎる」ということで、プレゼンテーション・パターンからは使わないことにした。一番最初に思いつく、「問題」「解決」の比較型は、自分たちの禁じ手にした。

2013-05-06 23:06:08
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

そのため、プレゼンテーション・パターンでは、比較型は「適切な情報量」と「独自性の追求」だけになった(これらは比較しないとうまく表現できなかった)。

2013-05-06 23:08:49
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

そして、コラボレーション・パターンでは、比較型は用いていない。

2013-05-06 23:09:47
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

もうひとつ、ラーニング・パターンで用いていて、それ以降使わないようにしたのが、時系列展開型。これは、二段階、もしくは三段階で、出来事の展開を表しているもの。

2013-05-06 23:12:53
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

ラーニング・パターンでは、「はなすことでわかる」、「教えることによる学び」、「小さく生んで大きく育てる」、「『書き上げた』は道半ば」で、時系列展開型が用いられている。

2013-05-06 23:14:41
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

この時系列展開型は、プレゼンテーション・パターンやコラボレーション・パターンでは用いられていない。やはり説明的過ぎるため禁じ手にしたのだ。(学びの場合は、内面の変化であるため、イラストになりにくいので、仕方がないという面があったと思っている。)

2013-05-06 23:16:07
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

このようにして、「状況」「問題」「解決」という項目がパターンにあったとしても、比較や時系列展開を使わないのであれば、結局のところ、「解決」を象徴的に表現するということになる。

2013-05-06 23:17:44
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

パターンの「解決」をイラストで表すときには、解決してるシーンをストレートに描く場合と、雰囲気や記号で示す場合、メタファーや象徴物で示す場合の3つがある。

2013-05-06 23:26:00
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

第一の「解決してるシーンをストレートに描く」というのは、コラボレーション・パターンでいうと、「自発的なコミットメント」「弱さの共有」「感謝のことば」「創造の場づくり」「アイデアをカタチに」「臨機応変な動き」「一度こわす」など。 http://t.co/lSGVvxa5ap

2013-05-06 23:27:57
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

プレゼンテーション・パターンでいうならば、「成功のイメージ」「ことば探し」「図のチカラ」「表現のいいとこどり」「場の仕上げ」「成功のリマインド」「キャスト魂」「最善努力」「ひとりひとりに」「即興のデザイン」など。 http://t.co/Zqq09IO35y

2013-05-06 23:30:26
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

これらの「解決してるシーンをストレートに描く」イラストでは、コラパタならコラボレーションのシーンで実際に起き得ること、プレパタならプレゼンテーションのシーンで実際に起き得ることが描かれている。

2013-05-06 23:31:22
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

第二の「雰囲気や記号で示す場合」というのは、現場にはない線や、意味を担う記号を加えることで何かを表現したり、象徴する物事を描いて表現するイラストである。

2013-05-06 23:33:34
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

コラボレーション・パターンでは「創造的コラボレーション」「共感のチームづくり」「一体感をつくる」「ゆるやかなつながり」「創発的な勢い」「まとまった時間」「インサイド・イノベーター」「ゴールへの道のり」「飛躍のための仕込み」「クオリティ・ライン」「こだわり合う」「期待を超える」など

2013-05-06 23:36:29
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

プレゼンテーション・パターンでは、「驚きの展開」「ぶんび両道」「適切な情報量」「参加の場づくり」「テイクホームギフト」「最善努力」「終わりが始まり」「生き方の創造」など。

2013-05-06 23:38:55
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

これらのイラストでは、記号的に表現された意味を読み解く必要がある。

2013-05-06 23:39:55
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

第三の「メタファーや象徴物で示す」というのは、実際の現場にはないものを、メタファーや象徴物として描くことで、パターンの内容を直感的につかむことができるイラストである。

2013-05-06 23:41:33
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

コラボレーション・パターンにおける「未来への使命感」「伝説をつくる」「成長のスパイラル」「レスポンス・ラリー」「貢献の領域」「成長のリターン」「活動の足あと」「意味のある混沌」「世界を変える力」「世界の文脈」「つくり続ける強さ」など。 http://t.co/lSGVvxa5ap

2013-05-06 23:43:30
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

プレゼンテーション・パターンでは、「創造的プレゼンテーション」「ストーリーライン」「メリハリ」「はてなの扉」「魅力のちょい足し」「イメージの架け橋」「リアリティの演出」「細部へのこだわり」「不快感の撲滅」「スキマをつくる」「きっかけスイッチ」「自信感の構築」など。

2013-05-06 23:45:03
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

これらのイラストでは、実際のコラボレーションやプレゼンテーションの現場にはないものが描かれていて、そこに何らかの意味を担わせている。

2013-05-06 23:45:54
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

以上が、パターンの「解決」をイラストで表すときの3つの表現方法であった。(1)解決してるシーンをストレートに描く、(2)雰囲気や記号で示す、(3)メタファーや象徴物で示す。

2013-05-06 23:47:25
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

あるパターンのイラストを考えているときに、これらのどの表現方法で描けばよいかという明確な基準はない。そこで、イラストの案を考えるときには、この3つの可能性を視野に入れて、それぞれの案を考えてみるとよい。

2013-05-06 23:48:45
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

ただ、パターンによっては、第三の「メタファーや象徴物で示す」でなければならない場合がある。それは、パターン名に何らかのメタファーや象徴物が使われている場合である。パターン名に入っているのに、イラストではそれが描かれていなければ、読み手は混乱するだろう。

2013-05-06 23:51:32
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

例えば、コラボレーション・パターンの「成長のスパイラル」というパターンで、イラストに「成長」も「スパイラル」も感じられなければ、意味をとりづらくなるだろう。 http://t.co/sfW2FgVfmU

2013-05-06 23:54:03
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

プレゼンテーション・パターンの「はてなの扉」で「はてな」も「扉」がなかったり、「イメージの架け橋」で「架け橋」が感じられなかったり、「スキマをつくる」で「スキマ」がなかったり、「自信感の構築」で「構築」感がなければ、意味がとれなくなるだろう。

2013-05-06 23:56:09
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

それゆえ、パターン名にメタファーが効いていればいるほど、また、パターン名が象徴的であればあるほど、そのメタファーや象徴を無視したイラストは描けないはずだ。

2013-05-06 23:57:40