更新 2019年5月29日作成 2013年5月7日

北方領土解決への第一歩日露を「つまらない関係」へ

注目を集めた日露首脳会談。ロシア側の歓迎はかなり手厚いものであったようだ。米中を含め、両国の関係はどのようにあるべきなのだろうか。小泉悠（財団法人未来工学研究所客員研究員）氏の記事の要約と、寄せられたコメントをまとめさせていただきました。

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日本はロシアにとって極東の産業育成を進める上で有望なパートナー。2012年にはウラジオストクにマツダの自動車組立工場がオープン、落成式典にはプーチン大統領も出席。日本企業進出に強い期待をかけている。 http://t.co/7bfJipn6SZ 日露を「異常」から「普通の関係」へ

2013-05-02 20:25:56

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日本が主張してきた四島返還は現実的な選択肢となりえないだろう。日本と同じく、ロシア側にも根強い国民感情がある。しかも、北方領土周辺はロシア海軍の弾道ミサイル原潜の航路。安全保障上の観点から反発する勢力も出そうだ。 http://t.co/oOnS90beED

2013-05-02 20:29:14

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今回の首脳会談で、プーチン大統領は中国やノルウェーとの領土問題を例に「面積二等分」方式に言及したとされるが、ロシア国内では「対等な領土問題であるケースと、敗戦国である日本のケースに同じ方式を適用すべきでない」との声も強い。 http://t.co/sW1iMwK6j9

2013-05-02 20:30:40

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安倍首相は国内での支持率が高い上、特に保守派の人気を集めているため、領土問題での譲歩を行った場合の政治的ダメージをある程度、軽減できるのではないかとの見方がロシア側にはある（筆者が意見聴取したロシア人日本専門家の見解）。 http://t.co/xKJ2kPtWSt 小泉悠

2013-05-02 20:31:25

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ロシアが巨大な対中貿易の利益を犠牲にして日本とともに「対中牽制」に廻ることは考えにくい。中国はロシアにとって最大の貿易相手国。2012年の貿易額は過去最高の880億ドル。これに対して日露間の2012年の貿易額は255億ドルに過ぎない。 http://t.co/konohZpYOp

2013-05-02 20:34:51

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ロシアが対中脅威認識を持っているのは事実だが、だからこそ刺激したくないというところだろう。最近、ロシア人の日本専門家からこんな皮肉を言われた。「日本は何を見ても“対中牽制”に見えるみたい。中国を怖がるあまり希望的観測に陥ってないか？」 http://t.co/U7dnEr5fp8

2013-05-02 20:39:04

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つまらない結論ではあるが、当面は経済面での協力を進めつつ領土や安全保障に関する対話や交流を積み重ねていくほかない。「つまらない」と感じるような範囲に日露関係をマネージしておくことは、両国を「普通の関係」に保つ上で重要な基礎と言える。 http://t.co/ssB75c44Fe

2013-05-02 20:41:23

元記事はこちら

リンク WEDGE Infinity(ウェッジ) 北方領土解決への第一歩日露を「異常」から「普通の関係」へ注目を集めた日露首脳会談。ロシア側の歓迎はかなり手厚いものであったようだ。米中を含め、両国の関係はどのようにあるべきなのだろうか。

小泉悠（財団法人未来工学研究所客員研究員）
1982年生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。民間企業を経た後、2008年から未来工学研究所。09年には外務省国際情報統括官組織で専門分析員を兼任。10年、日露青年交流センターの若手研究者等派遣フェローシップによってモスクワの世界経済・国際関係研究所（IMEMO）に留学。専門は、ロシアの軍事・安全保障政策、軍需産業政策など。著書に『ロシア軍は生まれ変われるか』（東洋書店）。