官僚への誤解
- Hagiasophia765
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【インフラと官僚と企業1】富は社会全体の生産物であるという考え方と、グローバル企業による国家枠を超えた富の集積と、グローバル企業を誘致する国家という考え方に立脚すると、なぜ官僚の行政が民意を逸脱するのか理解できる
2013-05-09 09:00:29【インフラと官僚と企業2】簡単に言ってしまえば、官僚は国家を運営する上で、企業を無視することは出来ない。そして、企業の本能は富の集積である。グローバル企業が富の集積効率が高いステーションとして国家を選定しているならば、官僚は彼らの要望に答えることで国家を運営する必要性が出る
2013-05-09 09:04:37【インフラと官僚と企業3】企業が国民の生殺与奪権を「雇用と給与」という経済活動の形で握っているのは、以前に書いた通りである。で、ある以上。その求心力は企業>国民国家の政府となる。それでもなお、政府が求心力を持つ理由は、「インフラ」という形で「社会への生殺与奪権」を握っているからだ
2013-05-09 09:08:14【インフラと官僚と企業4】この2つの生殺与奪権はともに重要だ。「雇用と給与」を企業(財界)が持ち、「インフラ」を政府(政界)が持っているから、両者は均衡状態に居ることができた。しかし、グローバル企業が発達し、世界のグローバル化が進み、結果として貿易が生産力以外の意味を持つに至って
2013-05-09 09:12:28【インフラと官僚と企業5】貿易が生産力獲得以外の意味を持つに至って、政府は「インフラとしての富の再分配機能」を失いつつ有る。これは、通貨安によってそれを達成した中国を見れば一目瞭然である。そして、円安が進行すれば、当然日本でも観測できる事象だろう
2013-05-09 09:18:24【インフラと官僚と企業6】なぜ、今まで先進国においてなによりも経済問題や雇用問題が殊更重要視されたかといえば、これが最も単純な理由である。すなわち「インフラとしての富の分配や再分配」を如何に機能させるか?がテーマだっただけだ
2013-05-09 09:19:50【インフラと官僚と企業7】そう考えた時、「インフラ」には他にも有るではないか?と思う人々がいると思う。そう「水道」や「送電網」「通信網」といった、物理ネットワークだ。しかし、通信網はすでに民営化されているし、送電網も民営化の方向だ。水道も採算性や重要性が高まればそうなるだろう
2013-05-09 09:23:56【インフラと官僚と企業8】これらの物理インフラも「富の再分配」のような制度インフラと同様に制度を書き換えてしまえば、いくらでも官僚の手から奪うことが可能である。だからといって、民意から乖離した官僚にインフラを管理する資格があるのか?と言われれば私は大いに疑問に思う
2013-05-09 09:28:15【インフラと官僚と企業9】さて、インフラの重要性に話を戻すと……。実際、日本において電力という物理インフラが吹っ飛べば、地域復興や国民を汚染から保護することよりも、まず電力インフラの復旧と効率化が叫ばれたのは記憶に新しいと思う。いわゆる「電力は産業のコメ」発言である
2013-05-09 09:34:42【インフラと官僚と企業10】過去を振り返って考えてみれば、実はグローバル企業やそこに群がる経済学者もまた、昔から同じ手法を何度となく使ってきたのは、見て取れる。つまり、「産業の空洞化」も「貿易摩擦による雇用問題」も、突き詰めれば……
2013-05-09 09:43:38【インフラと官僚と企業11】突き詰めれば、「雇用と給与」を持つ企業をどう誘致するのか?という話でしかない。無論、彼らに明確な意志や意図があったとは言わない。むしろ、なかっただろう。それに気づいたのも、ネットが発達し、より資本の論理。市場の論理に忠実なIT企業が隆盛してからだと思う
2013-05-09 09:45:31【インフラと官僚と企業12】さて、これだけ書けば、どうも官僚もまた、明確な意志や意図を以って民意から乖離したわけではないと、理解できると思う。彼らはいわば、国家運営の必然から民意と乖離し、グローバル企業の欲求を受け入れるようになったのである
2013-05-09 09:49:08【インフラと官僚と企業13】さて、平川先生やその他の方々からは欧州では「地域共同体」に、グローバリズムを乗り越える可能性があると聞かされたのだが……。私はこの点には、申し訳ないが現段階では懐疑的である。理由は単純。「地域共同体」を民意による行政府と見なした時……
2013-05-09 09:52:25【インフラと官僚と企業14】国民国家と同じ文脈に陥ると想像できるからだ。行政運営には官僚は必須である。これは疑うべくもない歴史的事実だし、今後もそうだろう。しかし、問題は官僚による国家運営の方針が、民意から企業の欲求へ、必然的に脱線することが原因なのである
2013-05-09 09:54:34【インフラと官僚と企業15】この必然的な脱線を「地域共同体」が共同体であるがゆえに回避可能なのか?といえば、たぶんNoである。結局のところ、富の再分配というインフラを極限まで物理インフラ的なものにして、人の意志の介在しにくいものか、民意の忠実な道具にしなければ、解決不能だろう
2013-05-09 09:57:17【インフラと官僚と企業16】富の再分配を、インフラをどういう組織が所有し、管理するか?という問題は、たぶん政府の形態にかかわらず、統治という行為についてまわる永遠の課題だと思う。そこに国民国家であるか?地域共同体であるか?は重要な問題ではない
2013-05-09 09:58:28【インフラと官僚と企業17】話は逸れるが、富の管理において「自由経済による国際市場」が現段階で最も優れていることは疑う余地もないだろう。これをもし、計画経済による市場が上回ろうとすれば「完全追跡かのうなユビキタスシステム」と「無限の演算力を持つスパコン」が必要になる事も疑いない
2013-05-09 10:05:16【インフラと官僚と企業18】そうであるならば、また。結局のところ国民国家を歯止めとして人々はグローバル化された国際市場で生きて行くしか無いのである。それは、常に国民国家がグローバル企業によって試される場で有るとも言える。生存権の確保をインフラ化出来ない限り、このジレンマは続く
2013-05-09 10:07:36