サワークリームを使うと元フラットメイトを思い出す。

マドレーヌを紅茶に浸すと幼少期に家族そろって夏の休暇を過ごした記憶が蘇るように、サワークリームを使うと6年前にフラットシェアしてたアメリカ人Sを回想してしまう。
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𝖸𝗈 𝖮𝗄𝖺𝖽𝖺 @yoookd

夕食にソーセージ入りポトフにサワークリームかけて食べたら、元フラットメイト・アメリカ人Sのことを思い出した。当時Sの彼女はルーマニア人でビーフシチュー作った時にSが頼まれてたサワークリームの代わりに普通の生クリーム買ってきたら激昂したのだ。「これじゃ台無しじゃない!」と。続

2012-04-15 07:15:17
𝖸𝗈 𝖮𝗄𝖺𝖽𝖺 @yoookd

続1。サワークリームを使った料理ってアメリカ人Sには馴染みなかったんだと思う。ロンドンの小さなスーパーでも売ってないこと多いしね。東欧では餃子にもサワークリームかけるぐらい一般的なのに。続

2012-04-15 07:16:45
𝖸𝗈 𝖮𝗄𝖺𝖽𝖺 @yoookd

続2。その元フラットメイトSは元・海軍の通信士で日本でも4年駐在していた。その後はロンドンのモルガンスタンレーで長年働いていて当時年棒2000万円弱もらっていたのに、なぜか私たちとハウスシェアしてた。Sに理由を聞けば、人と関わってにぎやかな毎日を過ごすのが好きだからだと。続

2012-04-15 07:18:57
𝖸𝗈 𝖮𝗄𝖺𝖽𝖺 @yoookd

続3。Sは当時大学院生だった私の同級生との飲み会やカラオケにもなぜが付いてきて、泥酔しては皆にお酒をおごりまくってた。同級生からしたら謎の40男。私の勤務先のレストランにも1人で飲みにきて私や周りの見知らぬ人たちに高い日本酒をふるまい、一晩で£300も使った日があった。続

2012-04-15 07:20:36
𝖸𝗈 𝖮𝗄𝖺𝖽𝖺 @yoookd

続4。そんな豪放磊落で太っ腹なSだったが、ある朝出勤したら自分のIDカードで会社ビルに入れなくなった。突然モルガンスタンレーをクビになったのだ。なんの前触れもなしに。前日まで普通に働いてて同僚にも「また明日」と挨拶したのに。おそろしい話だ。続

2012-04-15 07:24:24
𝖸𝗈 𝖮𝗄𝖺𝖽𝖺 @yoookd

続5。しかし当然Sは会社からかなりまとまった賠償金をもらい、かねてから行きたかったという大学院に進学。40代半ばにして取り戻した学生生活をエンジョイしまくるS。23歳オランダ人の新しい彼女もでき、一緒に自転車に乗っるんだとうれしそうに話していた。水を得た魚のようだった。続

2012-04-15 07:27:29
𝖸𝗈 𝖮𝗄𝖺𝖽𝖺 @yoookd

続6。既に数年前にアメリカに帰国したS。今どうしてるんだろうな。サワークリームを見ると連鎖的に彼のことを思い出す。紅茶にひたしたマドレーヌを食べて突如蘇った記憶から始まるあの長い小説のように、私もあの家で過ごした7年間を徒然なるままに回想し味わう。ポーランド風ポトフとともに。

2012-04-15 07:30:40