ついりみっくす（ #twremix ）オムニバスついのべ　2013.5.26

咲良 潤　#言の葉の点綴 @sakura77_sosaku

今日の三題テーマは「透子さんは『挨拶』と『読書』、登場人物が『弾ませる』というお題でツイノベを書いてみて下さい。 」です。今日はやりやすそう？@marinegumi

咲良 潤　#言の葉の点綴 @sakura77_sosaku

【no story no life】　#561　「最近の趣味」

咲良 潤　#言の葉の点綴 @sakura77_sosaku

僕が帰ってくると、透子さんはノートに書かれた「おかえりなさい」を一瞬上げて（以前書いたものの使い回し）すぐに手元に顔を戻した。僕は最近、透子さんの癖を一つ見つけた。透子さんは読書中に楽しくなると頭を小さく振る。今日も頭のリボンが弾んでいる。@marinegumi #twnovel

咲良 潤　#言の葉の点綴 @sakura77_sosaku

561【最近の趣味】透子さんもいずれツイノベをするようになるでしょう。@marinegumi

海野久実（うんのくみ） @marinegumi

学校の休み時間。私が教室で読書をしていると、外で遊んでいたらしいルカが入って来て「おはよう」と言った。「何よ、今頃挨拶？」「だって、今日顔合わせるの始めてじゃん」ルカは同じ学年だけど、隣のクラスだ。「ねえ、覚えてる？僕たち運動会で競争したのを」 @ce1039 #twremix

海野久実（うんのくみ） @marinegumi

そう言われて思い出した。高学年になると男女別々に走るけれど、３年生の時にはルカを入れた男の子４人と走って、私が一着だった。二位だったルカが悔しそうに「今度は負けないからな」と言った。それから競争する機会もなく、私があの事故に遭ってしまったんだ。 @ce1039 #twremix

海野久実（うんのくみ） @marinegumi

「それがどうかした？」私が聞くと「あれがいまだに悔しくってさ」と、向かいに座って頬杖をついた。「いいわよ今からもう一度かけっこしましょ？」ルカは目を丸くした。「だけどお前」「大丈夫よダンが私を抱っこして走ってくれるから」「負けるに決まってるじゃん」@ce1039 #twremix

海野久実（うんのくみ） @marinegumi

「それも大丈夫。ダンは私のデータをみんな知ってるのよ。もしも足をけがしてなければ今ならどれぐらいのスピードで走れるか、すぐに計算して、その通り走ってくれるんだから」「そんな事出来るんだ？」「今すぐ校庭に行きましょうか？」私はダンに抱かれ校庭に出た。@ce1039 #twremix

海野久実（うんのくみ） @marinegumi

「３年生の時は５０メートルだったわね」校庭には丁度５０メートル走のラインが引かれていた。そろそろ運動会も近い。休み時間の終了のチャイムの最初の音で私たちはスタートした。ルカは好スタートを切って前に出た。それを私が追い上げた。追い抜きそうになった。 @ce1039 #twremix

海野久実（うんのくみ） @marinegumi

その時、私は（ダンは）転んだのだ。もちろん腕で私をちゃんとガードしていた。ルカは息を弾ませながら振り返り、得意そうだ。「やったね。どんなもんだい」今度は私が悔しくなった。「ダン！なんで転ぶのよ」「ダンのせいじゃないだろ？それがカノンの実力じゃね？」@ce1039 #twremix

海野久実（うんのくみ） @marinegumi

「さっきの走りが、私が怪我をせずにそのまま今の歳になった時の実力なんでしょ？それがどうしてなの？転んじゃうなんて」 私はダンを見た。「カノンの今の性格とかも計算に入れたんじゃないの？」とルカが言った。ダンはゆっくりとうなづいた。く…くやしい。@ce1039 #twremix

咲良 潤　#言の葉の点綴 @sakura77_sosaku

@marinegumi カノンのデータを計算して走るなんて、思いつきそうで思いつかない発想だと思いました。さすが。最後は「くやしい」で終わってますが、カノンとダンさんの絆は強まったのではないかと思える話です。きっとカノンは後になって思うんでしょうね。