科學奇幻/SF合同 の感想まとめ

博麗神社例大祭10にて頒布されたSS合同誌「科學奇幻」の感想や関連POSTをぽちぽちとまとめています。 基本的にはネタバレばかりですので、読了後の鑑賞を強く強くお勧めします。 ここ(twitter内外を問わず)に感想あったよーというタレコミなども随時募集しておりますので、 @robert2ndまでご一報頂けると非常にありがたいです。
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こうず @kouzu

プラシーボ吹嘘氏『ねじ巫女ぐる巻きナライズライフ』。「よく解らん」というのが正直な所。もしかしたら最も難解な作品なんじゃないか。霊夢たちの日常や弾幕戦の描写は一級品だと思う。香霖堂を読めば少しは理解が及ぶかしら……ごめんなさい

2013-06-07 22:22:13
こうず @kouzu

海沢海綿氏『或る魔法使いの日誌』。噂の読む蓮コラ。『珠』の気色悪い描写はさすが。個が群に合流するのではなく、その逆で至高性を見出す発想が面白い。

2013-06-07 22:45:00
こうず @kouzu

考えれば、自とは他と相対して初めて意識される物だ。では侵食後の世界では、個々の者たちが他者の承認を必要とすることなく、それぞれの意識内で完結し続けるのだろうか。月齢の意味は、『分割された』アリスが偏在ゆえそれぞれの単体ごとに何度も同じ思考をしていると考えたのだが、さて。

2013-06-07 22:45:06
こうず @kouzu

桐生氏『幻想復古のアンサスターズ』。サイバーパンク!不思議な安堵と怖さが入り混じる作風。技術を介する交信は、機械の向こうに居る相手が本当に現実の者なのかを霞ませるという奇妙な仕組みがある。御阿礼という存在は、この幻想を現実の側に持ってくる事のできる唯一の者なのかもしれない。

2013-06-07 23:06:08
こうず @kouzu

仮面の男氏『永清琳語』。全宇宙規模のシムシティの如き壺が、実は……。ありふれた物言いだけれど、この宇宙を超える高次存在によって製造され、最高の知性と永遠さえもリセット可能と気づいている永琳にとっては、輝夜こそが最高の不確定性として受容されるものなのだなあ。愛だよ、愛。

2013-06-07 23:20:08
こうず @kouzu

つくし氏『赤いミームはなき声を上げる』。すごく“東方Proectっぽい”。人々の怖れや信仰で存在を喚起される東方の妖怪たちは、謂わば箱庭の共同幻想の産物。数多の虚構が寄り集まって一個を成した時、もはやそれは真実と等しい。幻想郷の唯心性は、それをもっとも顕著な形で表出したのだ。

2013-06-07 23:26:40
こうず @kouzu

史企鵝氏『訳注結界沙汰纂抄』。文系SF枠、あるいは最低一個はSFアンソロに入ってるSFぽくない作品枠と思って読み始めた。迫真の歴史SSを能くする同氏らしく、博麗大結界敷設時の混乱をリアルに描いた物、かと言うと「そーなのかー」で終わってしまうが、最後の引用でぞくりとした。

2013-06-07 23:39:18
こうず @kouzu

歴史記録は必ずしも真実でなく、そこかしこに著者の意図が混じる危うさの元にある。であるとするなら、この記録自体が全くの偽りであるという可能性をも十全に孕んだ存在であるという事だ。過去の出来事は、それが真実であるか否かに関わらず、我々はただ『物語る』ことしかできはしないのであろう

2013-06-07 23:39:37
こうず @kouzu

うん、『訳注結界沙汰纂抄』は、SFだわ。確かに。

2013-06-07 23:42:17
こうず @kouzu

リコーダー氏『天つ狗の化生』。これもまた、むつかしい話だなあ。天狗の方々が目指している境地とは、たぶん一種の悟りなんじゃないかと思うのだが。至高存在との合一は、至福であると同時に個体の迂遠な死でもあるわけで、あややはそれをもっともポジティブな形で拒んでいるのだろう、とも思う。

2013-06-07 23:51:24
こうず @kouzu

うるめ氏『灯火に似る花』。自分がその時、その時に選択した事が本当に最善だったのかは、誰にも解らない。ただ、選択を重ねて現在に至るという状況自体がまず幸運なのだし、しかし薄氷の向こうには大穴が口を開けているという事もある。真横に眼を遣れば、ほら、そこではifの自分が死んでいる。

2013-06-08 00:02:56
こうず @kouzu

ねじ巻き式ウーパールーパー氏『Love Machine Proposed By Turing』。伊藤計劃の影響があるかも的な事を作者氏が前に言ってたような気がするが、全編に沈滞する陰鬱さと、規格化された思考とも言うべき物への綿密な考察はちょっと雰囲気似てるかも。

2013-06-08 00:26:21
こうず @kouzu

『自』は『他』よりの模倣と集積によって生まれるとするのなら、古明地さとりの定型的で規格化された心なる物は果たして心なんだろうか。そして覚り妖怪たちの共同幻想によって『そう振る舞う』ことを位置づけられたこいしも、また。

2013-06-08 00:26:34
こうず @kouzu

飛躍すれば、社会から完全に弾き出された人間は、果たして『個』を維持できるかという深刻な問いが突き刺さっているようにも思う。作中で描かれる覚り妖怪のコミュニティとその崩壊は、そんな命題を東方の設定を借りて戯画化された物とも思えて仕方ない。

2013-06-08 00:28:41
こうず @kouzu

それにしても、うprp氏。SFよく知らないとか絶対にウソだと思うぜ

2013-06-08 00:28:46
こうず @kouzu

佐藤厚志氏『You can (not) go back. 』。ラストは、満を持しての秘封SS。蓮子とメリーの最後の友情をつづった切ない物語。幻想郷の衣服は、二人を繋ぎ止めるキーだ。

2013-06-08 00:35:47
こうず @kouzu

しかし、秘封の二人が眼の能力を失いつつあるという事と、前文解説での『文化的侵略』というのを見ると、途端に物凄く怖い話に思えてくる。あたかも、秘封倶楽部の能力という現実との交信手段を失くした幻想たちが、(続く)

2013-06-08 00:36:33
こうず @kouzu

メリーと蓮子に自らの姿を模した服を造らせることで、現実への介入を目論み、自らの存続を図っているかのような。もちろん、青春小説として読んでも面白い。しかし一方ではボルヘスの短編のような、幻想が現実を侵略し、主客転倒を達成しつつある途上の物語ではないかと、そうも思てしまうのだった。

2013-06-08 00:37:03
こうず @kouzu

東方SF合同『科學奇幻』、いや、もう本当に面白かったです。どの作品もそれぞれに違った切り口からアピールしてて、各々の作者の技量と発想、さらには東方Project自体がまだまだ沃野とも言うべき可能性を秘めた土壌である事に、ただただ驚き、感じ入りました。

2013-06-08 00:42:57
こうず @kouzu

こんなに面白いのなら、同サークルのポイントオメガとウィラジャ・アウパミアも入手しておくのだったと今更ながらに後悔している。

2013-06-08 00:43:51
こうず @kouzu

各作品の全文も、いかにも小説アンソロジーって感じでかっこ良かったです。全体的に見渡すと、ねじ巻き式ウーパールーパー氏と仮面の男氏の作品が好き。

2013-06-08 00:46:14
こうず @kouzu

加えて、史企鵝氏のが妙に変なツボに突き刺さってしょうがない。ああいうの好きなんです。あえて『偽書である可能性』だけを提示して真相を明かさぬ所が上手いと思いました。

2013-06-08 00:46:18
こうず @kouzu

読み終わった後、「俺もSF、書きてえな……!」って思える良い合同でした。当分、自分でそういうのを書く当てはないけれど。 月並みながら、すばらしい作品群を著した作者様方に心からの賛辞を!

2013-06-08 00:49:06
こうず @kouzu

【科學奇幻/RedTailCat】いずれの物語もそれぞれに違った切り口から描かれており、実に個性豊か。各々の作者のSF観みたいなものも、ちらりと垣間見られるんじゃないだろうか。SFというジャンルが含む... →http://t.co/Iizqt1cSiE #bookmeter

2013-06-08 01:37:57
ねじ巻き式ウーパールーパー @uprp_nezimaki

SF合同、自分の読み返して思うのは、こいしちゃん、実際のとこ、こんな風にまともに会話できそうな子じゃないよねと。心綺楼やった直後だとなおさらそう思えるけど、でも、ほら、こいしちゃんの頭があれになる前の話って設定やから(震え声)

2013-06-09 01:26:18
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