ニボシの埼玉珍道中（１）

村井ニボシ @niboshi2000

今日はヒマなので、仕事サボってひさしぶりに長文ツイートするかー。いまの仕事に就いた経緯について書きます。北海道から埼玉への旅道中のおはなし。お目汚しスゴイシツレイ。

村井ニボシ @niboshi2000

それまでのあらすじ。高校卒業してもやりたいこととか特になかったし大学にも落ちたので代ゼミに2年も通って東京のはじっこにある中央大学文学部哲学科へ進学。最初は勉強楽しかったが友達が一人もいなかったせいかモチベが尽きていって、しかもコリン性じんましんって病気にかかって中退した。

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そこから実家に帰ってニート生活すること7年。7年かー。大学生活もニートみたいなもんだったから、実質9年ぐらいかなあ。死にたいっつーか、なんにもやりたくなかった。非リアたるもの、リアルに訴求力を感じなくなるものなのだろう、と。このまま何もしないで死んで何が悪いと思うのだけど、

村井ニボシ @niboshi2000

家族はそういうのを許してくれないものだ。素晴らしき哉親族セーフティネット。子が家業を継いで生活していこうとする自然の感情を失っても、親がそれを維持しようとするから二倍頑丈。何言ってるのかわからないが、ともかく仕事しろ、ハロワ行けと言われる。ハロワ行ってみたけど、何にもならなかった

村井ニボシ @niboshi2000

ハロワのおんぼろパソコンには毎日求人がたくさんアップデートされるんだけど、それを見てても、どれに応募すりゃいいんだかわからない。就活なんて苦しいもんだから、手当たり次第に応募するわけにもいかんし、選びようもないし。文字じゃどれも同じに見える。

村井ニボシ @niboshi2000

一週間に一回ハロワ行くと言って、札幌市街でメシ食ってプラモ買って帰る日々。CADの資格を取って、その資格持ちを募集してる派遣に応募とかしてみたけど結局ダメ。履歴書書くたびに「中退」の文字、なんもしてない空白期間、少ない資格、そんなもの持ち合わせていない志望動機を書くのがつらい。

村井ニボシ @niboshi2000

あんまりにも落ちるし履歴書書くのつらいしなんの仕事に応募したらいいのか分からんので、ハロワの人に「あんまりにも落ちるんですけど」と言ったら職業訓練というのを紹介してくれた。そういうのもあるのか。失業者のためのものらしい。3DCADを練習できる課もあるらしいから応募してみた。

村井ニボシ @niboshi2000

小～中学生レベルのクソ簡単な試験と面接を突破して入所。失業者のみなさんは毎月10万円もらえるけど、職に就いたことのない私は1円ももらえない。いまだかつて職無し夫の私が一番貧乏だと思うんですけど、そういう制度ではないんですね。ファッキュージャパン。

村井ニボシ @niboshi2000

その職業訓練所でISOさんという声のデカい元社長と出会った。その時58歳だったっけか。ISOさんわがままなので他の訓練生にだいたい嫌われていたが、職業訓練所にいる人はだいたいオトナなので、その辺みんなうまく事なかれに乗り切ってたなあ。

村井ニボシ @niboshi2000

ISOさんは（自分自身の利益に関して）超合理的な人だったので、私はわりと好きだった。食べ物の趣味は合わなかったけど。向こうにも気に入られて、なんかツテで仕事とか紹介してくれるようになった。北海道新聞社に勤めているツテがいるとかで、応募してみたりもした。

村井ニボシ @niboshi2000

で、職業訓練所に入った時に、「自分より人づきあいとか喋りとかがヘタな人も何人かいるけど、でも就職するのはこの中で一番遅いんだろうなあ・・」と思ってたんだけど、案の定、訓練期間が終わっても就職できなかった。ISOさんは訓練期間後半のほう、次の仕事が決まって準備をしてた。

村井ニボシ @niboshi2000

ムショックのまま新しい正月を迎えて少々のお年玉をもらう。29歳でお年玉もらってて何がおかしい。正月なのにISOさんから電話かかってきた（年末だったっけ？）。埼玉のほうの社長に村井くんのこと相談したら、面白がってくれたんだけど、埼玉まで社長に会いに行ってみないかい？みたいな感じで。

村井ニボシ @niboshi2000

ISOさんとその息子さんも、埼玉でその社長のもとで、土木の仕事をやるそうな。で、荷物積んで車ごと埼玉まで行くから、それに付いて行かないか、と。私は、怖かったけど、「自分の意志なんていらない、流されるままに行く」がポリシーだったので、「あ、じゃあ、行きます」と話に乗りました。

村井ニボシ @niboshi2000

ここからようやく本編。1月10日某所、私の前に2台のRV車が停まる。片方に乗ってるのはISOさんとその息子（27）、もう片方にはMくんという息子さんの友達が乗っている。彼も同じ仕事に向かうのだ。私はMくんのほうの車に乗せていってもらう。一路苫小牧港まで。

村井ニボシ @niboshi2000

初対面の人の車だ。しかも運転してもらう。心苦しい。緊張する。ISOさんと息子さんはタバコ吸うので、肺の悪い私を同じくタバコ吸わないMくんの車にしてくれたらしい。それはありがたい。Mくんの車、ダッシュボードの下にはトレイがあった。靴の履いた足を入れるのにちょうどピッタリな大きさ。

村井ニボシ @niboshi2000

乗って30分くらいしてから聞いてみた。「あの、靴は脱いで、ここに入れておいたほうがいいですかね？」これに対して「はい」との答え。なんと車の中は土足厳禁だったのだ。ジョジョの奇妙な冒険第8部、ジョジョリオンの2巻にあった会話を思い出す。

村井ニボシ @niboshi2000

「君はヤンキーだね。ヤンキーにとって車内は神聖なものだから自然に靴を脱いだんだ」そんなシーンがあった。なるほど、この車内も床面には毛足の長い絨毯が敷かれているし、ドリンクホルダーはイミテーションの大理石模様だし。これはヤンキーの車内だったのだ！　初めての体験に体がこわばる。

村井ニボシ @niboshi2000

エアコン吹出し口にはなんかいい匂いとか出てくるのであろう芳香剤っぽいものが付けられてるし、ちっちゃいプラズマクラスタ空気清浄機まである。車に金をかけるのが好きだという証左だ。まさにイメージの中のヤンキーそのもの。そういえば息子さんもMくんも、ヤンキーっぽいちょびヒゲをしていた！

村井ニボシ @niboshi2000

ヤンキーアゴーゴーパールハーバー。ヤンキー土木作業員（実際コワイ！）と一緒に苫小牧到着。北海道特有の安い土地を利用した巨大なイオンで昼食と夕食のあいだメシを食べる。菜食で肉嫌いの自分に合わせてソバ屋にしてくれた。うれしい。なめこおろしソバ食った。

村井ニボシ @niboshi2000

さらに明日の朝食用にパンを買って、今日の夜食として王将の餃子をテイクアウトすることにした。餃子焼いてもらってる間にみんな飲み物を買っていた。で、買うもの買ってイオンを出ていくときにはみんなギョーザのことを忘れていて、覚えていたのは私だけだった。

村井ニボシ @niboshi2000

「あの、餃子取りに行かないんですか？」と言うと「いやぁ、オレらみんな餃子のこと忘れてたわ！」「村井くんがいてよかった。さっすが緻密だね！」と言われた。あ・・餃子ひとつで緻密呼ばわり・・。ちょっと背筋に寒いものを感じつつ、褒められたので悪い気もしなかった。

村井ニボシ @niboshi2000

苫小牧は製紙工場と港の町。自分の住んでいた札幌に比べて、建物が低くて、ものすごく横に広い。札幌の中では白石区という郊外に住んでいた私だけど、それでも都会だったのだなあ、と車の中で月並みなことなど感じていた。

村井ニボシ @niboshi2000

いたるところから白と赤に塗られた大きなエントツが突き出していて、もくもくと煙が噴き出しているのが夜の闇の中でもはっきりと見えた。その幻想的風景に、何の脈絡もなく突然「イオン」だの「ダイハツ」だの「フクスケ」だのの巨大な電気看板が飛び出しては後方に流れていく。

村井ニボシ @niboshi2000

夜の車内からの風景は、ディストピアなりに幻想的だ。そして港へ。船、デカい。当たり前だけど、近くで見るとただの壁だ。クンクリと鉄骨で出来た壁。建物が浮かんでるんだな。動くビルだ。第一甲板より上が客室になっていて、橋を渡って上から乗り込んでいく。車は下から入る。

村井ニボシ @niboshi2000

船の上の方がいい部屋。わざわざ3万円以上するデラックスルームなんぞを取っておいてくれた。私もそこに寝られるらしい。返す返すも心苦しいVIP待遇。息子さんとMさんは安いエコノミールームに寝るはずだったのだけど、あまりにガラの悪い連中がいすぎて、嫌で出てきた。