茂木健一郎（@kenichiromogi）さんの連続ツイート第969回「人には、いろいろな一面がある（見えるものがすべてではない、しかし見えるもので勝負するアイドルの世界の厳しさ）」

茂木健一郎 @kenichiromogi

しゅりんくっ！　ぷれいりーどっぐくん、おはよう！

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連続ツイート９６９回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、昨日のあるできごとから。

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ひい（１）昨日、テレビ東京の天王洲スタジオで、『アド街ック天国』の収録があった。控え室にいたら、「次の回の収録は指原さんが来るらしいですよ」という。へえそうなのか、この前一位よかったな、と思い出して、となりにいた植田工（@onototo）のおなかをつんつんして、スタジオ入りした。

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ひい（２）収録が終わって、出てきた。とりあえず着替えて、いつもお腹を空かしている植田に、「お前弁当持って帰れ！」とぼくの弁当をあげて、それからトイレ行って、戻ってきて、さあ、帰るかとリュックを持って出ようとしたら、そこになんと指原莉乃さんがいらした。

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ひい（３）サバンナで突然キリンか何かに遭遇したような感じで、ぼくはびっくりしたが、指原さんもびっくりしていて、「あっ、どうも」と言ったら、指原さんが、「先日は長時間お疲れさまでした」と言った。ぼくは、「一位、よかったね」と言ったら、指原さんが「ありがとうございます」と言った。

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ひい（４）それで、ぼくたちは手を振ってわかれたのだけれども、二つ、印象に残ったことがあった。一つは指原さんが「先日は長時間お疲れさまでした」と言ったことで、AKB総選挙の生放送でぼくがスタジオにいたことを指していると思われるけど、疲れたのはぼくではなく指原さんのはずだ。

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ひい（５）そういう気遣いが、さすが、と思った。そしてもう一つ。天王洲スタジオの廊下で遭遇した指原さんが、びっくりするくらい大人の、落ち着いた女性の雰囲気だったこと。となりにいた植田工（@onototo）も、「指原さんしっとりと落ち着いた雰囲気でしたね〜」と驚いていた。

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ひい（６）ぼくが指原さんと唯一話したのが、何年か前のなんとかハイスクールみたいな番組で、ぼくがAKBのメンバーに対して授業をした時。その時、指原さんがヘタレで、欠点は長所になる、前向きになることが大切と言ったら、指原さんが突然「いいひとだ〜」と言って泣き出してしまったのだった。

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ひい（７）その「ヘタレ」のイメージと、昨日天王洲スタジオで遭遇した時の落ち着いた女性の雰囲気（たとえて言えば、藤圭子さんのような）が、あまりにも違うのでぼくは驚いたのだった。昨日の指原さんには、落ち葉舞うパリの街を歩く女性のような、そんな印象があった。

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ひい（８）人には、いろいろな一面がある。指原さんが「ブレーク」したきっかけの一つが、「ヘタレ」キャラだとしても、それが全てではないのだろう。実際、あのなんとかハイスクールのスタジオで、指原さんの「ヘタレ」キャラの印象はあまりにも強烈で、他のメンバーは全部食われていたのだけれど。

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ひい（９）アイドルの成り立ちについては、（あの日は日産スタジアムの方にいらした）宇野常寛さん（@wakusei2nd）などが鋭く深い分析をしていて、ぼくは専門家ではないけど、「見えるものが全てではない、しかし見えるもので勝負する」アイドルの世界の厳しさをかいま見た思いだった。

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以上、連続ツイート９６９回「人には、いろいろな一面がある（見えるものが全てではない、しかし見えるもので勝負するアイドルの世界の厳しさ）」でした。