【テドイア】亡くした翼

重音テッド×IAの物語。 ある時。ふと目を覚ましたイアはすべての記憶を無くしていた。 失った記憶。 その中にあったのは、愛した人の姿と、逃れられなかった悲劇。
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大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL と言う事で二つ目。BGMはサンホラの壊れたマリオネット。 これもかなりうろ覚えになってきてるんだよなぁ…… 始まりは、ある日。イアたんがどこか知らない場所で目を覚ますところから。 目を覚ましたイアたんは何にも覚えてない。自分の事も何もかも。

2013-06-20 20:35:42
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL どうしてここにいるのか、今まで何をしてたのか。全くわからないのだけれど、でも周りの人達はそれでいいって言う。 あなたは特別な人で、あなたは世界を救ってくれた聖女なんだと。 その意味も全くわからないまま、イアたんは日々を過ごしていく。

2013-06-20 20:37:30
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL イアたんのいる街は平和で、特に争いがあったようには見えない。ゆっくりとした時間を過ごしていたんだけれど、いつからかイアたんは幻を見るようになるのね。 真っ黒い自分の姿。その自分は何故かイアを責める。どうして、なんで、って。

2013-06-20 20:39:27
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL 黒イアの言う言葉はイアにはわからない。どうして生きてるの、どうして忘れてしまったの、黒イアは会うたびにいつもイアを責める。 それを見続けていくうちに、イアもどんどん不安になっていくのね。自分が何か大事な事を忘れてるって。

2013-06-20 20:40:36
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL そしてイアは無くした記憶を求め始める。 目覚める前に何があったのか。 そして以前、この町は災厄に見舞われた事を知る。この町に魔王が現れ、人を駆逐しようとした。 恐ろしい魔物に立ち向かったのが聖女であるイアで、それによって世界は救われたと。

2013-06-20 20:42:22
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL 人々は本気で聖女が世界を救ったって信じてる。けれど、黒イアはみんな嘘吐きだって言う。 イアが無くした記憶。それを持っているのが黒イア。 思い出したいとイアは強く思い始めるのね。わからないけれど、忘れてしまった事が悲しくて。それが苦しくて。

2013-06-20 20:44:06
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL そうして、イアは思い出すのです。この町にあった事、本当の事。 この町には確かに魔族がいた。けれど、彼は魔王なんかじゃなかった。 誰にも信じてもらう事が出来ず、殺されてしまった、哀れな人だった。

2013-06-20 20:46:22
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL その魔族は勿論テッドさん。 テッドさんは教会の息子。両親はすでにいなくて、神父が父親代わりに育ててきた。 そして自分の事をずっと人間だと思ってた。まさか魔族だなんて思ってもいなくて、毎日喧嘩して騒ぎ起こしてと結構荒っぽい事して過ごしてた。

2013-06-20 20:48:37
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL 暴力には訴えるけれど、理不尽に喧嘩売ったりはしてなかった。大抵それは誰かを助ける為。 イアと出会ったのも、イアが絡まれてたから助けたのが始まり。相手の男はぼっこぼこにされました。そして後から神父にみっちり怒られたけれど(笑)

2013-06-20 20:50:07
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL 神父を慕ってはいたけれど、素直じゃないテッドさんは反抗してたわけだ。ちゃんと毎日教会に帰ってくるけれど、騒ぎを起こさなかった日はない。 イアと出会って、仲良くなるにつれて大人しくなってはいったけれど、でも基本的な気性である荒っぽさはなくならない。

2013-06-20 20:51:29
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL イアはなんだかんだいいつつも優しいテッドさんに惹かれていった。口も悪いし手も早いけれど、誰かを傷付ける為の暴力はふるわない人。その結果が良くないだけで。 だから喧嘩は駄目、ってテッドさん制する立場にイアたんはなっていくわけだ。神父の代わりに。

2013-06-20 20:52:58
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL その街の中でテッドさんへ無条件で愛情を注いでくれたのは父親代わりの神父だけだった。街の人達は腫れ物を触るようにしかテッドさん見てなかったし、厄介だと思ってた。 だからイアと出会えてテッドさん嬉しかったんですよ。家族以外で懐いてくれた人だから。

2013-06-20 20:54:18
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL だからテッドさんもそんなイアたんに惹かれていった。真っ白なお姫様なイアと付き合うのは気が引けたけれど、それでも好きだったしイアも望んでくれて。 この時がテッドさんにとって一番幸せな頃だった。 そしてその幸せが崩れるのはその後の事故が原因。

2013-06-20 20:56:15
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL テッドさん、小さい頃から羽根が生えてたけど、神父にそれを絶対見せてはいけないよ、って教えられてた。意味がわからないけれど駄目な事、と覚えたテッドさんは決してそれを出す事が無かったのだけれど、人を助ける為に人前で翼を広げてしまうのね。

2013-06-20 20:58:05
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL テッドさん自身は人間も羽根を持ってるって思ってた。けれど羽根を出すと神父に物凄く怒られたからずっとしまってて。 そしてその事故の後、テッドさんが人間じゃないとあっという間に人の間で噂になってしまう。勿論神父の耳にも入った。

2013-06-20 20:59:23
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL 街の人々はテッドさんが魔族だと神父に詰め寄る。その子供を殺せ、魔族を生かしていたら大変な事になるって。 今まで素行も良くなかったから、魔族だったからなんだってみんな納得しちゃったわけだ。決して彼は自ら人を傷付けた事は無かったのに。

2013-06-20 21:00:48
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL 神父は必死でテッドさんを庇った。彼は自分の息子だって言い張って。でも、恐怖で狂った人間に神父の言葉は届かない。 そんな中、人間達はテッドさんを襲い、そんな彼を助ける為に神父は盾になって命を落としてしまうのでした。

2013-06-20 21:05:10
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL ただでさえ自分が魔族だって知らされて心中穏やかじゃなかったのに、襲われた上に唯一の家族を殺されて、テッドさんの心は追い詰められていく。 そんな中、イアは彼を支えようとするんだけどその側に行く事すら出来なかった。聖女のイアを守ろうとして人が邪魔をするわけだ

2013-06-20 21:07:07
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL 神父を殺されてもなんとか自分を保てていたのはイアがいたから。けれどそのイアさえも奪われ、とうとうテッドさんは精神を壊してしまうのです。 悲しみと怒りと、憎しみと。魔族の力で人に復讐しようと襲いかかってくる。 誰にも理解されない苦しみと。

2013-06-20 21:09:12
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL 魔族の力を暴走させたテッドさんは容赦なく襲いかかってくる。 悲しみで一杯になった彼をなんとかとどめようとイアたんも頑張るんだけど、邪魔をされてなかなかテッドさんの所にいけない。 このままテッドさんも殺されてしまうのでは、と不安になっていくんですね。

2013-06-20 21:10:38
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL イアも必死に説得するけど誰も聴いてくれなくて悲しい。けれど当事者であるテッドさんはもっと孤立して悲しい思いをしてるだろうって。 そしてなんとか人の手を振りきってテッドさんの所に駆けていくんです。なんとかして暴走する彼を助けてあげたかった。

2013-06-20 21:12:09
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL 我を失い暴走するテッドさんだったけど、でもイアの事だけはわかった。街の人々を殺していっても、イアだけは必ず避けていくから。 でも、イアの言葉はもうテッドさんには届かない。それに気付いたイアは『最後の手段』を使う事を決めるわけです。

2013-06-20 21:14:12
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL まだテッドさんが人間だった頃。イアたんは彼から一つだけ贈り物を受け取っていたのです。 両親の形見だという、大事なペンダント。十字架のような形をした飾りがついてて、ずっと大事にイアはそれを持ってた。でも、それはアクセサリじゃなくて武器だったんですね。

2013-06-20 21:15:58
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL 力を込めると、そのペンダントはトップがナイフに変化する。 銀のナイフは魔族だけを傷付けると言われていて、それをテッドさんはイアたんにあげたわけです。 そしてそのナイフをイアたんはテッドさんに突き刺すんです。彼を止めるにはもうこれしかないと。

2013-06-20 21:17:42
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL テッドさんは命を落とし、イアもその後を追う筈だった。けれど、人がそれの邪魔をした。 イアは聖女として祭り上げられ、自分がテッドさんを手にかけた事と後を追えない事、諸々のショックと絶望でイアはすべての記憶を飛ばしちゃったんです。

2013-06-20 21:20:52