スーパームーンss

てい @orztee

唐突にスーパームーンss流します。流し素麺のようなものだと思ってください。

てい @orztee

高鳴る胸を押さえながら、扉を開いた。「呼び出しておいて、遅いよ」普段は封鎖されているアパートの屋上に立っていたのは、風に長い髪を吹かれながら、こちらを向く先輩。「すみません」謝りながら彼女の隣に立ち、僕は夜空を見上げた。今、地球に最も近づいているらしい、大きな月がそこにある。

てい @orztee

「先輩」「ん？」「月が、綺麗ですね」僕は月から目を逸らさないで言ったのだが、先輩が一瞬キョトンとしたのが空気で分かった。それから先輩は、プッと噴き出した。「そんな事を言う為に、私を呼んだわけ？」「あっ……いえ、」僕は口ごもってしまった。先輩ならその位、分かってくれると思っていた。

てい @orztee

僕が気まずく黙っていると、途端に先輩は口を開いた。「あはははは……冗談だよ」楽しげにそう笑い、僕の顔を覗き込んだ。「分かるよ、その位」先輩が、僕の右手をぎゅっと握る。肌寒い空気の中で先輩の温度が伝わってきて、僕は何だか泣きたくなった。そうして、先輩は呟いた。「ああ、綺麗な月だね」

てい @orztee

終わり〜。