ある青年当主の半生記(仮)

なーんてタイトルをつけてますが、読めば分かる通り、「八重の桜」のみをベースに、松平容保公の会津戦争までを振り返ってみました。きちんと資料には一切当たっておりませんので、大目に見て下さいというか、ご了承下さい。
0
たけのこぽこぽこ @mayabashimusume

ある10代の少年が生まれ故郷とは気候も人間の気質も違う名家に養子に出されました。養父は高齢で、間もなく他界。家を継ぎ、養父の実子である娘と結婚し、婚家から戻ってきた義理の姉とともに暮らしています。 #八重の桜

2013-07-02 10:09:54
たけのこぽこぽこ @mayabashimusume

家を継いだ少年は、大人と同じとみなされ若いながらも大人たちに交じって養父と同じような仕事をこなさなければいけません。 ある時、自分よりもはるかに上の立場の人たちから、無理難題を押し付けられます。断ろうとしますが、ご先祖様のことを言われてどうにもならなくなりました。#八重の桜

2013-07-02 10:15:02
たけのこぽこぽこ @mayabashimusume

無理難題ではありますが、自分がやらなきゃ誰がやるのかと考えるとどこも当てにならないような気がして、結局引き受けることを決意し、自分の部下たちに説明しました。 反対されたものの、「本家に逆らうな」という代々の家訓もあって、危険な仕事を引き受けることになりました。#八重の桜

2013-07-02 10:28:07
たけのこぽこぽこ @mayabashimusume

仕事の内容は「はるか遠い都で貴いお方とその住まいを守ること」でした。 かねてより乱暴狼藉が横行しているといううわさは聞いていたので、選りすぐりの部下を連れて行きましたが、赴任先は思ったよりも物騒で、臨時で警備増強を図らなければならないほどでした。#八重の桜

2013-07-02 10:36:33
たけのこぽこぽこ @mayabashimusume

幸い、貴いお方には覚えめでたく、何とかやっていけそうと安心したのも束の間、貴いお方の名をかたって偽の文書がまかり通る現実にまだ若い彼は驚きました。 貴いお方の真意と周りの状況を思って、なおのこと、今の仕事を頑張ろうと決意します。#八重の桜

2013-07-02 10:43:57
たけのこぽこぽこ @mayabashimusume

今ここで頑張ること=上司の命令に沿うこと=ご先祖からの家訓を守ること=本当の養子先の人間になれること=部下たちの本当の主になることと思った彼に、地元に残してきた重役がやって来て、「この仕事は無駄ばっかりだから辞めてしまえ」と言ってきました。#八重の桜

2013-07-02 10:48:40
たけのこぽこぽこ @mayabashimusume

言われたことは分かります。でも、ここでそれをして地元に帰ったら、その後何によって生きていけばいいのでしょう。その重役は言います。「あなたはとらわれ過ぎている」 図星をさされて、若き当主は動揺し、我を忘れて言いました。 「当分今の仕事から外れてもらう」 #八重の桜

2013-07-02 10:58:18
たけのこぽこぽこ @mayabashimusume

都は日を追うごとに物騒となり、気を抜けない日々が続きます。体があまり丈夫ではない彼は、時折病気で寝込むこともありますが、それを理由に地元に帰ることはできません。 そして、物騒な事件が次々と起こります。 #八重の桜

2013-07-02 11:03:41
たけのこぽこぽこ @mayabashimusume

彼は自分の任務を忠実に果たしました。自分も部下も命がけで戦って、実際に傷ついたり死なせた者もいました。それでも、自分に厚い信頼を寄せてくれる貴いお方のために頑張り続けました。 #八重の桜

2013-07-02 11:08:06
たけのこぽこぽこ @mayabashimusume

緊急の事態は回避できたものの、風向きが変わってきたこと、資金不足が否めないこと、それでも今まで十分に責務を果たしたとして地元に戻ることを決意します。上にも申し出て受け入れられるはずでしたが、状況が一変してしまいます。 貴いお方が亡くなってしまったのです。 #八重の桜

2013-07-02 11:15:33
たけのこぽこぽこ @mayabashimusume

トップが変われば貴い方の周りの方針も変わります。おぼろげだった敵意がはっきりと向けられ、また本家に「先代の意志に背くことになる、とどまれ」と言われ、戻るに戻れなくなります。 何故なら、亡き人の思いを無にすること=ご先祖様の想いも無視すること=家訓に逆らうことです。#八重の桜

2013-07-02 11:22:01
たけのこぽこぽこ @mayabashimusume

部下たちは色々と手を尽くして状況をつかみ、また変えていこうと必死でしたが、自分達への敵意が何からくるものなのか、はっきりと把握することができません。分かっているのは、うかつに動けば攻められるということだけです。 #八重の桜

2013-07-02 11:25:54
たけのこぽこぽこ @mayabashimusume

本家は自分には到底思いつかないような奇策を繰り出して、目の前にいない敵と戦っていました。しかし、言葉の一つ一つが本音なのか策なのか混然としていて、自分の理解の範疇を超えていました。どの言葉を信じればいいのか、いや、信じていいのか疑うことが当然となりました。#八重の桜

2013-07-02 11:31:18
たけのこぽこぽこ @mayabashimusume

世の中の空気はいよいよ不穏となり、とうとう敵の挑発に煽られた人々が暴徒となり、戦が避けられぬ状況となります。 自分達は与えられた仕事を全うしただけ、という思いがあるため、急に「お前たちは邪魔者だ」と言われて納得いくわけがありません。#八重の桜

2013-07-02 11:36:02
たけのこぽこぽこ @mayabashimusume

本家と自分とその部下たちは天下の大悪人と謂れのない誹謗中傷を浴びせられては、黙っているわけにもいきません。とうとう戦うことになりました。 が、敵は戦いに勝つために相当な準備をしていて、気持ちにバラツキがある味方とは全然勝負になりません。#八重の桜

2013-07-02 11:48:35
たけのこぽこぽこ @mayabashimusume

この戦いで、またも多くの人が傷つき亡くなり、また、味方と思っていた人々に次々裏切られていきます。若く純粋な彼の気持ちはどれほど痛んだことでしょう。 戦いは徐々に不利となり、今後について誰もが不安を持ち始めた時でした。 本家が、折り入って話をしたいと言いました。#八重の桜

2013-07-02 11:56:35
たけのこぽこぽこ @mayabashimusume

これからどうするか。二人は話し合います。 「今からここを抜け出す」と本家に言われて、退却して立て直すのかと思いきや、「自分達だけで行く」と言われて驚きます。何故と問えば、自分の部下が強すぎて、戦が終わらないためだと。上が退けば下も退くだろう、と。#八重の桜

2013-07-02 12:02:42
たけのこぽこぽこ @mayabashimusume

そんなことはできない、と当然反論すると、「お前の腹心の発案だ」と言われ、頭が真っ白になります。信じるか、信じないか。気が付けば本家とともに部下を置いて戦場を去る自分がいました。 #八重の桜

2013-07-02 12:06:21
たけのこぽこぽこ @mayabashimusume

戦場から離れた場所で、いったん身を落ち着けました。しばらくして、置いてきた部下たちが戻ってきました。傷つかぬ者はなく、戻らぬ者もいたことでしょう。中途半端な形で退却を余儀なくされて、誰もが怒りを抱えていました。その怒りが向けられた先は…… #八重の桜

2013-07-02 12:10:47
たけのこぽこぽこ @mayabashimusume

彼らの主たる自分ではなく、自分の腹心でした。その腹心が、部下を捨てて逃げろと本家に進言したとみなが信じていました。あの時の自分と同じように。でも今の自分なら分かります。どれほど苦しくても、卑怯なことはするなと教えられて育った彼が、仲間を捨てろと決して言わないと。#八重の桜

2013-07-02 12:19:19
たけのこぽこぽこ @mayabashimusume

もとより継いだ家の家風が卑怯な振舞いを許しません。部下たちも子供のころからそう教えられて育ってきました。だから自分もその腹心を見捨てるような真似はしないと決めました。守ろうとしました。でも、かえって反感を買うばかりでした。#八重の桜

2013-07-02 12:24:49
たけのこぽこぽこ @mayabashimusume

怒りを鎮めるための手段は、いくつもありません。生きていればいつか汚名をそそげるかもしれない、その思いも込めつつ、自分が下せる最も重い処罰を選択し、自分の心を汲み取ってくれる部下に手配させます。 #八重の桜

2013-07-02 12:38:36
たけのこぽこぽこ @mayabashimusume

腹心はその優秀さゆえに、かえって主の心痛と自分への心遣いを察して、その言いつけに従いました。 自分のいたならさ故にあたら優秀な部下を失ったことは、深い傷となりました。 #八重の桜

2013-07-02 12:45:17
たけのこぽこぽこ @mayabashimusume

部下たちの怒りは鎮まったようでした。これからどうするか、という時に本家からの呼び出しに応じた重役から、今いる所からさっさと立ち去れ、もう誰も寄越すなという命令を聞かされ、何のための退却だったのかと心の底からの怒りを覚えました。#八重の桜

2013-07-02 12:56:26
たけのこぽこぽこ @mayabashimusume

敵だと思っていた勢力が、都の貴い方々や本家に従っていた人々を味方につけて、自分達こそ正しいと天下に喧伝していました。貴いお方に逆らったと彼らが言えば、それが通ってしまいます。 本家や自分達は、天下の大罪人ということにされてしまいました。#八重の桜

2013-07-02 13:06:38