リレー小説「脳内コンビ作家」

@_stein の圧力により突発的にリレー小説を始めてみました。 (継続中:50回まで行くつもりらしい)
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石林グミ @__stein

@head_s じゃあ文末に数字をつけてカウントしてく形でスタート→/「あ〜ん!遅刻遅刻〜」お母さんが焼いてくれたトーストをかじりながら家を飛び出した。なんで家を出るのがギリギリになってしまったかというと、昨晩も脳内コンビ作家と次回作のプロットについて話し合っていたせいだ。(1)

2013-07-02 22:58:27
Head @head_s

@__stein 脳内コンビ作家とはいつ頃知り合ったのか、覚えていない。ずいぶん昔のような気もするしつい最近現れたような気もする。とにかくいつからか「あ、これはネタになるぞ」「それは文章おかしい」といちいち脳内で話しかけてくるのだ。やつは基本的に辛口の駄目出し担当だ。(2)

2013-07-02 23:04:28
石林グミ @__stein

@head_s あまりにも辛口すぎて時々凹む時もある。この間なんて私が精魂込めて考えた渾身の風呂シーン(400字詰め原稿用紙換算で80枚分)を「冷めるわ」の一言で片付けられた。(3)

2013-07-02 23:12:12
Head @head_s

@__stein なので昨夜は「じゃあさじゃあさ、そこで渾身のトイレシーンとかどうかな」とだいぶアグレッシブに主張してみたのだが、にべもなく却下された。ライトノベルではわりとありふれてるんだそうだ。どういう客層のレーベルなのか気になりつつ、そんなわけで只今絶賛遅刻中である。(4)

2013-07-02 23:19:48
石林グミ @__stein

@head_s 文房具屋さんのある角を曲がり、トーストを落とさないように走り抜ける。校門が見えてきた。遅刻してるんだから他の子の姿は既に見えない……と思いきや。そいつはいた。6年生の不良。吾妻孝之。(5)

2013-07-02 23:31:09
Head @head_s

@__stein 孝之はさすが不良、時間なんか気にせずだらだら歩いてる。確実に遅刻ペースだ。追い抜かなければならないが、見つかれば間違いなく「よお、デコ」などと話しかけられ、この間の雨の日に拾った猫の話なんかされてやはり遅刻してしまう。どうする……そのとき、脳内で声がした。(6)

2013-07-02 23:47:44
石林グミ @__stein

@head_s 「↑↑↓↓←→←→BA!」「撃ち落とせと!?」流石相棒、眼前の障害物を排除することに躊躇が無い。だがしかし、悲しい哉、ここは法治国家日本。無闇矢鱈な攻撃なんて出来ないし、そもそも私はSTGの主役機じゃなかった。突っ込みの叫びに気付いてしまった孝之が振り向く。(7)

2013-07-03 00:09:07
Head @head_s

@__stein 「よお、やっぱ子猫にはミルクかな?いやこの間の雨の日に拾っ……て何撃ち落としてるのお前」「あっ、もしもし!?あー、どもどもども!!」私はとっさにブラスター連射を中断、2枚目のトーストを取り出し耳に当て「今ですか?はい大丈夫です!」急な電話のふりを始めた。(8)

2013-07-03 00:26:43
石林グミ @__stein

@head_s 持ってて良かった、2枚目のトースト。育ち盛りの娘に対するお母さんの気遣いが嬉しい。バター塗った後なのにそのままポケットに突っ込んでくるのがちょっと困るけど。「食べ物で遊ぶんじゃありません」怒られた。孝之は不良のくせに子猫に優しかったり、マナーにうるさい。(9)

2013-07-03 19:21:27
Head @head_s

@__stein 「食べ物じゃないヨ?スマホだヨ?こうしてこう、フリック入力とか」トーストのバター面に指で「いか」とか書いている私を無視して孝之は話し始めた。「そういえば俺、お前に聞きたいこと、あったんだ」なにこいつもしかして……「お前……さ……タイムリープしてるだろ?」(10)

2013-07-03 20:08:52
石林グミ @__stein

@head_s タイムリープ!一般的なJSだったら存じ上げないかもしれないけれど、脳内コンビ作家と次回作の構想を練っているような私にならそんな言葉、どんと来い超常現象。「な、な、な、なんで??」「最近のお前のひとり言、よく分かんないけど当たってる時があるから」(11)

2013-07-03 20:29:15
Head @head_s

@__stein 「ひとり言……『お寿司食べたい』とか?」「いや」「『まずオムライス食べな』とか?」「違う」「『ポッキーは歯でチョコだけ剥がして食べる』と」「長いよ!」「『今なら布団に入ったまま時速20キロで走れる』とか?」「あのさ、タイムリープってそういう能力だっけ?」(12)

2013-07-03 22:04:46
石林グミ @__stein

@head_s 「違うけど……でも私、そんなノストラダムスとかMMRとかみたいなこと喋った覚えないけど」「覚えてないかもしれないけど、たまに言ってんだよ……俺にとってはノストラダムス級に恐ろしいことを」(13)

2013-07-03 22:38:24
Head @head_s

@__stein 「精が出るな、ミシェル」お爺様が食事を持ってきてくれた。「……また、やおいか?」「ええ、来月のサンクリには間に合わせたくて」16世紀、ルネサンス時代。グーテンベルクが活版印刷を発明して以来南フランスの小都市でも同人誌即売会は盛んだ。「今度のは凄いわよ」(14)

2013-07-04 09:49:30
石林グミ @__stein

@head_s 身分を偽り、男性作家としてやおい本を出す私のサークルは「男なのに!」といつも大盛況。人気を保ち続けるためにも、常に読者を飽きさせない目新しいものを提供し続けないとならない。「未来の異国で、ちょいワルの男の子が子猫を拾った時から始まる絶愛ラブストーリー!」(15)

2013-07-04 20:41:32
Head @head_s

@__stein そんな前作がなんと王妃に伝わったらしい。次のイベントでは直々にお出ましになるとか。気合が入った私は昼夜を徹して大作『諸世紀』を完成させた。そして……私はちょっと考えていつものラテン語風筆名でなく本名でサインすることにした。"ミシェル・ド・ノートルダム"。(16)

2013-07-04 21:07:46
石林グミ @__stein

@head_s 「気合い入れて昼夜徹してんじゃねーよ!!」孝之のツッコミで我に返る。「はっ、あれ、私……今何喋ってた?」「……タイムリープっつーより自動書記か……?」孝之のいぶかしげな声に重ねるようにして、やつの声が聞こえる。(きゃー ばれそうー)(17)

2013-07-04 21:32:42
Head @head_s

@__stein こんなふうに時々未来予測をつぶやいてしまうのである。もっとも、バレてもあまり困ることはなさそうだけど相棒はそれなりに律儀だ。幸い孝之はそれ以上突っ込んで来なかった。っていうか遅刻した。(18)

2013-07-06 23:17:45
石林グミ @__stein

@head_s 放課後、担任の先生(28歳独身彼氏募集中)による、度重なる遅刻に対する説教から解放された私が教室に戻ると、孝之が同じサッカー部の男とイチャイチャしていた。「お前猫拾ったんだって?いいなー、見に行きたい。お前んち行っていい?」(19)

2013-07-07 11:10:40
Head @head_s

@__stein (なんですとーーーーーーー!)私の中のあいつが叫ぶ。(目撃しろついていけ早く行け)とうるさいので仕方なく話しかけた。「あの、その猫……わ、わたしもそんでそんで猫が暴れて倒れこんで見つめ合うふたりは猫見に行っていいかな?」途中別ななにかが混じった気もする。(20)

2013-07-09 22:13:53
石林グミ @__stein

@head_s サッカー部の男はあからさまに嫌そうな顔をしてにらんできた。「は?突然何?しかも言ってることわけ分かんねーし」なんでいきなりこんな喧嘩腰なの……孝之も少し驚いている。「女子は来んなよ」(友だちを独り占めしたい男子ktkr!!)ええいうるさい奴め(21)

2013-07-10 23:15:51