ラモーナ・ツァラヌさんが語るシビウ演劇祭

昨年のF/Tの関連企画、BlogCampメンバーだったラモーナ・ツァラヌさんが、ルーマニアのシビウ演劇祭に関して呟かれたものです。東欧と日本の演劇について考え、想像する機会をもらったので許可をいただいてまとめました。
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ramona @ramona_elena

シビウ演劇祭は今年だめだったという意見がどんどん耳に入ってくる。実は以前も参加された方の不満を聞いたことがあって…

2013-07-04 13:17:15
ramona @ramona_elena

毎年50以上の国から約350組の劇団が参加するということで、あの数の参加者だと、みんなに対して充分の配慮が不可能だと私は思いますけど。

2013-07-04 13:18:55
ramona @ramona_elena

しかし、参加されたアーティストが公の場でその不満を訴えないかぎり、何も変わらないでしょう。

2013-07-04 13:19:46
ramona @ramona_elena

そもそも東欧の国であるルーマニアにはあの規模の演劇際が行えるはずがないのです。(自分がルーマニア人だから、平気ではっきりと言えるのです。)

2013-07-04 13:23:37
ramona @ramona_elena

それにもかかわらず約20年前から毎年行われ続け、拡大し続けてきたあの演劇祭は、ある種の奇跡に思える。

2013-07-04 13:25:39
ramona @ramona_elena

シビウ国際演劇際という奇跡の背後にあるのは、常識に逆らう欲望にほかならない。

2013-07-04 13:27:12
ramona @ramona_elena

まずは開催者の方の、世界の演劇を地元の観客に見せたいという欲望があって。

2013-07-04 13:28:07
ramona @ramona_elena

でも、それだけだったら、多分何も成立しない。実はそれ以外、ルーマニアの各地方からだけではなく、隣国のモルドヴァ、ハンガリー、ブルガリアなどからシビウまで足を運んで行く観客の、世界の演劇が見たいという欲望もあります。

2013-07-04 13:31:35
ramona @ramona_elena

東欧の演劇状況は特徴的で、演劇がどんな時でも、どこでも観られる他国の観客にはおそらく分かるようもない渇望があそこにあるのです。

2013-07-04 13:35:32
ramona @ramona_elena

ヨーロッパの演劇界では少し不自然な存在かもしれないが、大勢の人にとってあの演劇際は大切な存在なんです。

2013-07-04 13:36:30
ramona @ramona_elena

個人的には続いてほしいと思いながら、その開催のやり方を改善してくれないと、あと数年間ある種の慣性によって行われるだろうが、世代が替わったら直に絶えてなくなってしまうおそれがあると思います。

2013-07-04 13:40:23
ramona @ramona_elena

そんな残念な結末にならないように、どうか開催者と参加者の間のコミュニケーションがもっとうまく行きますように願っています。

2013-07-04 13:41:49
ramona @ramona_elena

今気付いたんですが、「演劇際」ではなくて、「演劇祭」でした。失礼しました。

2013-07-04 15:52:25
ramona @ramona_elena

さっきのツイットの連続に引き続き、少しだけシビウ演劇祭にまつわる思い出話をしようと。

2013-07-04 15:54:13
ramona @ramona_elena

はじめて歌舞伎を観たのはあそこだった。2008年に平成中村座が『夏祭難波鏡』という作品をシビウ演劇祭で上演しに来られた。主演は中村勘三郎さんだった。

2013-07-04 15:56:22
ramona @ramona_elena

特殊な演技と美学を見せる80人以上の役者がその舞台の上でつとめて、歌舞伎をはじめて見ていた人たちを驚かせた。観客のなかでは、地元の人だけではなく、遠くからわざわざその芝居を観に来ていた人もいた。フランス人とか、イギリスやドイツの人。

2013-07-04 15:58:22
ramona @ramona_elena

自分もあの頃はブカレストに住んでいたから、シビウという町まで電車で8時間の旅をした。

2013-07-04 15:59:40
ramona @ramona_elena

開演の直前に会場に到着してしまい、観客席の中に置かれていた舞台と観客席の後ろ側をつなぐ道があって、慌ててそれを渡ろうとしたら、劇場のスタッフに厳しく叱られた。それが花道だから!、と。(本当に申し訳ありませんでした!)

2013-07-04 16:02:58
ramona @ramona_elena

それまでに本などで歌舞伎について少し読んだことがあって、頭の中で想像してみたことがあったんですが、本物の美しさと迫力と芸術的な完成度を自分の目でやっと見られて、言葉を失った。もっと観たいとしか思わなかった。

2013-07-04 16:05:26
ramona @ramona_elena

2年後、またまたあの演劇祭に行ったら、青年団に出会って、『東京ノート』を観た。あと、山の手事情者の『オイディプス王』など。

2013-07-04 16:07:53
ramona @ramona_elena

さらに2年後、その「もっと観たい」という思いがついに叶って、日本に来ちゃったわけですが、これも常識に逆らった欲望かもしれない。とにかく、日本の演劇に興味を持つようになったきっかけは2008年以前のことなのだが、何回かシビウで観劇の機会があったことはとても大事な刺激だったと思う。

2013-07-04 16:13:16
ramona @ramona_elena

(こんな話をどうも別のところですればいいんじゃないかと、少しは思います。話が長くなってしまって、すみません。)

2013-07-04 16:16:14