ラモーナ・ツァラヌさんが語るシビウ演劇祭
毎年50以上の国から約350組の劇団が参加するということで、あの数の参加者だと、みんなに対して充分の配慮が不可能だと私は思いますけど。
2013-07-04 13:18:55そもそも東欧の国であるルーマニアにはあの規模の演劇際が行えるはずがないのです。(自分がルーマニア人だから、平気ではっきりと言えるのです。)
2013-07-04 13:23:37でも、それだけだったら、多分何も成立しない。実はそれ以外、ルーマニアの各地方からだけではなく、隣国のモルドヴァ、ハンガリー、ブルガリアなどからシビウまで足を運んで行く観客の、世界の演劇が見たいという欲望もあります。
2013-07-04 13:31:35東欧の演劇状況は特徴的で、演劇がどんな時でも、どこでも観られる他国の観客にはおそらく分かるようもない渇望があそこにあるのです。
2013-07-04 13:35:32個人的には続いてほしいと思いながら、その開催のやり方を改善してくれないと、あと数年間ある種の慣性によって行われるだろうが、世代が替わったら直に絶えてなくなってしまうおそれがあると思います。
2013-07-04 13:40:23そんな残念な結末にならないように、どうか開催者と参加者の間のコミュニケーションがもっとうまく行きますように願っています。
2013-07-04 13:41:49はじめて歌舞伎を観たのはあそこだった。2008年に平成中村座が『夏祭難波鏡』という作品をシビウ演劇祭で上演しに来られた。主演は中村勘三郎さんだった。
2013-07-04 15:56:22特殊な演技と美学を見せる80人以上の役者がその舞台の上でつとめて、歌舞伎をはじめて見ていた人たちを驚かせた。観客のなかでは、地元の人だけではなく、遠くからわざわざその芝居を観に来ていた人もいた。フランス人とか、イギリスやドイツの人。
2013-07-04 15:58:22開演の直前に会場に到着してしまい、観客席の中に置かれていた舞台と観客席の後ろ側をつなぐ道があって、慌ててそれを渡ろうとしたら、劇場のスタッフに厳しく叱られた。それが花道だから!、と。(本当に申し訳ありませんでした!)
2013-07-04 16:02:58それまでに本などで歌舞伎について少し読んだことがあって、頭の中で想像してみたことがあったんですが、本物の美しさと迫力と芸術的な完成度を自分の目でやっと見られて、言葉を失った。もっと観たいとしか思わなかった。
2013-07-04 16:05:262年後、またまたあの演劇祭に行ったら、青年団に出会って、『東京ノート』を観た。あと、山の手事情者の『オイディプス王』など。
2013-07-04 16:07:53さらに2年後、その「もっと観たい」という思いがついに叶って、日本に来ちゃったわけですが、これも常識に逆らった欲望かもしれない。とにかく、日本の演劇に興味を持つようになったきっかけは2008年以前のことなのだが、何回かシビウで観劇の機会があったことはとても大事な刺激だったと思う。
2013-07-04 16:13:16