孫泰蔵さん HIRO著「Bボーイサラリーマン」(幻冬舎文庫)を読んで考えたこと
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EXILEのリーダーであり、LDH代表取締役社長であるHIROさんはEXILEを立ち上げて間もなくの頃、前身のマネジメント会社エグザイル・エンターテイメントがなんとか軌道に乗り始め、事務机くらいは揃えられるようになった頃、会社の壁に一枚の紙を画鋲でとめたそうだ。
2010-09-24 07:55:26![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
その紙には、メンバーの夢や将来の計画を細かく書き込んであるという。単独の夢もあれば、他のメンバーの夢とつながって一つのプロジェクトになっている夢もあり、いくつものアイデアが矢印で結ばれ影響を及ぼしあっているそうだ。
2010-09-24 07:55:35![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
HIRO「いうなれば、俺たちの夢を現実にするための計画表。夢の実現までの道順を示した、未来への地図。その夢が一つ実現するごとに、俺たちは大きくなっていく。会社を大きくすることは、つまり自分たちの夢を実現するのと同じことなのだ。だって俺たちはそのために会社を作ったのだから。」
2010-09-24 07:55:43![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
そういえば、会社の起源は1600年イギリスの東インド会社である、と世界史で習った。その名前は単なる記号でしかなかったし、後期には植民地支配組織という色彩を帯びてむしろ悪い印象しかなかった。しかし後にいろいろ調べ、当時の状況に思いを馳せてみるとまったくイメージは変わってくる。
2010-09-24 07:55:50![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
当時ヨーロッパから東南アジアへの大航海を成功させるというのは、今でいえば火星に有人宇宙飛行を成功させるくらいたいへんな事業であったに違いない。うまくいけば香辛料貿易で莫大なリターンを得られる反面、文字通り命を懸けて取り組むようなリスキーな事業だったのだ。
2010-09-24 07:55:58![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
事業計画を立てる事業家、大航海に耐えられる船体を設計する造船技師、豊富な経験に裏打ちされた優秀な航海士、腕っぷしのいい命知らずの船員、そういった各分野のエキスパートが集まり、難破すればすべてパーというリスクを負って夢に向かって途方もない挑戦をする会社、そういう姿が目に浮かぶ。
2010-09-24 07:56:06![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「いいか、会社ってのはなあ、夢や理想なんてそんな青臭いこと言ってても何も始まらない。生き馬の目を抜くような競争を勝ち抜いていかねばならないんだ。甘っちょろいこと言ってないでもっと現実を見ろ。」というようなことを若手に諭すやり手の上司、というシーンをよくドラマなどで目にする。
2010-09-24 07:56:13![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
しかし、それは根本的にまちがっている。会社というのは夢を実現するための装置なのだ。会社の起源である東インド会社のそもそもの成り立ちからしてそうなのだから。EXILEは実際多くのファンや顧客に諸手をあげて歓迎され、喜びや希望を与えながら自分たちの夢をひとつひとつすべて実現している。
2010-09-24 07:56:22![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
HIRO「未来への地図だなんて、カッコ良いことを書いたけど、たいしたモノじゃない。元はといえば俺のイタズラ書きだ。贅沢できる身分じゃないし、夢を話すのとバカ話をするのが当時の俺たちの娯楽みたいなものだった。そういうみんなの夢を紙に汚い字で書いてベッドの横に貼っていた。」
2010-09-24 07:56:30![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
HIRO「俺には一つ大切にしていることがある。それは、最初の約束を忘れないってことだ。誰かと何かを始めるときにいろいろ話したこと。そのときの約束を絶対に忘れない。夢を書いた紙は、いうなれば、その約束の延長だった。」
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HIRO「寝る前とか、目が覚めたときとか、ふっと思いつくことがある。彼の言っていたことって、こうやれば上手くできるんじゃないか。そうやって一つひとつ思いついたことを、書き足していった。イタズラを考えつくのと同じことで、昔からアイデアをひねり出すのが好きなのだ。」
2010-09-24 07:56:46![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
夢をもつこと、そしてその夢がより多くの人々の共感を得られるよう「志」にまで進化させること、そういったプロセスを経ることによって夢は必ず実現できるということを体現しているHIROさんは、ダンスパフォーマーとして素晴らしいアーティストであると同時に起業家としても超一流である。
2010-09-24 07:56:53