《福島県の小中学校にエアコンを導入するための現実的な課題》

原発事故後、福島県の学校にエアコンを導入する為に使える予算、というものが国で確保されました。しかし、小中学校のエアコン設置は進みません。 なぜなのか、という話を私自身の連続ツイートでまとめて見ました。
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宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

学校の教室にエアコンを導入する問題。実は、民家にエアコンを入れるのとは異なり、大規模な電気工事(学校全体で考えると相当数のアンペア増加を伴う改造)などが必要なので、学年3クラスの小学校で20教室に常設のエアコンを設置するだけで相当な金額がかかります。

2013-07-14 00:20:26
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

(承前)23年前、校舎から独立した建物だった双葉高校の学校図書館に、受験勉強用に特別に冷房設備を導入しようという計画があり、県の偉いさんが下見に来たことがあります。「これだけ本があれば、来年は1冊も本を買わなくても良いね」と偉いさんは言い放って県庁に戻りました。

2013-07-14 00:23:13
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

(承前)23年前、結局双葉高校図書館には、その年には冷房が導入できませんでした。県の構想では数十万円で冷房を入れるつもりだったのです。が、業者に見積を依頼したら、学校の電気契約を変えて、大規模な配電工事をして、など数億円必要、という話になって、見送られたのです。

2013-07-14 00:25:56
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

(承前)ではその後どうなったかというと、大規模電気工事をせずに、比較的小規模な工事で冷房を入れる方法を採用した学校が増えました。冷房用の電気を学校の敷地内で発電する事で工事を最小限に抑え、発電機と冷房気をリースにして、燃料代とリース代をPTA負担にしたのです。

2013-07-14 00:28:42
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

(承前)県立高校を含めて、福島県の高校ではかなり高額のPTA会費を徴収します。そこから「進路対策費」や「部活動後援会費」を支出して、福島県庁からの支出を削減してきました。PTA会費で事務職員を雇用して、県のカネで行うべき事務も一部行わせてきました。

2013-07-14 00:31:27
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

(承前)現在、教室に冷房機がある福島県の県立高校では、冷房関係の費用もPTA予算から支出されています。PTAの予算決算は公開されている筈なので、これは職務上知りえた秘密には当たりません。同じ方法を小中学校で実施しようとしたら、小中学校に収める経費が跳ね上がってしまいます。

2013-07-14 00:34:08
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

(承前)もし、福島県の小中学校にエアコンを設置するなら、永続的な予算措置が必要になります。他方、震災や原発事故とは無関係に少子化は進んでいます。今後PTA会員は減少することが予想されます。その状況下では、国からエアコン設置費用が出ても、簡単に設置するわけにはいきません。

2013-07-14 00:36:38
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

(承前)福島県の学校にエアコンを設置した場合、震災復旧が完了し、原発事故の影響がもし早期に収まったとしても、エアコンを使わずに夏を過ごすことは困難です。福島県中通りは、群馬県や埼玉県の一部の様に、盆地効果で高温多湿の状況になるので、一度始めた冷房をやめることは困難でしょう。

2013-07-14 00:40:40
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

(承前)これからずっと同じ状況を続けるしかないという前提に立つならば、福島県中通りの小中学校にエアコンを導入するかどうか、という問題を立てたならば・・・導入は非常に難しい、ということになる。導入するなら「福島県に永続的な冷房予算を国から補助する」という保証が必要だろう。

2013-07-14 00:43:28