#twnovel珈琲祭

2009年10月7日、寒い晩のとある呟きから自然発生した「コーヒー」がテーマの一大Twitter小説競作。
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内藤みか(作家) @micanaitoh

もう行かなくちゃ。私が立ち上がると、あなたは、僕はもう少しここにいる、と追加の珈琲を頼んだ。わざわざ私が住む駅に来てくれた人。子どもに会いたいと言ってくれたのを断って私だけが保育園に向かった。素直になれない私は今でもあの喫茶店に彼の心を待たせたまま。 #twnovel ←珈琲祭り

2009-10-07 23:06:49
あQ (CTT) @aquall

#twnovel 「さぁ、どっちを選ぶんだね?」目の前に置かれた二つのソレは見た目違いが分からない。「本物は一つ、男だったら一気に飲み干してみたまえ。」僕は意を決して右のグラスを取り一気に飲み干した。ん、これは…アイスコーヒー?「おーっと残念。正解の”めんつゆ”は左だっ!」

2009-10-07 23:13:21
@hikarux_x

「待っててね。すぐ珈琲入れたげるからね。」そう言って彼女はカップにインスタントコーヒーと水を入れた。「すぐチンしたげるからねっv」と、電子レンジへ。どこからツッコめばいいんだろう?「珈琲をレンジで淹れるなよ…!」「電子レンジをチンと呼ぶなよっ…!」 #twnovel

2009-10-07 23:14:57
おりひか いくお @Orihika

#twnovel 地方路線の無人駅、次の電車は2時間後。人気皆無の停車場で、パーコレータで珈琲淹れた。空は高く澄み渡り、陽は徐々に落ち暮れ泥む。次はどちらに向かおうか、今夜は何処に泊まろうか。地図を広げて暫し思案。それともここで夜明かすか。米、沢庵とウィスキー、一夜の友は十分だ。

2009-10-07 23:19:33
はまりー @hamari

#twnovel 最近は珈琲に凝っていてね。トランシルヴァニアには良い豆がないから、わざわざ他国から取り寄せているのだよ。いい香りだろう? さぁ、もう一杯飲みなさい。いや、わたしのことは気にしないでいい。あとで飲む。さぁ、もっと飲みなさい。きみの血液に、カフェインが染み渡るまで。

2009-10-07 23:22:02
中村 安伸 @yasnakam

#twnovel 煮詰まつた珈琲のやうなベースラインを弾くしか能が無い俺に、おまへが淹れる珈琲は薄すぎる。かき集めた欲望のパッチワークを毛布にしておまへを包めば、やうやく赤子のやうな寝息をたてはじめる。さあこれからが聖なる珈琲抽出の儀。まずは豆を一ミリ角の賽の目に切り……。

2009-10-07 23:23:02
竹雀綾人⋈怪人 #ひより㌠ @takesuzume

#twnovel 少女の移動図書館が荒野に佇む。嵐の抜けた晴れた空。雨が洗った清んだ空気。少女はふと思い立ち、とっておきの珈琲を開ける。パカンと蓋が開けられると、永く永く封じられた香が、我先に飛び出してくる。それに乗って、喜びや怒りや哀しみや楽しみが、色々なものが飛び出してくる。

2009-10-07 23:24:01
tokoya @tokoya

#twnovel 凄腕のバリスタが死んだと聞き、俺と相棒は現場へと飛んだ。そこにはドリップ式の珈琲器具と遺書が残されていた。自殺であることは明らかで、事件性は全くない。なにも死ぬことは無かったんじゃないかな、移住した植民星の重力が違って、珈琲がうまく煎れられなくなったぐらいで。

2009-10-07 23:24:27
LastWill @TheLastWill

「か、缶珈琲でも買ってこようかッ?」公園のベンチで俯いて泣く彼女は、黙ってギュッと僕の腕を握った。うん、珈琲は好みじゃないようだな。僕は何故こんな事態に。まさか告白したら泣かれるとは。20分後ハンカチ代わりに袖を切るかと考えてたら、ようやく嬉し泣きだと説明された #twnovel

2009-10-07 23:27:46
TAG @bttftag

#twnovel ガタガタと鳴る窓を尻目に、僕はぐっとコーヒーを飲み干した。台風、でかいらしいよ。物騒だねえと呟いてから、部屋にいるのが僕一人であることに気づいた。……そうか。そういえば、そうだった。つい、もう一つ用意してしまったマグカップが、机の上で僕を見ているような気がした。

2009-10-07 23:28:31
ゆえ @sakuyue

#twnovel 「ごめんなさい、珈琲は飲めないの」気怠げで憂鬱そうな、それでいて艶めいた雰囲気を持った女性は、そう言った。その意味を、僕はようやく知る。「貴方って美味しそうね……大丈夫、殺しはしないわ。私の虜にするだけ」張り巡らされた糸。ここは、アトラク=ナクアの檻の中。

2009-10-07 23:29:26
あさと @Asatoiro

「もう終わりにしよう」溜め息を吐きながら立ち上がる気配を、伏せた頭で感じ取る。遠ざかる足音、ドアベルの軽い音。珈琲の中に涙が落ちる。それでも味は変わらない。「最初から、苦かったもの」 #twnovel

2009-10-07 23:30:03
クステ @cste

#twnovel 来る日も来る日もピンク色の味気ない珈琲の果肉で糊口を凌ぐ。豆は全て「本国」へと送られる。軍隊は珈琲しか守らない。「替え」が毎日運ばれてくる。10人死ねば20人。20人死ねば40人。珈琲は至高の存在。神への捧げもの。これをあなたはエルドラドと呼ぶんですか?

2009-10-07 23:30:30
TAG @bttftag

#twnovel これから飲み物買いに行くけど何にすると聞くと、彼女は今すぐ決められないからあとで送ると背中を向けたまま応えた。果たして、自販機の前にたどり着いた僕が見た彼女のメッセージは「51」。……51? ああ、コーヒーのことか。まだポケベルが、僕らを繋ぐ絆だった頃のお話。

2009-10-07 23:34:59
Takao Rival @takao_rival

#twnovel 私は珈琲には拘りを持っている。ミルは手挽きを選び、フィルタはその道の達人に教えてもらった名店の物。注ぎ先に拘ったドリッパーを用意し、お湯の温度も測定済みだ。さぁ、それでは佳境を迎える事としよう。丁寧に挽いたネスカフェ・ゴールドブレンドの粉に、私はお湯を注いだ。

2009-10-07 23:40:43
@wakegiorino

#twnovel おやすみの前に。こんばんは、アナウンサーの星孝夫です。取材の帰り、喫茶店に寄りました。だいぶ以前、一度入った店です。珈琲を頼んだら、スプーンがついてきませんでした。マスター、一度しか来ていないわたしがブラックで飲むことを覚えていたのです。私、ちょっと泣きました。

2009-10-07 23:43:22
クステ @cste

#twnovel 彼は珈琲から日光を引き出そうとしているそうだ。もう八年間このことばかり考えているのだと。つまり、この珈琲から引き出した日光を壜詰にしておいて、熱帯のじめじめした空気を温めるために使うらしい。「もうあと八年もすれば、きっと成功するでしょう」(ガリバー旅行記より)

2009-10-07 23:43:45
Dan Kogai @dankogai

本当にそうやってコーヒー牛乳作っている作品 http://j.mp/4E4sT3 @baatarism @Orihika: RE http://bit.ly/1aoMjb @bttftag 珈琲祭りから脱衣祭りへ移行する序章であった。 #twnovel

2009-10-07 23:49:04
simmmonnnn @simmmonnnn

#twnovel 彼女の部屋。珈琲おかわり「もう4杯目だよ?好きだね」楽しそうに笑う彼女「1日10杯飲むよ。すぐ眠くなる体質でさ」嘘をついた。2人きりになると、面白い事が言えなくなる。俺は必死だった「じゃあ眠くなったらここで寝てもいいよ」「俺自分のパジャマじゃないと…」必死だった

2009-10-07 23:49:53
Takao Rival @takao_rival

#twnovel 異国の王女はドラゴンボールに夢中だった。俺は珈琲を淹れる。「この飲み物は何だ?」何って珈琲だよ。「ホイップもキャラメルも入ってないのに?」未来人は全員甘党か。「ブラックなんだよ」彼女はカップの中を見て、それから俺を見た。「黒ではないぞ。綺麗な琥珀色だ」正論だ。

2009-10-07 23:50:18
はまりー @hamari

#twnovel お母様、今宵は月が蒼うございます。こんな夜には虹色の蝶が飛ぶ、さぁ捕まえておいで。貴方はよくそう云って私を夜の中に送りだして下さいました。いまベランダの下では私の娘が駆け回っています。台所では夫ではない男が二人分の珈琲を入れています。お母様、私はあなたの娘です。

2009-10-07 23:52:43
クステ @cste

#twnovel 僕はコーヒーをいれた。全裸で。腰に手を当てて飲み干した。全裸で。うまかったのでケーキを作った。全裸で。そのままお隣さんたちを呼んで、コーヒーとケーキでパーティだ。ひゃっほう

2009-10-07 23:59:04
南木義隆(なんぼくよしたか) @tsuitakotonasi

#twnovel 食後に娘が突然言った「ねえパパ、ママとのキスってどんな味?」「酒臭い」そう答えると妻がビール片手に笑う。「じゃあファーストキスは?」「挽き立ての珈琲の味」今度は腹を抱え笑った。「四人目って言ってたのに!」大学時代に妻が入り浸ってた喫茶店は挽き立て珈琲が自慢だった

2009-10-08 00:06:29
酔宵堂 @Swishwood

珈琲。終夜営業の喫茶店で夜明かししたこと。莫迦騒ぎの、あの若き日々。このモニタにも、思い出の取っ掛かり。「いまなにしてる?」なんて、あいつらの顔しか浮かばないじゃないか。音信不通の奴、くたばっちまった奴。いずれまた会えるさ、ラヂヲデイズ、あの頃のままのルールで。 #twnovel

2009-10-08 00:10:21
ゆえ @sakuyue

#twnovel 焼酎を一瓶買い、ほんの一杯ほど飲んだ後は決まって深煎りした豆をその瓶へと入れる。日を追う毎に豆がゆっくり沈み、段々と珈琲色へと染まっていく。貴方を待って作るこのお酒はもう、いくつめだろうか。ロックグラスへと注げば氷にたゆたう琥珀の海。私は今日も貴方の帰りを待つ。

2009-10-08 00:12:43