東日本大震災体験談 福島 相馬市 【IWJ百人百話】2013参院選直前特集：第62話「阿部知美さん」 2013年07月19日

岩上安身 @iwakamiyasumi

連投25 RT 【IWJ百人百話】25.阿部さん：すぐに宿泊先も与えられたが、40㎞を超えていた自分たち家族には与えられず。けれど兄たちは離れたくないということで、一緒にいた。何も言わずに離れた職場からは、ネコの手も借りたいときにまた逃げているのか、となじられた。

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連投26 RT 【IWJ百人百話】26.阿部さん：子どもが居るから避難するのは仕方ないと言ってくれる同僚もいたが、もう辞めても良いよ、という人も。報道の人は、危険だと分かっていながら圧力がかかっているので伝えられないと。38年生きてきて、日本のメディアは何だと。

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連投27 RT 【IWJ百人百話】27.阿部さん：とことん失望した。20㎞圏内の兄たちは残ったが、自分たち家族はいったん自宅へ。そのとき兄は息子達に、絶対にマスクはするようにと話した。自宅には父が残っていた。自分たちがいない間、父は少しずつ家を片付けてくれていた。

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連投28 RT 【IWJ百人百話】28.阿部さん：父はやせ細っていた。自分たちがいない間、何を食べて生活をしたいたのかと、留守にしたことを申し訳ないと思った。そのうち、息子がマスクをせずに外に出ていた。危ないと言ったが、息子も息子の友達たちも、もう大丈夫だと。

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連投29 RT 【IWJ百人百話】29.阿部さん：聴けば、東大の先生が講演で、ニコニコしていれば大丈夫だと言っていたと。3号機が爆発して、大丈夫なわけはないだろうと思った。周囲はまるで志村けんのコントのよう。そこで崎山さんや小出さんの講演会に出かけ、学んだ。

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連投30 RT 【IWJ百人百話】30.阿部さん：こどもにとって、いかに危険な状態なのかを知って逃げようと言ったが、学校で安全だという話を聴かされていた長男と激しく対立し、毎晩取っ組み合いの喧嘩をした。けれど長男も実はネットなどで情報を得ていて、内心不安だった。

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連投31 RT 【IWJ百人百話】31.阿部さん：逃げる逃げないの繰り返し。そのうち次男が、もう良いよと。飲料水が原因か、指の関節が痛くなり、キーボードも打てないほど。喉も痛い。秋田に避難後は、指の痛みは1ヶ月、喉の痛みは1週間ほどでなくなった。甲状腺の検査は

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連投32 RT 【IWJ百人百話】32.阿部さん：これまでに2回受けさせた。相馬市に残してきた長男の甲状腺は問題なかった。秋田に避難した自分たちには少し出た。とにかく検査はこれからも受けていくしかないと思っている。いろいろな病気を抱えるようにならないか不安。

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連投33 RT 【IWJ百人百話】33.阿部さん：被ばくは大人も子どももしているので、検査はみんなした方が良いと思う。仕事は辞めることにした。どこに逃げるにしろ、子どもを連れて逃げることにしていたので、辞めさせて下さいと。退職の書類は3月20日付けになっていた。

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連投34 RT 【IWJ百人百話】34.阿部さん：借り上げ住宅のアパートの一室。隣の地区にいる兄たちに最も近いところ。子どもの学校は車なら5～6分で着く距離だが、こちらは雪が多くてたいへん。浜通り育ちの自分は見たことのない雪。11月～4月の末まで降っていた。

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連投35 RT 【IWJ百人百話】35.阿部さん：避難生活それ自体は、思ったほどたいへんではないが、危険なところにこどもたちがいることへの精神的な不安の方が大きい。生活は失業保険。生活必需品は購入したが、あまりお金を使わないようにしている。福島の子どもは、当初は

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連投36 RT 【IWJ百人百話】36.阿部さん：外食したり、食べ物に気を遣わなかったが、「どうせ国に捨てられた命」と息巻いていた長男も、最近は気をつけるようになった。母親が計る放射線量を見て、息子たちも次第に母親が言っている危険の意味に気づきはじめた。

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連投37 RT 【IWJ百人百話】37.阿部さん：ガイガーカウンターを持ち、計測している地元の人は、高線量に気付いて、早く助けてくれと悲鳴を上げている。これは国に捨てられたと、爆発のときにも思ったが、まさかここまでとは思わなかった。ストロンチウムの数値が高いことも

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連投38 RT 【IWJ百人百話】38.阿部さん：地元の人は誰も知らなかった。NHK、全国放送と秋田放送で流すからと。けれど編集カットし、避難させてほしいと訴えている場面は流さない。新聞も書かない。ようやく最近、秋田版で書いてくれるようになったくらい。

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連投39 RT 【IWJ百人百話】39.阿部さん：秋田大学の先生が、県人会を立ち上げてくれて、支援してくれている。話をしてほしいと言われれば、息子との関係も話し、心は相馬に置いてきて、身体は秋田に来ました、と話している。ある取材で、どれほどのお金を積まれようと

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連投40 RT 【IWJ百人百話】40.阿部さん：被ばくによる身体の被害は元に戻らない、と言ったところ、生活は元に戻らないと書かれた。「被ばく」は禁句なのだと思う。ここに1年にて、日本のメディアはダメだと分かったので、海外メディアの取材に答えるようにしている。

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連投41 RT 【IWJ百人百話】41.阿部さん：日本はアメリカの属国だと初めて知った。ネットは3.11以降にはじめた。どれが正しい情報か分からなくなると、講演会などに出向いて、自分で見て、調べるようにしている。国内外の学者は3号機は核爆発、メルトダウンだと。

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連投42 RT 【IWJ百人百話】42.阿部さん：次に何かあったら、どうなるか。果たしてNHKは本当のことを報道するのだろうか。だから息子にはガイガーカウンターを持たせ、数値が上がったら逃げろと言っている。そういうところに人をそのまま置くなと思う。秋田には原発はない。

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連投43 RT 【IWJ百人百話】43.阿部さん：次に原発事故が起きたら、どこに逃げるか。地図を見ながら次男と話すが、あちこちに原発があり、逃げるところがない。原発はもう嫌、大嫌い。運営する能力がなさ過ぎる、この国に。ひどいもの。地元民は被ばくして死ねということ。

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連投44 RT 【IWJ百人百話】44.阿部さん：喧嘩した長男は、高校に進学し、いまは相馬で両親（祖父母）と暮らしている。自分の命や健康より友達の方がだいじだった。避難所でも秋田の人に高校を探してもらった。めざしていたのと同じような高校もあったが

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連投45 RT 【IWJ百人百話】45.阿部さん：頑としてきかなかった。命よりだいじなものはないと自分は思うが。危機感の違い。長男は、分かっているがこのくらいなら大丈夫だと。いまも電話で対立。息子は卒業するまでは相馬で学校生活を送らせてほしいと。なかなか会えない。

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連投46 RT 【IWJ百人百話】46.阿部さん：会いたい。そばにいたい。辛い。心配。自主避難者は、大袈裟だと笑われる。帰りたくても帰れない。自動車事故やたばこのリスクと較べられるが、放射性物質はずっと降っている。子どもは一秒でも早く逃がしてほしいと思うが、

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連投47 RT 【IWJ百人百話】47.阿部さん：国には届かない。秋田でも届かない。怒りがエネルギーに。交流会でやって来た福島の人も叱り飛ばしてしまう。県人会の一周年記念にやって来た福島県庁の職員が挨拶で、今後のますますのご発展を、と言ったのを聴いて怒った。

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連投48 RT 【IWJ百人百話】48.阿部さん：後から後からスピーディーの件など出てくる。酷いこと。本当に大丈夫なのだろうかと、いまだに思っている人たちがいる。黙っていて良いことではない。でも言わないと。はじめて東電の説明会でマイクを握ったときには手が震えた。

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連投49 RT 【IWJ百人百話】49.阿部さん：復興なんて、本当に嫌なことば。秋田大学の先生には、そうやって思っていることを言った方が良いと言われた。線量のことを言い、そこに居て大丈夫なのかと東電の人に問うたら、なるべく外に出ないようにと。ふざけるなと思った。