中森明夫氏の『半沢直樹』８連ツイート

中森明夫☆新著『推す力』 @a_i_jp

半沢1)やっと『半沢直樹』を観たけど猛烈に面白いね！ これは時代劇だな。遠山の金さんと同じ。最後に「倍返しだ」のタンカ切るとこなんか「この桜吹雪が見えねえか！」で。あとテロップとかナレーションが超わかりやすい。CM前に〈この後、半沢直樹の逆襲が始まる〉と出たり(続く

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半沢2)池井戸潤の原作『オレたちバブル入行組』を『半沢直樹』のドラマ名にしたのが大正解。近年のヒットドラマは『家政婦のミタ』『ガリレオ』など主人公のキャラに特化したものばかりで、二枚目俳優が怪演することで成功してる。今回の堺雅人は勝負を懸けてるすごい気迫を感じる(続く

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半沢3)『半沢直樹』が終わらせたものは「島耕作」だ。これまでビジネス物で固有名の知られるヒーローは島耕作しかいなかった。半沢直樹は永らく続いた「島耕作の時代」を終わらせた。つまり団塊の世代→バブル入社組へと劇的な世代転換が行われたのだ(続く

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半沢4)『半沢直樹』が終わらせたものはまだある。『華麗なる一族』における木村拓哉、『不毛地帯』の唐沢寿明などの芝居を決定的に古いものにした。堺雅人の怪演はそれほどに新鮮だ。キムタクのまったりとしたゼロ年代「自然体ふう」脱力演技はなんだか気の抜けたビールみたいに感じる(続く

中森明夫☆新著『推す力』 @a_i_jp

半沢5)レツゴー三匹のジュン演じる病床の老人や、ダンカンの週刊誌記者がとてもいい感じだった。お笑い系の脇役が生き生きとした芝居をしてるドラマはどんどんよくなる。寿司屋の玉子焼きと同じバロメーターだ。役者が積極的に芝居を競い合う場の雰囲気が用意されてるのがわかる(続く

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半沢6)バブル入社組は上司の団塊の世代からは「軟弱な新人類」と罵られ、部下のデフレ世代からは「これだからバブル世代のおっさんは」とバカにされてきた。けれどバブルもその後のデフレも知っている『半沢直樹』世代が、今こそ俺たちが奮起する時だ！ と目を覚ます(続く

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半沢7)日曜日の夜、風呂上がりに一杯つけて「あ〜明日からまた会社かあ」とため息をつくビジネスマンが『半沢直樹』を観てスカッとする。奮起する。月曜日の朝の満員電車に耐え、もちろん半沢直樹のように上司にたてつくことはできないが、心の中で「倍返し」をする(続く

中森明夫☆新著『推す力』 @a_i_jp

半沢8)『半沢直樹』は2013年を代表するドラマになるだろう。それにしても主演の堺雅人は実生活の妻が菅野美穂で、ドラマ上の妻が上戸彩とは！ うらやましすぎる!? 日本一幸福な男だ。半沢直樹…いや、堺雅人よ、その幸福を…あなたの芝居で「倍返し」してもらおう!!（終わり