ネオサイタマ・シティ・コップス #2
「今の脅迫で懲役が25年増えたぞ」女デッカーが威圧的に吐き捨てる。「黙れ!システム上、俺たちはまだ善良なネオサイタマ市民だ!」「アイエエエ!助けて!助けてください!死にたくない!」ビーチウィンドが膝をついてブザマに泣く。迫真の演技。頭にはエンドーの銃口が突きつけられている。 24
2013-08-05 01:30:53「ハイ、ハイハイ……分かってますよ」女デッカーは実際面倒臭そうに舌打ちした。「聞こえてんのか!銃を捨て……」エンドーが怒鳴る。次の瞬間。BLAM!女デッカーの銃が火を吹く!「アバーッ!」銃弾はスモトリの腕を貫通し、後ろのエンドーの股間も貫通!「アバーッ!」白目を剥いて即死! 25
2013-08-05 01:41:02「アイエエエエエエ!アイエーエエエエエ!」腕から血を流して転がるビーチウィンド。「応急手当てしとけ」「ハイヨロコンデー!」即応するマッポ。他の犯罪者らも射殺または捕獲されている。「スミマセン、降参します」膝をついて両手を頭の後ろに回すエビタ。声は震え、ブザマに失禁している。 26
2013-08-05 01:49:27「ハッキングしないと殺すって脅されたんです」「ザッケンナコラーッ!」デッドエンドが顔面に蹴りを入れる!「アバーッ!」蹴り飛ばされショットガンの横に転がるエビタ!「アイエッ!」思わず手が触れる!「抵抗姿勢だ!」デッドエンドが言うとマッポたちが即応!BLAMBLAMBLAM! 27
2013-08-05 01:55:39「アババババーッ!」両手を上げスウィングしながら死ぬエビタ!非道!だがこれも49課の現場ではチャメシ・インシデントなのだ!「これは凄いぞ!」突然、廊下から三人組が駆け込んできた!バズーカ砲めいたものを構えている!「犯罪者!?」反射的にナカジマは後方を振り返り、トリガを引く! 28
2013-08-05 02:02:06BLAMN!「アバーッ!」1人即死!「待て、そいつらは……!」デッドエンドは眉根を寄せ舌打ちする。「アイエエエエエエ!」「人殺し49課!」ナムサン!それは興奮のあまり思わず闖入してしまったドクセン・プレス社の薄汚いジャーナリスト三人組!バズーカではなく大型カメラだったのだ! 29
2013-08-05 02:07:49「み……民間人…?そ、そんな……何でこんな所まで」思わずマッポガンを取り落とすナカジマ。「あのマッポが撃ったのです!」「我々は降伏したはずの犯罪者が処刑される光景も撮りました!」残る二人のジャーナリストは、死体に変わった仲間、ナカジマ、スモトリなどを映しつつレポートを続行! 30
2013-08-05 02:12:09BBLAMN!銃弾がジャーナリスト2人の頭部を破壊!「「アバーッ!」」タタミに取り落とされるカメラ!デッドエンドは歩み寄り、マイクに向かって叫んだ!「こいつは大変だ!生き残っていた犯罪者が発砲したぞ!ここはまるで戦場だぜ!」そしてカメラを踏み壊す!「イヤーッ!」KBAM! 31
2013-08-05 02:20:42「オイ、撤収するぞ!」「「「ハイヨロコンデー!」」」49課のマッポたちは荒み切った瞳で敬礼する。尋問のために連行されたのは、犯罪者1名、そして「何かクサい気がする」ビーチウィンド。人質スモトリたちはドヒョウに残され、唖然としていた。他の犯罪者は連行が面倒なので全て殺された。 32
2013-08-05 02:26:36「行くぞルーキー」「アッハイ」デッドエンドはへたり込んでいたナカジマの尻を蹴り上げる。「ボール持ってるじゃねえか、ナイスショット倍点だ」「ハイ」彼はまだ耳がキンキンしていた。ハイスクールの時に行ったライブハウスを思い出した。緊張で凄まじい吐き気が襲ってきたが、何とか堪えた。 33
2013-08-05 02:33:30「ヤメロー!ヤメロー!病院で治療させてくれ!そういう権利があるはずだ!」「黙って乗りなさい!」「我々は何をするか分からんぞ!」マッポビークルの後部乗員スペースに押し込まれるスモトリと犯罪者1人。実際、定員ギリギリなのだ。ガゴゴゴゴ……装甲車輪が唸りを上げビークルは発進した。 34
2013-08-05 02:39:03耳鳴りがし、デンチ・ストリート住民の歓声や罵声はよく聞こえない。ナカジマは助手席に。デッドエンドが隣の運転席に乗り込んだ。「ハイ、ハイハイ……あの状況じゃあ他にやりようが無かったんですよ。本当ですよ…ハイ、ハイ…」デッドエンドはサイバーサングラスでIRC通信を続けていた。 35
2013-08-05 02:43:07「……ハイ、ハイ……そうですねえ……」デッドエンドはアンコガムを口の中に放り込み、不機嫌そうにくちゃくちゃと噛んでから、サイバーサングラスの電源に手を当てた。「……スミマセン、ちょっと磁気嵐が近いみたいなんですよ、ハイ、ハイ……ハイ、本当ですよ……」そして電源を切る。 36
2013-08-05 02:48:45「ファック!うるせえ爺さんだよ!」デッドエンドはサイバーサングラスをダッシュボードに放り捨て、冷蔵庫からまたビールを取った。「ルーキー!昔の49課は良かったぜ。もっと伸び伸び仕事ができたんだ。オイ、元気が無えな」「……デッドエンド=サンは、何故、デッカーになったんですか?」 37
2013-08-05 02:54:38「ハアッ?決まってんだろうが、犯罪者を追いつめて狩り殺すのが大好きなんだよ!オイ、今にもセプクしそうなツラしてんな!ルーキー病だ!ビールでも飲むか?特別だぞ」「いえ、今ちょっとそんな気分じゃ……あの、もう一個、質問いいですか?」「何だ」「さっきの戦い、まるで、ニンジャ……」 38
2013-08-05 03:00:56「アァ?そりゃあな」ズズズズザリザリ……ビークル内のマッポ無線が突然鳴り始めた。「デッドエンド=サン、見え透いた嘘はやめろ」老人の声がノイズ混じりで届く。「ハイ、ハイ、何ですかね」「上官に対してその態度は何だ。血の海はやめろとあれほど言ったろう」「あいつらは犯罪者だぜ!?」 39
2013-08-05 03:06:50「49課の置かれている立場を理解しているか? NSPD本体が暗黒マネーにより民営化の危機に曝されている今、49課こそがネオサイタマの法を守る最後の砦…」「……ハイ、ハイ、分かりましたよ、ノボセ=サン……そういう面倒なのは、苦手なんですよ…」「ハイは一回だ」「ハイ……ハイ」 40
2013-08-05 03:13:38ナカジマは驚きのあまり声も出ない。NSPDが民営化の危機?そんな話は聞いた事がない。それにこの通信相手はもしや、とうに隠居し退職したはずの伝説的デッカー、ノボセ・ゲンソンその人ではあるまいか?「わざわざ説教のために通信ですか」デッドエンドが問う。「N案件だ」ノボセが答える。 41
2013-08-05 03:18:22「ファック!さっさと言ってくれよ!」デッドエンドがダッシュボードを殴る。「磁気嵐のせいだろう。では、用心のため通信を切る、急行せよ。タフガイ=サンも磁気嵐とやらでIRC遮断だ。そちらからIRCが通るなら伝えておけ」ノボセは通信を切った。「あの……N案件って」ナカジマが問う。 42
2013-08-05 03:24:10「アァッ?うるせえな、ちょっと黙ってろ」デッドエンドはマッポビークルを自動操縦モードに切り替え、おもむろに上着を脱ぎ始めた!「アイエッ!?」ナムアミダブツ!果たして何を!?ハイウェイの分離帯ライトに微かに照らされたその胸は、タイトなスポーティブラに包まれ豊満であった! 43
2013-08-05 03:30:50「ちょっと向こう向いてろ、すぐ終わるから」デッドエンドは頭を下げて、助手席側のダッシュボード下をまさぐり始める!ゴウランガ!「アイエエエエ!?」困惑するナカジマ!一体何を!?スモーク窓ガラスに微かに反射するデッドエンドは、ぼろぼろのジーンズすらも脱いであられもない姿に! 44
2013-08-05 03:38:19しかしこのまま見ていたら後で殴られるのでは……!ナカジマは歯を食いしばって目を閉じた。……数秒後。「何やってんだ、もういいぞ」デッドエンドが素っ気なく言う。ナカジマが恐る恐る目を開け、運転席を見ると……おお、そこには赤腕章付きのマッポニンジャ装束を纏ったデッドエンドの姿が! 45
2013-08-05 03:41:56「…そんな、まさか……ニンジャ!ニンジャが実在するなんて…!」「ルーキー、一日目からN案件とはツイてるな!」彼女の目はサイバーサングラスで再び覆い隠され、トマトのように赤い口元だけが見える。「今日生き残ったら、うちでファックしていっていいぞ!」「ハイ!」「うちの犬とな!」 46
2013-08-05 03:47:58ナカジマは返事もできないほど混乱していた。N案件とは即ち……ニンジャなのでは……?その夜、彼は、恐るべき暗黒世界の真実を知ることとなる。荒み切った目のマッポたちと女デッカーを乗せて、49課のマッポビークルはしめやかに夜のネオサイタマを渡り、事件現場へと急行するのだった……! 47
2013-08-05 03:55:35