原口元総務相夫人の葬式と、山本太郎議員のバッシング報道についての松田光世氏の連ツイ

松田光世 @matsudadoraemon

ようやくひと段落したので、今週関わった二つの出来事について、まとめてツイートしておこう。原口元総務相夫人の葬式と、山本太郎参院議員のバッシング報道についてである。

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原口元総務相の直子夫人が虎ノ門病院の集中治療室で脳内出血による脳梗塞のために亡くなったのは、５日午後２時すぎのこと。原口氏の希望で死因を正確には書かなかったために、ネットでは自殺説まで流れる事態になってしまった。

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自殺説の出元を辿ると、どうも民主党本部の職員らしいということが判明。総務局に善処を求めた。

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故原口直子夫人は、参院選最中の７月１１日午後３時すぎ、気分が悪いと赤坂宿舎の管理課に電話した。宿舎に常駐している看護師が部屋に行き、遊説先の福岡から電話で夫人と話した原口氏は「すぐに救急車を呼ぶように」と看護師に要請した。

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しかし、救急車の到着が遅れ、さらに最初の搬送先だった三田の済生会中央病院では、二人の脳外科の執刀医が手術中で、虎の門病院にたらい回しされるという不幸も重なり、手術開始までに３時間近くかかってしまった。

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一般に、脳内出血の場合は、３０分以内に手術を開始できたかどうかが生死を分けると言われている。菅元首相の伸子夫人が銀座でくも膜下出血で倒れた時は、すぐに救急車で虎の門病院に運び、２５分後に手術したために、今も元気に回復している。

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故原口直子夫人の場合は、救急車での病院たらい回しの間に２時間を空費したことが大きく、自立呼吸も回復せず、手術後の医師の判定は、「脳死状態」という厳しいものだった。

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選挙戦からの離脱を余儀なくされた原口氏と家族は、そんな中でも交代で２４時間集中治療室で意識が戻らない直子夫人の看護を続けながら、奇跡を願い続けていた。

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選挙戦への悪影響を恐れて、かん口令が敷かれたために、いらぬ憶測を呼んだのかもしれない。しかし、事実は、事実としてきちんと伝えなければならない。今はただ、故直子夫人のご冥福を祈るばかりだ。

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もう一つは、山本太郎参院議員の離婚とレイプ？疑惑報道について。？をつけたのは、報道した週刊新潮自身が、見出しを当初の「レイプ」から「乱暴」に変更して、報道したからだ。そこに、私は関わった。

松田光世 @matsudadoraemon

私のところに、山本太郎の怪文書が出ている、ネタ元は首相官邸らしい、という情報が入ってきたのは、先週の水曜日の夜だった。翌日、山本太郎事務所を訪ねてみたが、まだようやく会館への引っ越しが終わったばかりで、秘書も決まっていない状態と言うことだった。

松田光世 @matsudadoraemon

臨時国会の開会日に再度、山本太郎事務所へ。今度は、政策秘書の履歴書を届けに。本人は不在。夜、友人から「週刊新潮から取材があったらしい」という情報が入った。

松田光世 @matsudadoraemon

「まともな受け答えができていない」「メディア対応のできる人間を置かないと、太郎があっという間につぶされる」と心配する友人に、山本太郎議員との面会の仲介を頼んだ。

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私が、山本議員と都内のホテルで会ったのは、週刊新潮の校了日にあたる５日午後４時すぎ。夏休みの合併号のため、通常よりも１日、編集の進行が早かった。

松田光世 @matsudadoraemon

山本議員から取材への対応と言い分を聞き、事務所に送られてきたプロット段階の原稿も見せてもらった。「レイプ」という言葉が繰り返し登場するおどろどろしい原稿だった。

松田光世 @matsudadoraemon

「この名前は、思い当たらないんですね？」「はい。顔もまったく浮かびません」と太郎議員。「実名か、仮名かも新潮側は言ってきてないですか？」「実名顔出しでもいいと本人が言っているとは言ってました」「変ですねえ。普通は仮名なら（仮名）と書くんだけど」

松田光世 @matsudadoraemon

「本当に実名顔出しで、証言女性の語り口調で原稿を書かれた場合は、単に事実無根とコメントするだけでは弱い。もっときちんとコメントしないと、いいように印象操作されますよ」と私は、アドバイスし、その場で太郎議員自身にコメントを書いてもらった。

松田光世 @matsudadoraemon

そのコメントが、「私の人生で女性に暴力をふるったり乱暴したことは一度もありません」というものだった。

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私は、その場から旧知の週刊新潮副編集長の宮本太一氏に電話した。宮本氏は、月刊新潮４５の編集長時代に、未解決の連続殺人事件を死刑囚が上申書で告発する手記を発表し、連続殺人事件の真犯人逮捕に至らしめた記者としても編集者としても優秀な当代屈指のジャーナリストだ。

松田光世 @matsudadoraemon

宮本氏は、その連続殺人事件について「凶悪」というタイトルの本を新潮社から出版し、９月には映画『凶悪』も封切りになる。週刊新潮の次期編集長の呼び声の高い人物だ。私にも、何度も新潮４５で書かないかとお誘いをいただいていた。

松田光世 @matsudadoraemon

私が「山本太郎議員がきちんとコメントしたいと言っているので、宮本さんが直接インタビューしてもらえないか」とお願いすると、宮本氏は即座にＯＫしてくれた。現場の記者任せにしないところは、ジャーナリスト魂を持った編集者の鏡である。

松田光世 @matsudadoraemon

私は、携帯電話を太郎議員に渡し、宮本氏のインタビューを横で聞いた。相変わらず、ねちっこい取材ぶりである。最後に、「太郎議員が今言ったコメントはそのまま載せてくださいね」と念押しすると、「当然、当然」と宮本氏。そこからのことは、宮本氏を信頼してお任せする。

松田光世 @matsudadoraemon

校了時間まで通常ならあと１時間ぐらい。できることは限られる。コメントを入れ、見出しを変えるぐらいか。そこまでできれば、上出来ですよ、と太郎議員に話す。本当にぎりぎりのところだった。

松田光世 @matsudadoraemon

実際に、週刊新潮の原稿を読んだ方は、もうおわかりだと思う。原稿は、実名でも顔出しでもなく、見出しは変えられ、本文中からも「レイプ」の文字は消えていた。宮本副編集長自身が、直接、太郎議員を現場の記者より長い時間取材し、これでは訴訟に耐えないという心証を得たからの変更だった。

松田光世 @matsudadoraemon

通常、親告犯のレイプ事件の場合は、実名顔出しＯＫの場合は、とっくに刑事事件化しているはずである。それが１７年前のことで、実名顔出しもしない、相手方は全否定というのでは、普通の雑誌は原稿にしない。５ページも割いたのは、よほどの事情があったのだと拝察する。