毎月14日はツイノベの日! 今回のお題は「猫」ですにゃ。ご近所さんでも、化け猫でも、箱の中の猫でも、通信エラー猫でも、魔女の隣にいる猫でも、家族でも、猫耳でも、猫科でも、とかく気まぐれなお題は猫である。物語はまだない。【毎月14日はツイノベの日! お題「猫」 #twnvday 】
2013-08-13 00:06:54半年前まで野良だった癖に、こんなにリラックスしている。お前、野生をどこにやった、と腹の肉を掴む。不満そうな声をあげるけれどそれっきりだ。まったく。 #twnvday #twnovel http://t.co/IgLhoWKaYc
2013-08-13 22:38:18#twnvday #twnovel ぺたりと座り込む背中。また冷蔵庫、半開きでやんの。しっぽでドアを閉めると、彼女が振り向いた。ああ、またひどい顔。もうなくなや?なぁ。なぁ。彼女は僕をそっと抱きあげる。涙が自慢の毛並みの上を転がっても、今だけはじっとしといてやるから。
2013-08-13 23:46:22「可愛い!」女が私に触れようとする。すっと身を交わし彼の傍に歩み寄った。「ごめん、この子、気難しくて…」どんな女が来ようとも、すぐにまた追い出してやる。ヒトの女達が夜毎上げるその声も私の甘い鳴き声には敵わない。彼とヒトの女の抱擁を横目に私は今日も爪を研ぎ澄ます。 #twnvday
2013-08-14 00:06:50確定した我空間で従属者の存在を許可する。ともすれば予定調和を求められる場合もあるが、主従関係に従えと無視する。しかし、予定外の行動があり得ないから存在を許しているとも言える。矛盾した理由に疑問を感じる程のものでもないだろう。私は私なのだ。で、腹が減ったのにゃあ。 #twnvday
2013-08-14 00:11:21日がな一日寝てばかりのキミを、ボクはいつも羨ましく見ているんだ。自由気ままに生きているって感じがするよ。ボクも今からでもキミの様に自由に生きられるかな?いや、やっぱり止めておくよ。ボクはボクだし、大好きなご主人様との毎日の散歩も、これはこれでとても幸せだからね。 #twnvday
2013-08-14 00:42:56指折り数えて、途中で止まる。ええと、今、何回目だっけ? 四回目……くらい? 何か縁起悪いにゃ。ご主人様より先に死んじゃったから、早くあの人のところへ戻りたいのに、どうにも違う場所で生まれ変わってしまう。九つの命を使い切らないうちに、戻らなきゃ。 #twnvday #twnovel
2013-08-14 01:48:44#twnvday たまが朝から外に出せとうるさい。「やめておけ。猛暑だぞ。酷暑だぞ。死ぬぞ」「大丈夫にゃ。たまはタフだにゃ。平気にゃー」渋々扉を開けるとたまは、勢い良く飛び出し、アスファルトを前足で踏んだ次の瞬間にはもう方向転換をして戻ってきた。「地獄にゃー」 #たまと俺
2013-08-14 04:02:06恐ろしいほどに、生活は一変した。 #twnvday 宝くじの大当たりに始まり、そのお金で助けた親の店は大成功。だからって疎まれることもなく強請られることもなく、人とお金の巡りがよくなっている。夕暮れの後に吹き抜ける風が、心なしか涼しい。つまりあいつは小判の価値を知ってたんだ。
2013-08-14 06:13:18姿はない。声だけがする。時折、柔らかい毛のはえた尻尾がぼくの脛を掠める。飛び上がったり走り回ったり何かをひっくり返したりもする。零れたインクを拭きながら、ぼくは仕方ないと諦めている。胡座をかいていると膝の上に乗る。横臥すると擦りついてくる。相変わらず姿だけない。 #twnvday
2013-08-14 06:51:14「はーい、悪いことする子はしまっちゃうからねー」米袋かじり罪の現行犯逮捕でケースに収監。えらい暴れる。おとなしくしとれ、とほったらかしたらしまいに鳴き出した。「にゃー」「にゃー」「出せー」待て。 #twnovel #twnvday http://t.co/sU3ejCZKR5
2013-08-14 07:25:37見かける度、すてきだと思っていたのです。青い三日月のまなざしが突き刺さると、どきどきします。鈴の音みたいな声はすずしげ。けれど、ボクにはわからない。だから教えてもらいに集会へ行きました。引っかかれました。仕方ないので物マネから。「にゃあ」「どうしたの!? ポチ!」#twnvday
2013-08-14 07:53:49見かける度、うざったいと思ってた。暑苦しい毛の間から見えるつぶらな瞳はアタシを凝視していて。だから、会えば言ってやった。「アンタなんか嫌い!」どうせ通じてないもの。ある日ソイツは純真な目のまま片言で言った。「あんたなんかきらい!」そしたら胸がずきずきした。変なの。#twnvday
2013-08-14 07:54:22アパートの管理人さんは、私の引っ越し荷物を見て、顔をしかめた。「これ、楽器のケースだよね。困るなあ、うちは楽器禁止だよ」管理人さんがぽんぽんとケースを叩くと、にゃあという声が中から聞こえた。「ねえ、これ何が入ってるの」「楽器ですにゃ」と私は慌てて答えた。 #twnvday
2013-08-14 09:07:13#twnvday 半年おきの7匹と5匹、母を初め鯖虎白ばかり。他には鉢割と黒白の2匹恐らくは伯母と曽祖母がいつも道路側に居た。子に鰹節をやろうと近づくと年長3匹に睨まれたりパンチを喰らったものだ。今日、曽祖母にとりわけ懐いていた子を遠くの公園で見た。虹の橋まで見送ったのだと思う。
2013-08-14 09:43:08たまにしかうちに来ないけど、来たら必ず膝に座らせてくれる。ぼくはそこで丸くなるのが好きだ。大きな手で背中をなでてくれてでもむやみに話しかけてきたりはしない。そうこうしてると眠くなってくるんだ。できたら毎日うちにいてほしいにゃあ。ぼくのお嫁さんにならないかにゃあ。 #twnvday
2013-08-14 12:55:19ソファで寝てる彼に擦り寄る。ねぇねぇここで寝ちゃうの?早く一緒にベッド行こうょ。んー、と唸り寝呆けた彼が私の体を抱き寄せ…あっやだお酒臭い!思わず爪を出す。やっと目が覚めたらしく浴室へ向かう彼。 ふん、シャワー浴びたってもうおあずけよ。私は本棚の上でそっぽを向く。#twnvday
2013-08-14 13:45:05「にゃー」息子がまた新しい遊びを思いついたらしい。ズボンのおしりのところにセロハンテープで紐をくっつけ、にゃーにゃーとうろうろしている。子守唄を歌いながら、魚のおもちゃのまわりをぐるぐる。夕飯は何がいいかと聞いたらコロッケと答えた。ははあ、あの絵本の影響か。 #twnvday
2013-08-14 14:34:39私は嵐の日に拾われてきた。ご主人様はそんな私にとても優しくしてくれ、可愛がってくれた。あの男が来るまでは。「俺、嫌いなんだよね」そうなの。でもね、私もあなたが嫌い。#twnvday 窓から爪先立ちで下を覗く男。ここは五階。ご主人様は留守。その足に絡みついたら、どうなるかしらねえ。
2013-08-14 14:58:10#twnovel #twnvday カナカナとひぐらしの鳴き出す時分。縁側に面した座敷に行くと、案の定、あいつは丸くなって眠っている。日中は日陰にいるけど、この時間帯は西日が奥まで差し込んで、暑そうだ。汗の浮いたひたいを撫でて、揺り起こす。「おら、寝子。そろそろ起きぃや」
2013-08-14 15:53:08#twnovel 「さっきまでご飯ご飯って騒いでたのにどうしたの?窓が気になる?」「にゃー」「何?遊ぶの?」「にゃにゃっ」 #twnvday 「にゃにゃ!にゃー!(じーちゃまとばーちゃま来てるよ!お茶出して!)」「お腹すいたんでしょ、ご飯用意するね」「うにゃーっ!(ちがーう!)」
2013-08-14 16:06:59僕は貴方が大好き。優しいなでなでに、美味しいご飯。本当に貴方が大好きだった。でも貴方の一番は僕じゃなかったのだと、公園で段ボールの中に取り残されて初めて悟った。でもたくさんの思い出をありがとう。貴方の前で死ぬのは避けたかったから。ばいばいにゃ。 #twnovel #twnvday
2013-08-14 16:10:29縁側の丸い後ろ姿にひやりとしたものを憶える。死者と巡り合わせてはいけないと言ったのは祖母だったか。息を殺し目を逸らし、盆棚に蓮の葉を広げれば、はたり、いたずらに畳を叩く斑の尾。弱虫坊は変わらんな。嘲笑混じりの声に振り向けど時遅く。彼が居着いてから二十余年である。 #twnvday
2013-08-14 17:31:05背中に柔らかいものの衝撃を受けて、一瞬にして幼少期の悪夢が駆け巡る。寸手で悲鳴を堪え、膝から折れて畳の上に倒れ込む。「なんじゃ、ほんに何も変わらんのう」お前も相変わらずだ。僕はこんなに苦手なのに、何が面白いのか。爪を引っ込めた前足が交互に僕の肩を揉んでいる。 #twnvday
2013-08-14 17:41:44