しなやかな背を丸め、次のジャンプの準備はOK。お目々はまんまる、勇気凛々。あのくねくねする長い紐、君にプレゼントしてあげる。いつも僕を撫でてくれる、あの優しい手の持ち主に、僕から精一杯の感謝を。「シロ、何持って帰って来たの?いやーっ!ヘビ?近づかないでえぇぇ!」 #twnvday
2013-08-14 17:43:31#twnvday あったかい。冷たくなった足元に、ハナがいた。普段は家族にも近寄らず触らせてくれない子が、私と目を合わせないようお尻を向けて、布団の上で丸くなっている。私が咳をしても、そこがずっと寝床だったと言わんばかりに動かない。あったかくて、今度はぐっすり眠れそう。
2013-08-14 18:31:56「まなみ、大事な話がある。ミイもおいで」父が呼んだ。ミイは私の膝で喉を鳴らしている。5時間後、突然の炎に私は目を覚ました。急いで窓から外に出る。父から聞いた通りだ。もう父とミイは手遅れだろう。私は預かったチップを首輪に隠し、ミイに貰った体でしなやかに闇に紛れた。 #twnvday
2013-08-14 20:23:27#twnvday アイドルが語尾ににゃあとかつけたり、衣装で耳だのしっぽだのつけてんの、大っ嫌い!と仁王立ちで言い切るお母さん。あの人、お父さんの前でだけゴロゴロ言うんだけど親戚一同の間では公然の秘密になっている。同族嫌悪なのかしらねぇ。
2013-08-14 21:08:05#twnvday 一人きりの家で眠るのももう慣れた。だけど、夜中に目覚めた時に誰もいないのは取り残されたみたいでちょっとだけ怖くなる。と。「みぃ」小さな声。そうだね、おまえがいたね。手を伸ばすと擦りよってくるので抱き上げてやる。温かい感触にやっと安心して僕らは再び眠った。
2013-08-14 21:25:47「グリマルキン」とは、どうやらフローズンカクテルの名前らしかった。魔女みたいに皺くちゃの女バーテンダーが、カウンターに両手をつきながら「さぁ、どうだ」という顔をした。 塩漬けのマタタビが添えられた青灰色のシャーベットから、ほんのりジンに似た香りが漂っている。#twnvday
2013-08-14 22:28:28魔王『母ちゃん』の攻撃呪文!「ゲームばっかりして、宿題は!」「後で〜」ひらりとかわした!「こうなったら、モモ!」「にゃー」魔王は使い魔を召喚した!「うわモモ、どけ!そこはリセットボタン…!」「にゃあ?」使い魔は上目遣いでじっとこちらを見ている! #twnvday #twnovel
2013-08-14 22:41:28#twnvday いつも寝ている。見つめられている気がして振り向くと、やっぱり寝ている。僕が寝るとどこかに行ってしまう。どんな色の瞳をしているのだろう。そのうちそんなことを考えることさえ忘れてしまって、いないことにも気付かなくて。わけのわからない喪失感が彼女だと知った。
2013-08-14 22:46:20突然やって来たカイジュウは僕の尻尾は食べるし、ギューって皮伸ばすし。本当に迷惑なんだ。ご飯だって落ち着いて食べられやしない。でもさ、こいつすげー楽しそうにハイハイってやつで僕の所に来るんだよ。だから、仕方がないから今日も我慢してやろう。どうだよ、ママ、大人だろ?#twnvday
2013-08-14 23:16:51#twnovel #twnvday 水晶ドクロ、というものを知っているかね。三百年もかけて大勢の職人が磨き続けて作り、オーパーツと呼ばれるようになった逸品さ。継続は力なり、時と努力が産んだ芸術さ。さぁ、これで分かったろう? 水晶は用意したから、早くまたたびと鰹節を買ってくるんだ。
2013-08-14 23:18:49来る日も来る日も窓口で眠っているだけが私の仕事だそうだ。ときどき偉そうな帽子をあてがわれ、カメラの前に出される。流れ流れてここに居着いただけなのに、気がつけば誰よりも必要とされていた。私目当ての客人も、仲間も増えた。「たま駅長、取材ですよ」やれやれ、行きますか。 #twnvday
2013-08-14 23:20:35#twnvday あなたが背中を丸めて歩くのは、きっと高身長ゆえの癖なのだろう。その、どこか突き放すような背中をいつも視界に置こうとしていた俺は、いつからかあまり目では追わなくなった。自分の背中越しに感じる丸めた背中が、居場所はここだと教えてくれる。今はそれだけで充分なのだ。
2013-08-14 23:23:33海に潜り空を飛び、山あり谷あり野を越えて、ついに探検隊は黄金の魚を手に入れた。水槽へ入れて、大事に大事に自分の国へと持ち帰る。出迎える群衆。国王自ら探検隊の労をねぎらう。水槽をうやうやしく掲げた刹那、水槽は空となった。国王はもぐもぐしたあと口を開いた。「にゃー」 #twnvday
2013-08-14 23:52:17#twnvday 気まぐれって言われるけど私は単に自分に正直なだけ。いつも心地よい環境でありたいの。だから距離感は必要…ふにゃあ。「あーもう、聞いてよ、聞いて」力強く抱きしめてくるのは私のご主人。また失恋。オトコに夢中になってつい自分を保てなるなんて愚かなんだから…ニャー
2013-08-15 00:00:05「今から24時間はニャーと言いなさい」「ニャー…」「私に借りたノートを失くしたのは貴方ですね?」「ニャー」「貴方は私のことが好きですね?」「ニ…⁈」「沈黙は肯定とします。首を横に振っても沈黙は沈黙ですよ?」「!!」「…貴方は私のことが好きですね?」「…ニャー」 #twnvday
2013-08-15 00:15:01#twnvday さあおいで。ミルクに魚にネズミのおもちゃ。お気に入りのクッションだって用意してあげる。さあおいで。 そして私の毛皮になっておくれ。
2013-08-15 01:26:36君に昨日、恋をした。髪を靡かせて、いつもより目を潤ませて、顔を洗って、準備を整え、君に逢いに行く。好きよ、なんて言わない。ただ、前をゆっくりと歩いてやるのだ。すると君は訊いてくるだろう。 私は一言答えてやればいい。 #twnvday 「お前、うちの子になる?」「にゃあ」
2013-08-15 02:06:35君に昨日、恋をした。部屋を掃除して、美味しいと評判のおかずを買って、準備を整え、君に逢いに行く。好きだ、と言う必要はない。ただ、ゆっくりと眺めてやればいい。そして僕は訊いてみるんだ。 君の答えを求めて。 #twnvday 「お前、うちの子になる?」「にゃあ」
2013-08-15 02:06:39職場でいじめられて涙目の帰り道、彼はいつもの場所で、かまって欲しそうに私を待っていた。「ごめん、今日は無理」素通りしようとすると、じいっと見つめる瞳。胸がギュッと苦しくなって、泣きじゃくりながら抱きしめる。柔らかい毛が頬を撫で、彼が「ニャン」と言った。 #twnvday
2013-08-15 07:22:09#twnvday シュレディンガーは観測されるまでわからないと言ったじゃない。私もあなたに呼ばれるまで生きても死んでもいなかったんだよ。呼んでくれてありがとう。Happy Birthday...
2013-08-15 09:25:59鈍い光。僕らはゴクリ、ツバを飲み込んだ。争いが起こることはわかっていた。牽制しあう僕ら。これが嵐の前の静けさってヤツだ。アレは僕のもの。誰かが動いた。今だ。キラリ、光るそのきときとのサバに齧りつくのにゃ。#twnvday サーバーがダウンしました。にゃ。#twKANnovel
2013-08-15 17:16:41ニャーと一鳴きするとたくさんの人が訪ねてきて美味しい物をいっぱもらえるの。でも足りない。だから今日もニャー、何度も鳴いて人を呼ぶ。声が枯れるほど鳴いた頃、身体を抱き上げられた。「見つけた!探したのよ!」遅い、ようやく来た待ち人にゴロンニャー。 #twnvday #twnovel
2013-08-15 21:23:38