映画「風立ちぬ」vs禁煙学会に関して
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タバコフリー社会が実現すれば、映画等のフィクション作品で喫煙シーンを規制する必要はなくなる。タバコフリー社会ならば、過去の一時代を描くものとして喫煙シーンを描いても、「誰もタバコに手を出そうとは考えない」から。表現の自由を謳うならば、タバコフリー社会の実現のために尽力するべき。
2013-08-14 19:11:35![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
仮に、日本刀での殺傷事件が365日毎日といっていいほど連続すれば、おそらくフィクション作品であっても日本刀での殺傷シーンは自粛される。 今の日本は、タバコでそのような状態。しかし自粛されない。 厳しいタバコ規制が世の中にあってこそ、フィクション作品での喫煙シーンは許される。
2013-08-14 19:15:30![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
表現の自由は確かに尊重されるべきである。私だって作品に表現規制がされるのは嫌だ。 しかし今は、「表現の自由」と衝突するものであっても、喫煙シーンの規制・自粛が必要なほどに、タバコ問題が深刻な物として現在あるということだ。そしてその深刻性が認知されていないということもまた深刻だ。
2013-08-14 19:39:25![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
禁煙学会にも落ち度がある。会は、「なぜ表現の自由を侵してまでも喫煙シーンが規制・自粛されなければならないか」ということを丁寧に説明する必要がある。そして喫煙シーンが許容される世の中とはどのようなものか、ということを提示せねばならない。それこそがタバコフリー社会であるということを。
2013-08-14 19:44:37![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
禁煙学会の「無煙映画を探せ」は有意義な面もある。しかし、喫煙シーンに関係ない点にまで評価を踏み込むのは問題といわざるをえない。喫煙シーンが一切なくても、アウトローな世界を描いた作品は不当な評価がなされていることがある。無難・道徳的なものを高評価する。これは会の改善されるべき点だ。
2013-08-14 19:50:49![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
たとえば映画の『カイジ』では、原作漫画でタバコをがんがん吸う登場人物が、一切喫煙しない。しかし「無煙映画~」では、「貧しい人が死んで行くのを笑ってみる人種が描かれ後味の悪い作品」など評価されている。 問題にすべきは喫煙シーンの有無だけであり、それ以外の点に突っ込むべきでない。
2013-08-14 19:55:40![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
百歩譲って、宮崎駿が、社内禁煙を徹底し、(反原発のように)タバコの有害性を訴える活動をしていれば、今回の件ではさほど叩かれなかったろう。 しかし氏は社員に受動喫煙させ放題だ。 「過去の時代の再現」を口実に「喫煙を素晴らしいものとして描いてやろう」とした、と解釈されて当然だ。
2013-08-14 20:06:04![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
フィクション作品の喫煙シーン問題についての提言に関しては、禁煙学会側にも誤解されないよう改善するべき点がある。しかしそれ以上に、タバコ問題が深刻なものとして世の中の人々を苦しめているということが認識されなければならない。
2013-08-14 20:10:44![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
なお宮崎駿がタバコ礼賛の重度のニコチン依存症者であり、他人に受動喫煙させ放題のド外道であるからといって、彼の作品まで嫌いになる必要はない。太宰治然り、人々に感銘を与える作品を残す人間が、必ずしも完璧な人格者ではないということはあるからだ。作品と作者は切り離して享受すればよい。
2013-08-14 20:16:50![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
禁煙学会としては、今の日本のタバコ汚染だらけの惨状を鑑みれば、「喫煙シーンの看過」なんて、一切想定したくないものかもしれない。 しかし会が目指すのはタバコフリー社会の実現だ。 だからこそ、タバコフリーになれば、喫煙シーンは他の暴力シーンなどと同等になることを提示する必要がある。
2013-08-14 20:39:10![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
想像してほしい。 タバコは千円以上になり、外装にはタバコ病患者のグロテスクな画像が付く。JTのCMは流れない。自販機・陳列販売もない。皆、タバコが死に直結するものと強く認識している。 そうなれば、映画で喫煙シーンが流れても、ほとんど誰もタバコに手を出そうとは考えないだろう。
2013-08-14 20:50:16![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
21世紀の今なお多くの人々を苦しめ続けているタバコを、喫煙者・宮崎駿が「感動物」にかこつけて礼賛する意図が見え隠れするからこそ、あの作品は批判されて当然ではあるのだが、 最も非難されるべきなのはそのような規制の必要をも感じさせるほどのタバコ会社の戦略であり、政府の無策である。
2013-08-14 20:55:30![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
銃や刀は法で厳しく規制されている。年に何回かは銃や刀による事件が起きるけれども。 でもタバコは野放し状態。ザルなルールしかない。そして「毎日のようにタバコによる暴力事件(受動喫煙含む)」が起きている。 こんな世の中で、喫煙シーン規制を暴力シーン規制と同等に語れるわけがない。
2013-08-14 21:07:33![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「人を感動させるメカニズム」を熟知している人間が、巧妙に喫煙シーンを作品に混ぜ込んでくるのは極めて悪質だ。「感動」と「喫煙」をセットにしようとしている。 どれぐらい悪質かというと、暴力団がお年玉と称して金を配ったり、JTが奨学金を出したり吸い殻拾い活動をアピールしたりするぐらい。
2013-08-15 00:01:29![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
喫煙者・非喫煙者含めて、「タバコの煙なんてちょっとぐらい我慢したらいい」と思っている人があまりにも多すぎる。 「タバコ=暴力」という認識が全然無い。 そんなことだから、喫煙シーンは平気で作中に用いられるし、それを観て喫煙を正当化したりタバコに手を出すという人が出てくる。
2013-08-15 00:05:00![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
百歩譲って厳しいタバコ規制がなされなくても、「タバコ=暴力」という合意が社会全体で強固になされれば、ほとんど誰も受動喫煙には合わないし、受動喫煙させた者は相手を殴ったのと同様に罰せられるだろう。 これはほぼタバコフリーだ。 そうなれば喫煙シーンだって暴力シーン程度の自粛で済むさ。
2013-08-15 00:13:28![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「タバコはクレームを受ける存在」というのを周知させるという点では成功しているのかもしれないが、「表現の自由」との兼ね合いの問題をスルーしている点で、禁煙学会の提言は不十分さが残るし誤解も招く。なぜ表現の自由と衝突するような喫煙シーン規制の条約があるのか、ということを説明しないと。
2013-08-15 00:28:44![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
・タバコフリー社会になればフィクション作品の喫煙シーンはOK(ほとんど誰もタバコに手を出さないし出せないから)。自粛するとしても暴力シーン程度のものでよい(タバコ=暴力だから)。 ・だから喫煙シーンの自粛・規制を望まない作り手受け手は、積極的にタバコフリー活動に取り組むべき。
2013-08-15 00:34:55![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
本来、禁煙学会が主張するべきはこの2点であった。 突っ込まれ要素のある主張をすることで論争を巻き起こすのは某市長・前府知事のやり口と同じで頂けない。 正当な主張ですら不信の念を抱かせることになる。
2013-08-15 00:38:04![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「真似しない・真似できない」っていう大前提があるからこそ、フィクション作品は表現を自由にできるんじゃないのか。 でもタバコや麻薬・覚醒剤、脱法ドラッグは違う。簡単に真似できる。 実際、映画業界ではドラッグシーンは自主規制されたりR指定されたりしている。
2013-08-15 00:52:02![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
私だって、作品の受け手の一人として、表現の自粛や自主規制はすごく嫌だ。 だから「真似したくならない・簡単に真似できないような世の中」にすればいいんだよ。 そうなれば、いちいちフィクション作品の表現に文句をつける人だって出てこないさ。
2013-08-15 00:59:53