名も無い国のはなし 【フォロワーさん創作化】

フォロワーさんを創作化するやつを、今更ながらまとめました。
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駄鳥 @da_chooo

【個人が体験する物語など、スポットライトの欠片も浴びることなんて叶わない。 その国の名前すら、誰も覚えていないのだから!】

2013-08-17 23:57:02
駄鳥 @da_chooo

【時代は中世であった。災厄や疫病の蔓延していた時代で、科学技術の進歩が今ほど進んでいなかった時代であるから、『魔女の呪い(笑)』のせいであると真しやかに囁かれていた。 今や、その街の名前が、その国の名前が語られることはない。】

2013-08-17 23:56:58
駄鳥 @da_chooo

ひとときの菓子を楽しむ、国のトップはこの時点で確かに絶対の地位であった。王族の最後のひとりが反乱を起こすのは、まだまだ先の話である。

2013-08-17 23:56:53
駄鳥 @da_chooo

ジゼル婦人の屋敷から、調度品が運び出されるのを多くの人が目撃した。時代にそぐわないその品々は、おそらく売られて政府の金になるのだろう。婦人がどのような扱いを受けるのかは分からない。

2013-08-17 23:56:43
駄鳥 @da_chooo

手枷足枷を付けられた右鬼は、果たして助けが来るのかどうか、考えていた。断頭台の番人がご機嫌に右鬼を引き摺り歩き、断頭台の守人は淡々と仕事をこなす姿勢のままだった。

2013-08-17 23:56:38
駄鳥 @da_chooo

がさりと草が揺れるのをたつらは聞いた。静かな闇を裂いた音だ。到底許されない出来事だ。そろりと音も無く俊敏に立ち上がる。隠れて見ると、穴から女性が這い出てくるのを、もうひとりの女性が手を貸して立ち上がらせるところだった。たつらは迷い無く、消音機を付けた銃器を構えた。

2013-08-17 23:56:31
駄鳥 @da_chooo

凛風月華【@rogijya】狂人 二重人格者。杏仁さんの下で働いている。どちらの人格も善人であるが、だからこそ性格の差が気味悪がられていた。その善性を杏仁に買われた。「月華たち」は自分たちを個人として受け入れてくれる杏仁に対し好意的。

2013-08-17 23:56:20
駄鳥 @da_chooo

「…貴女が、魔女狩の被害者ですね?」「……はい、貴女が、杏仁さんの遣いの…?」「凛風月華です」彼女の手を借りて抜け穴から出る。「杏仁さんが、待っています」

2013-08-17 23:56:11
駄鳥 @da_chooo

たつら【@linus_lance】権力者 凍護の生きざまに心酔する少女。凍護の知らないところで、凍護の静かなる暮らしを守っている。(物理)。グツグツのシチューになりたいとすら思っている。双眼鏡で空を見上げ、「カーズ様」を探しているがまだ見つけられてはいないようだ。

2013-08-17 23:56:00
駄鳥 @da_chooo

「……凍護さんが、静かに暮らせますように」人里離れた山奥で暮らす凍護。そんな、物語的に独立した存在である凍護を、その非現実性から慕う者も居るのだ。

2013-08-17 23:55:52
駄鳥 @da_chooo

「城の方が騒がしい。……どうか、ここまで騒ぎが来ないように、と願っておこう」他人事に呟き、くつくつとシチューを煮る。彼女にとって、街を騒がせる災厄も疫病も、魔女狩も他人事だ。人に無関心な彼女は、この物語に関わらない。ただの存在するいち市民として、そこに存在しているのだ。

2013-08-17 23:55:41
駄鳥 @da_chooo

凍護【@Miyazima_togo】狂人 極度の人間嫌い。巷で魔女と呼ばれているが、ガチ過ぎて誰も密告できない。グツグツに煮えたシチューが大好物で、これでもかと煮る。煮すぎてカリカリに蒸発したこともある。星を見て「あれがカーズ様…」と呟いていたりする。

2013-08-17 23:55:31
駄鳥 @da_chooo

「……魔女狩だの何だの、最近は世間が騒がしくて仕方がない」静かな闇夜に、呟く人影。「災厄も、疫病も、静かになっていい。日常の喧騒も、多少は落ち着くだろうに」くつくつと、シチューが煮えていた。充分に暖まっているシチューは、まだ火を止められる気配はない。

2013-08-17 23:55:21
駄鳥 @da_chooo

黒子みさと【@misato11180803】被害者 軍人志望だったが、王家が衰退し、軍が行政の管轄になり執行人の職務が宛てられた。暴走しがちなきゅりぃなストッパーを務め、いつしか断頭台の守人と呼ばれるように。家族が居り、あまり誇れる仕事でないのを苦々しく思っている。

2013-08-17 23:55:10
駄鳥 @da_chooo

きゅりぃ【@kanibarizumu893】狂人 断頭台の番人。ギロチンの開発されていない頃はただの軍人だったが、ギロチンの見せた光景に、その生首に心を奪われ転職。執行人として職務を全うし、落とされた首を愛でる。最初のギロチンの犠牲者、性犯罪者ふびーは彼女の大事な人だったらしい

2013-08-17 23:54:54
駄鳥 @da_chooo

べねが抜け道へ入ったのを確認し、その抜け道を何も無いかのように隠す。いつもの作業のあと、振り返ると城の者であるという証拠の紋章が入った軍服を来たふたりが居た。「…断頭台の番人と守人か。これはまた、厄介な」ひとりは面倒そうに、ひとりは楽しそうに、拘束具を構えた。

2013-08-17 23:54:41
駄鳥 @da_chooo

「ここに潜入するまでに、抜け道を掘らされたんだから…全く、杏仁氏は。外に杏仁氏の遣いの…ちょっとおかしいがイイ奴が居る。その人に付いて帰るんだ」「あ、ありがとうございます。…あなたは?」 べねのその質問に、右鬼は片目を瞑って、無言で応えた。

2013-08-17 23:54:28
駄鳥 @da_chooo

杏仁豆腐【@35anninn102】権力者 名だたる資本家のひとりで、慈善家としても有名。魔女狩に対し反対派であり、人権無視も甚だしいと法に触れる方法で魔女(仮)を解放している。右鬼に目をつけたのは、如何にもお人好しそうな性格を買ったとかなんとか。

2013-08-17 23:54:13
駄鳥 @da_chooo

「連れて来られるのと、今までの挙動をこっそり見させてもらっていた。貴女はどうやら善人らしい…抜け道を教えよう。…全く、杏仁氏は人遣いの荒い!」小声で不満を言いながら、そっと手を引く。べねはそれにすがるように、牢獄から這い出た。

2013-08-17 23:53:55
駄鳥 @da_chooo

右鬼浩銘【@komei18】被害者 杏仁氏への借金を返済する代わりに、その手足として働いている。道化師として城へ潜入し、城と杏仁とを繋ぐ内通者。魔女狩に合った人物を、善人に限りこっそり解放している。身体能力が高く、また変装が特に得意。

2013-08-17 23:53:44
駄鳥 @da_chooo

瞳を閉じて、祈る彼女の耳に……小さな音が届いた。それは金属が擦れる音であり、錠前が開く音であった。「貴女が、今日、連れて来られた人?」幻聴かと思った。幻聴と思いながら、バッと顔を上げると、確かにそこに、マボロシではなく人が居た。「逃げましょう」

2013-08-17 23:53:32
駄鳥 @da_chooo

城の地下、牢に投獄されたべねは祈っていた。これは何かの間違いで、自分はすぐに解放されるのだ、と自分を奮い立たせようとしていた。牢獄には啜り泣く声や狂ったようなくすくす笑いが聞こえ、それだけで、もう自分は助からないのだろうと脳の片隅で理解しつつ…けれど、祈っていた。

2013-08-17 23:53:21
駄鳥 @da_chooo

遊馬【@yuma_106】権力者 対魔女に特化した特殊警察を率いる。もともと市民団体だったが、豆腐の目に止まりそのまま政府直属の公式団体と化した。遊馬は魔女が居るか居ないかはともかく、逮捕を娯楽に感じている。その分、能力が高いのでより厄介であると言える。

2013-08-17 23:53:06
駄鳥 @da_chooo

その人の群れを携えた人物は、政府の紋章の入った紙をぴらぴらと遊ばせながら言う。「ジゼル婦人。貴女の所持品を押収させてもらいます」「……え?」「ああ、逆でした。貴女に、『魔女』だという疑いが掛けられています」髪をかきあげ、 ニヤりと笑う。かつての貴族の華は、表情を凍らせた。

2013-08-17 23:52:49
駄鳥 @da_chooo

文句を小さく呟いていたが、そのとき玄関のベルが鳴った。「誰かしら?パーティーのお誘いだと嬉しいのだけれど」侍女に向かわせる。慌ただしくなる空気にいぶかしんでいると、ジゼルが腰を落ち着けていた部屋へどっと人が押し掛けてきた。

2013-08-17 23:52:30