民話 ふた口空母

真夏の夜の、怖い怖いお話です。 何が怖いって、入渠時間と必要な資源の量が…
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こんな話から、何となく

名無し整備兵 @seibihei

赤城「上の口って、後頭部にある口のことですよね」提督「ああ…(疲れた顔で)」

2013-08-24 00:51:11

坊や~、良い子だねんねしな。今も昔も変わりなく

名無し整備兵 @seibihei

むかしむかし、あるところに、とてもけちな提督が住んでいて、いつもこう言っていました。「ああ、遠征は良くするが、資源を食べない空母が欲しいなあ」

2013-08-24 00:57:41
名無し整備兵 @seibihei

そんな空母があるはずないのですが、ある時、一人の艦娘が提督にドロップしてきて「私は資源を食べずに、遠征ばかりする空母です。どうか使ってくださいな」と言うではありませんか。

2013-08-24 00:58:43
名無し整備兵 @seibihei

それを聞いた提督は大喜びで、空母を1航戦にしました。1航戦は、とてもよく働きます。そして資源を、全く食べようとしません。「資源は食べないし、よく遠征はするし、本当にいい空母じゃ」

2013-08-24 01:00:18
名無し整備兵 @seibihei

ところがある日、提督は鎮守府のボーキが少なくなっているのに気が付きました。「おや、おかしいな。一航戦は資源を食べないはずだし。」とりあえず、提督は空母に聞いてみましたが、「いいえ、私は知りませんよ」と言って長風呂に入るのです。

2013-08-24 01:01:42
名無し整備兵 @seibihei

あんまり変なので、次の朝、提督は軍令部に行くふりをして、鎮守府の倉庫に隠れて見張っていました。すると空母は倉庫からボーキサイトを1t担いできて、どこからか持ってきた大きなカマで一度にボーキを炊きあげました。

2013-08-24 01:04:25
名無し整備兵 @seibihei

そして鋼材と燃料を2t用意すると、お握りを次々と作って山のように積み上げたのです。(何じゃ?観艦式じゃあるまいし、あんなにたくさんのお握りを作ってどうするつもりだ?)提督が不思議そうに見ていると、空母は頭のてっぺんの黒髪ロングをかきわけました。

2013-08-24 01:06:22
名無し整備兵 @seibihei

すると、頭のてっぺんがざっくり問われて、大きな口が開いたのです。空母はその口へ、お握りをポイポイ、ポイポイと投げ込んで、お握りだけでなく烈風も全部食べてしまいました。

2013-08-24 01:07:28
名無し整備兵 @seibihei

(あわわわわ、オラの空母は、化け物だ!)怖くなった提督はぶるぶると震えましたが、空母に気づかれないように倉庫から出ると、艦政本部から帰ったような顔をして鎮守府の戸を叩きました。「おい、今帰ったぞ」

2013-08-24 01:09:03
名無し整備兵 @seibihei

すると空母は、急いで黒髪ロングを束ねて頭の口を隠すと、「あら、おかえりなさい」と笑顔で提督を出迎えました。提督はしばらく無言でしたが、やがて決心して言いました。

2013-08-24 01:11:54
名無し整備兵 @seibihei

「空母よ、実は今日海軍省と軍令部と艦政本部に言ったらそこら中から言われてな、『お前の空母はええ空母じゃが、鎮守府に置いておくと我が国の予算と資源がとんでもないことになる。早く鎮守府から追い出せ」というんじゃ。だから済まないけど、出て行ってくれんか?」

2013-08-24 01:13:14
名無し整備兵 @seibihei

それを聞いた空母は、あっさりと言いました。「はい、出て行けというのなら、出て行きます。でもお土産に、風呂桶と縄をもらいたいのです」「おお、そんなもので良いならすぐに用意しよう」

2013-08-24 01:15:19
名無し整備兵 @seibihei

提督が言われたものを用意すると、空母は言いました。「済みませんが、この風呂桶のそこに穴が開いてないか、見てもらえませんか?」「よしよし、見てやろう」提督が風呂桶の中に入ると、空母は風呂桶に縄をかけて、提督を入れたまま担ぎ上げました。

2013-08-24 01:16:42
名無し整備兵 @seibihei

びっくりした提督が空母の顔を見てみると、空母は何と、赤城の顔をしていたのです。赤城は提督を風呂桶ごと担いだまま、ぜかましよりも早く駆け出して泊地へと入っていきました。

2013-08-24 01:18:27
名無し整備兵 @seibihei

(こ、このままじゃあ、食われる!じゃが、どうしたらいい?)提督はどうやって逃げようかと考えていると、赤城が慢心して一休みしたのです。(今じゃ!)提督は海に飛び込んで、何とか逃げ出すことが出来ました。

2013-08-24 01:20:06
名無し整備兵 @seibihei

さて、そうとは知らない赤城は又すぐに駆け出して、一部の艦娘たちが住む村へ到着しました。そして大きな声で、仲間を集めます。「みんな来ーい、資源を出してくれる人間を持ってきたぞー!」仲間の大食らいが大勢集まってきましたが、風呂桶の中をのぞいてみると中は空っぽです。

2013-08-24 01:30:54
名無し整備兵 @seibihei

「さては、途中で逃げたか陸軍に拉致されたな!」怒った赤城は航路を引き返し、すぐに提督を見つけました。「ザッケンナコラー!」「アバーッ!」赤城の手が提督に届く寸前、提督は海に飛び込みました。

2013-08-24 01:34:13
名無し整備兵 @seibihei

すると赤城は提督の飛び込んだ海域が怖いらしくて、海域に入ってこようとはしません。提督はぶるぶる震えながら、一生懸命に念仏を唱えます。赤城は海域の周りをうろうろしていましたが、やがて諦めて帰っていきました。

2013-08-24 01:35:28
名無し整備兵 @seibihei

提督「た、助かった。…しかし、何で助かったのじゃろう?」実は提督の飛び込んだ海域は、ミッドウェイのすぐ近くでした。赤城は敵機が直上に見えて、入って来れなかったのです。

2013-08-24 01:37:06
名無し整備兵 @seibihei

その後、提督は心を入れ替えて、資源消費も少なく胸も小さい駆逐隊を愛でるようになりました。憲兵隊さんこの人です。

2013-08-24 01:39:53
名無し整備兵 @seibihei

元ネタ「食わず女房」グンマーの民話 これをリアルだと思う人は、不思議な力で死ぬことになる。http://t.co/RoZ2CuKR38

2013-08-24 01:43:08