354-55日目 (8/24-25/2013)、赤カブト襲撃〜星空

まりか＠午後卓民、新規卓は来年１月〜。 @MaricaYM_zs

@zs_sky 「そうかそれは良かった。あまりセミちゃんを怒らせないようにね」と笑って。「じゃあ、２人とも元気でね」またね、と言えないのは残念だなと思う。もしかして彼女と外で会うこともあるのだろうか？　@zs_sirakaba 　 @ononono_zs

とめはらい @zs_sirakaba

@zs_sky 「うん、ずっと一緒にいたいですからね！」セミがまた頭上に戻る。「じゃ、わたしも塒に戻りますね。ドクターたちもどこに行かれるのか解りませんが気をつけてー！」そう言って大きく手を振った。 @MaricaYM_zs @ononono_zs

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@zs_sky 「ありがとう」それだけ言って、手を振って彼女と別れた。彼女はこの街でずっと生きていくつもりなのだろうか、と思いつつそのままマックスと冬海と共に目的地へ急ぐ。しばらくすると、元塒のマンションが見えてきた。　@zs_sirakaba @ononono_zs

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@zs_sky 「今の女の子も知り合いで？」などと尋ねつつ、元塒のマンションに着く。暗くとも、やはりこの建物が一番高いことがよくわかる。足元と周囲に気をつけながら彼女とマックスを先にいかせ、屋上に出ると星空が見えた。　@MaricaYM_zs

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@zs_sky 「そう、最近知り合ったばかりなんだけど。ちょっと大事なものを預かってもらっていたんだ」と話しつつ屋上へあがる。屋上につくと、そこは満天の星空だった。「相変わらず綺麗だね...」思わず感嘆のため息を。　@ononono_zs

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@zs_sky 「話を聞いてると、あの女の子も懐いたゾンビ連れなんだね。時間があればもう少しマックスと交流できたかもしれないね」と返し、顔を上げ星空を眺める。「うん、綺麗」小屋や元塒から見てみたりしたけれど、やはりこの場所から見るのは格別だ。　@MaricaYM_zs

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@zs_sky 「懐いたゾンビのカワセミなんて、とても珍しいけどね」と上を見上げる。夏の星座はだいぶ西に傾き、東の空からは天駈けるペガサスが昇って来ているのが見えた。「なんか秋が近づいて来ている空だね。初めて君と星を見た時はまだ春の星空だったと思うけれど」@ononono_zs

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@zs_sky 「うん、5月だったから、春だね。……そっか。紫苑と星空を見てから、また季節が移り変わろうとしてるのか」 そう考えるとなんだか早くも胸がいっぱいになってしまい、目にうつる星が少しにじんで見えた。 @MaricaYM_zs

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@zs_sky 「どうしたの、冬海？」彼の泣き出しそうな表情に気づいて、手を彼の頬に添える。「そういえば、君が私をここから連れ出してくれるといってくれたのは、あの日の春の星空の下だったね」@ononono_zs

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@zs_sky すこし冷える夜の空気に、彼女の頬があたたかい。「……うん。あのときは、本当に心から紫苑をここから連れ出せたらいいのに、と思ったよ。実のところ、こうして傍に居てくれてるのが当たり前になっているのがまだ、少しだけ信じられなくて」 @MaricaYM_zs

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@zs_sky 「そう？これからはずっと側にいるよ、ずっと」そう言って彼をそっと抱きしめる。「あの時、外に連れ出してくれると言ってくれて本当にありがとう。君がそう言ってくれなかったら、私はここから一生出られなかっただろうから」@ononono_zs

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@zs_sky 「……うん、ずっと。傍に、いて」彼女の背中にそっと手を回す。お礼の言葉を貰って、「『ドクター』はこの街に有り続けたほうが幸せだったんじゃないかな、って今でも思う。でも、『紫苑』を、ずっとここにひとりにしたくなかった」と。 @MaricaYM_zs

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@zs_sky 「正直言うと、自分が『紫苑』であることなんてしばらく忘れていたんだ」そうあのピアスをもらった日に、名前を露風に尋ねられる前までは。「でもその紫苑という名前も、ここに置いていくんだね」そう言って彼の首元に顔を埋めた。@ononono_zs

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@zs_sky 「そっか。…露風さんが、思い出させてくれて良かった。それも、紫苑にとってひとつの契機だったのかな」首元に彼女の息遣いを感じる。「うん。お互いの名前はここに置いていって、明日からは新しい名前。寂しいけど、早く慣れないとね」 @MaricaYM_zs

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@zs_sky 「うん」旅立ちはいつも寂しい。ただしそれは希望の光には満ちているけれども。顔をあげて「新しい名前。新しい自分。新しい君。でも名前が変わっても冬海は冬海だとは思うけれど」そう言って微笑む。「外に出てもたまには星を見ようって言ってたね」　@ononono_zs

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@zs_sky 「そうだね。色んなものが変わっても、大事なものは変わらない」少しだけ力を入れて抱きしめる。「うん、色んな場所で星を見たい。紫苑と一緒に」 @MaricaYM_zs

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@zs_sky 「きっとあちこち旅することになるよ。百合は行きたい場所の希望とか聞いてくれるのかな」と彼の目を見ながらくすくす笑って。「君に見せたい景色がいっぱいあると言ったよね。いっしょに見に行こう」@ononono_zs

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@zs_sky 「たまには聞いてもらえるんじゃないかな」こっちも笑って。「どんな場所に連れていってくれるのかな。僕はほんとこの地元の景色しか知らないから」彼女から目を離し、また空を見る。「……でも、どんなに綺麗な景色や星空を見ても（続）　 @MaricaYM_zs

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@zs_sky 「きっと一番心と目に焼き付いて離れないのは、紫苑とみたこの街での星空なんだと思う」ふう、と一息吐く。「……あの日、一緒に外に出たい、って言ったけど、正直な話。どうやって出るかとか、出たあとをどうするかとか全然考えてなかったんだ」　@MaricaYM_zs

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@zs_sky 「だって、私も外に出られない事情があるとは君に話していなかったし」とくすりと笑って。「でもあの時君にそう言われて、私も君と一緒に外に出たくなった。そしてこの街で得たものをもってすれば、もしかしたら外に出られるんじゃないかと思い直したんだ」@ononono_zs

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@zs_sky 「……その事情が、『ドクター』として多くの人と関わりながらも、人を遠ざけていた理由だったんだね」少し真顔になって「この街にで得たもの……うん、道標を作ってくれた焔煬さんと雲居さんには、特に頭があがらないね」と。　　@MaricaYM_zs

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@zs_sky 「黄花もだよ」と笑って。「彼らが私達が外に出る道を開いてくれた。その恩は絶対に忘れない。しばらく顔を見ることはかなわないだろうけど、いつか絶対に再び出会う。おそらくシンガポールで」そう言って、彼の腕の中から空を仰ぐ。@ononono_zs

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@zs_sky 「うん、黄花さんもだ。言い忘れたなんて知られたら、焔煬さんに怒られてしまうな。まあ素直に怒られましょう」また笑って。「……黄花さん、何回か病院襲撃していたよね。そのときに、入院してる僕の部屋の窓に現れたんで、匿ったんだ」(続) @MaricaYM_zs

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@zs_sky 「ついでに色々話をして、そのとき初めて街で会った人に自分の名前を言ったんだ。その場所に置いていくつもりでね。でも黄花さんは、『持って行け』と返した。……うん、あの時に置いていかなくて良かった、と思うよ」　 @MaricaYM_zs

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@zs_sky そんなことがあったとは知らなかった、と首を傾げつつ。「その時に名前を置いていったら、君は今『篠原冬海』じゃなかったんだ。黄花が病院襲撃していた時といえば…… ああ、そういえば」苦笑いが顔に広がる。あの屋上の出来事はずいぶん昔のことのようだ。@ononono_zs