「ストーリーキューブでショートショート」 #SCSS #001 「18」

ストーリーキューブ(Story Cubes)を折角買ったので、遊んでみましたの第1回目。
0
ユウ@OTCob @A_yuu000

#SCSS #001「18」(1) 「先生、忙しいのにすみません」 「いや、構わないよ。それより進路指導室空いてて良かったな。ここなら落ち着いて話せる…で、どうした?相談したいことって?」 「実は……最近眠れないんです」(続)

2013-09-03 22:32:27
ユウ@OTCob @A_yuu000

#SCSS #001「18」(2) 「うん、まあ受験生だしな。進路のかかった大事な時期だし、緊張で寝られなくなるのはよくあることさ。そういうときは時計も見ちゃだめだぞ。何も考えず…」 「誰かに」 「えっ?」 「私、誰かに見られている…気がするんです……」 (続)

2013-09-03 22:34:19
ユウ@OTCob @A_yuu000

#SCSS #001「18」(3) 「うーん、少し過敏になっているかもしれないなぁ」 「本当なんです!」 「うん、分かってるって」 「分かってません!だって」 「そうだ!読書もいいぞ、眠くなる。ほらキミの本棚の三段目の奥に埃をかぶった――」 (続)

2013-09-03 22:37:03
ユウ@OTCob @A_yuu000

#SCSS #001「18」(4) 「中2の夏休み読書感想文で使った、あの夏目漱石の『門』は名作だぞ。キミはあのとき、ほとんど読まなかったみたいだけど」 「…っ!」 「ああ、それから古典的な方法だけど、羊の数を数えてみようか?俺が代わりにキミの枕元で数えてあげようか?」 (続)

2013-09-03 22:39:01
ユウ@OTCob @A_yuu000

#SCSS #001「18」(5) 「……それなら、どんなに良かったか」 「…えっ?」 「先生、どうしてもう忘れてしまったんですか?」 ……どうして忘れてしまっていたのだろう。夏休みも終わった秋の放課後、進路指導室の開け放たれた窓を飛び出していった彼女のことを。 (続)

2013-09-03 22:43:04
ユウ@OTCob @A_yuu000

#SCSS #001「18」 抜けるような青空の下、風の強い午後。進路指導室は校舎の3階にあって、そこからグラウンドの隅々まで見下ろすことが出来た。学校で彼女が最も好きな場所だった。 「どうして忘れてしまったんですか」 (了) http://t.co/S2nwCMRTeI

2013-09-03 22:45:48
拡大