『むじな』小泉八雲 出雲弁訳

タイトルのまんまです。 ラフカディオ・ハーン Lafcadio Hearn (小泉八雲)の『むじな』を出雲弁に翻訳したもんです。 たぶん、小泉セツさんも、きゃんふうに出雲弁でヘルンさんに話しただないだらか。
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吉田@鷹の爪団(本物) @yoshida_justice

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2013-09-07 10:47:24
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出雲弁 @izumo_ben

せんど、小泉八雲の『むじな』を出雲弁に訳して、忘れちょった。せっかくだけん…。 #むじな

2013-09-07 11:41:19
出雲弁 @izumo_ben

1) 東京赤坂の街道に、きのくに坂、てて坂があーましての。名前の意味は、紀伊の国の坂、ててことですだも、なしてそげ言いだか、わしは知いませんだどもね。 #むじな

2013-09-07 11:44:18
出雲弁 @izumo_ben

2) この道の片側に、むかーしっから、深い、ほんに広いお堀があーましてね。そーに沿って、緑が茂った高け堤(つつみ)があって、そーの上が庭地になっちょうます。 #むじな

2013-09-07 11:45:09
出雲弁 @izumo_ben

3)道のもう片側には、長げ長げ塀が、御所までずーっと続いとおます。 #むじな

2013-09-07 11:45:58
出雲弁 @izumo_ben

4) 街灯も人力車もない時分のことですけん、日が落ちいと、辺りはホンに寂しんなーましてね。 だけん、遅せ時間に歩いて通らないけん人は、日が落ちてから「きのくに坂」を登おくらいなら、何里も遠回りをすーほどでした。 #むじな

2013-09-07 11:46:53
出雲弁 @izumo_ben

5) なんでかてて? そのへんをよー、ムジナが歩いちょったけんでした。 むじなを最後に見らいたしは、京橋んはの商人(あきんど)のおじじでしたが、30年ばかあ前に亡くならいました。 このしが、こぎゃん話をしちょらいました。 #むじな

2013-09-07 11:48:31
出雲弁 @izumo_ben

6) このあきんどさんが、晩げの遅そに、きのくに坂を急いて登っちょーますと、独りぼっちり、堀のふちにかがんで、せつなげに泣いちょらいオナゴしが見えましたと。 #むじな

2013-09-07 11:49:38
出雲弁 @izumo_ben

7) 身投げでもさんとえだが、てて心配になって、「なんだらと出来いことはしてあげて引き留めらか」と立ち止まらいました。 おなごは、すらっとして上品なしで、身なりもしゃんとしちょらいたし、髪もエエトコの若けニョウバらしに、えすこに結っちょらいます。 #むじな

2013-09-07 11:50:56
出雲弁 @izumo_ben

8) あきんどさんは、女のしに近づいて、「お女中」て声をかけたと。 「お女中、そげんに泣かんでもえがね。何ぞ困っちょらいかいね。わしに言ってみらっしゃい。そーで、なんぞテゴ出来いことがあら、喜んでテゴしてあげますけん。」  #むじな

2013-09-07 11:52:27
出雲弁 @izumo_ben

9) (このあきんどはほんに気のやさしいひとだったけん、ほんにそげしてあげー積もりだったと。) #むじな

2013-09-07 11:53:21
出雲弁 @izumo_ben

10)だども、オナゴしは泣き続けちょらいました。--そげして、長い袖の方っぽであきんどさんから顔を隠しなあ。 #むじな

2013-09-07 11:54:52
出雲弁 @izumo_ben

11)「お女中」てて、商人はまっぺん優しに言ったと。 #むじな

2013-09-07 11:55:20
出雲弁 @izumo_ben

12) 「どげぞ、わしの話を聞いてごしなはい。ここは、若けニョウバンコがおー場所だないけんね。頼んけん、泣かんでごせ。どげしたら、チョンボしでも助けになーか、言ってごしなはい。」 #むじな

2013-09-07 11:56:21
出雲弁 @izumo_ben

13)そげしたら、女しは、あきんどに背中を向けたまんま、立ったと。だども、袖の後ろで、泣き続けちょらい。 #むじな

2013-09-07 11:57:14
出雲弁 @izumo_ben

14) 商人は手を優しに女んしの肩の上において、言ってやったと。 「お女中、わしの言いことを聞くだわ。ちょんぼしでいいけん。お女中。」 #むじな

2013-09-07 11:58:09
出雲弁 @izumo_ben

15)すうと、そのお女中が向き直っての。袖を下におろいて、手で自分の顔を撫でえと、目も、鼻も、口もなかったとや。#むじな

2013-09-07 12:00:01
出雲弁 @izumo_ben

16) あきんどは、きゃっ!と声をあげて、逃げ出したと。 #むじな

2013-09-07 12:00:49

ここまで投稿しちょいて、『むじな』の後ろ半分をまだ訳しちょらんことに気付いて、焦っちょーます。

出雲弁 @izumo_ben

・・・しまった、この続きは訳しちょらなんだ。 #むじな

2013-09-07 12:02:08

(気をとりなおして、ちょんぼしわて訳しては投稿すーことにしました。)

出雲弁 @izumo_ben

17)あきんどは、きいのくに坂をかけってかけって。目の前は真暗で何も見えん。かけってかけらかいて、後ろを見いやな勇気もなて。そのあげくに、よーやっと、はるか遠いとこに、蛍が光あやなものを見たけん、そっちにかけって行ったと。 #むじな

2013-09-07 12:30:15
出雲弁 @izumo_ben

18)そーは、ただの道端の夜泣きそば屋の提灯だったと。 だども、どぎゃん明かりだらと、どぎゃん人だらと、今みたいやなことがあった後だと、ばくらとすーやなわね。 #むじな

2013-09-07 12:31:08
出雲弁 @izumo_ben

19)あきんどは、そば売りの足元にかがんで、叫んだと。 「ああ!ああ!!ああ!!!」 #むじな

2013-09-07 12:32:04