尖閣問題。「いまだ、波やまず」という感じでしょうか。なお、この問題も、本来マクロ対外戦略の観点から捉えることが、まず大事なはずです。この点に関して、ちょっとtweetしておきます。今日のところは、対中政策と東アジア共同体構想について。
2010-09-30 03:52:07(続)対中政策、「東アジア共同体」構想。実はこの点、私自身も、以前に簡単にtweetしています。2010年02月26日(金)。以下、参考までに、再tweet。
2010-09-30 03:55:06(続)英・「エコノミスト」誌;鳩山氏の東アジア共同体構想について・・「非現実的で支離滅裂な構想」という表現。残念ながら的確な指摘。http://bit.ly/9W1art
2010-09-30 03:56:03(続)中国北京政府が「自由民主主義体制」移行(「民主化」実現)した後でない限り、「政治統合」的構想はありえない。欧州統合は、「自由民主主義体制」同士の国でさえ50年かかった。なんらかの「政治統合」を構想しているとすれば、50-100年後とかの話。
2010-09-30 03:56:55(続)岡田氏・菅氏らは、「日米同盟は、政治・軍事・経済」、「東アジア共同体は、文化・経済」という形で、何とか鳩山氏のちょっと素っ頓狂な「構想」を「現実化」しようと苦労しているようだ。
2010-09-30 03:57:38(続)この時と同様、そして恐らく多くの識者と同様、私自身は、短期的にはもちろん、まずは中期的にみても、安全保障問題を考慮すれば、「東アジア共同体構想」、基本的に「絵空事」とみるべきだと考えている。
2010-09-30 04:00:39(続)私自身は、現代における世界政治のあり方・構造に関して、田中明彦氏の『新しい’中世’』と概ね同様の観方をとっています。この議論、政治学者で知らない人はまずいないと思いますが、ご存じない方は是非。名作です。なお、私の講義「政治学」「数量政治学」でも取り上げられます。
2010-09-30 04:04:11(続)詳細を、ここでtweetするのはちょっと手に余りますが、各国の政治経済体制のあり様によって、国家間の外交安保関係が基本的に異なったものとなる、とするある種の理論仮説提示が含まれています。
2010-09-30 04:06:22(続)彼は、現代世界が①自由民主主義体制・自由市場経済体制が高度に成熟化した日米欧等の「新中世圏」、②近代国家は確立しているものの民主化・市場経済化のいずれかが不十分な中国ロシア等の「近代圏」、③近代国家の確立が不十分な途上国を中心とした「混沌圏」に分類可能である、とします。
2010-09-30 04:09:25(続)そして、外交安全保障関係も、各国がどの圏域に属するかにより、根本的に変化する、とします。重要な点は、新中世圏が、内部においては「不戦共同体」となる可能性が高いと共に、「近代圏」と「新中世圏」の間では、伝統的リアル・ポリティクスが重要であり続ける、という点です。
2010-09-30 04:13:41(続)ちょっと分かり難いかもしれません。まずは著作をお読み下さい。9.11 前の作品ですが、今日でも高い説得力を失っていません。なお、「最新」とはいえませんが、国政治理論の基本的枠組みも理解できます。余力があれば、例えば田中氏の9.11以降の議論も参照するとよいですね。
2010-09-30 04:15:12(続)いずれにしろ、一部に流布する「グローバル化」や「国民国家の衰退」という言説に関わらず、東アジア・西太平洋の国際政治においては、むしろ主要国(日米中)の政治経済体制のあり方から、リアルな軍事バランスこそが決定的であり、最重要と考えなければならない、ということです。
2010-09-30 04:15:57(続)ただし、実はまあ「絵空事」には「絵空事」なりの、ある種の効用があります。(笑。しかし、意外と冗談ではない)超長期の構想を打ち出し、地域における何というか、基盤としての緊張緩和に役立つ場面があるかもしれません。
2010-09-30 04:18:39(続)ただ、これが短中期の日々の外交安保政策運営に、少なくとも「害悪」を流さないように注意が必要でしょうね。
2010-09-30 04:18:55(続)そして、これは中長期的に中国北京政府の「民主化」が成功裏に実現すれば、この地域(そして、おそらく21世紀世界全体)の国際政治環境が根本的に変化することを意味します。中長期的には、このことを踏まえた、外交安保の戦略策定が必要だと思います。
2010-09-30 04:21:23(続)さらに、これも以前tweetしましたが、こうした点も含め外交安保の戦略策定を効果的に実施していくため、政策決定の制度基盤整備が欠かせないといえるでしょう。http://bit.ly/cITWvh http://bit.ly/aO1Ici
2010-09-30 04:27:43(追加)この辺りの説明、特に自由民主政の定義やその歴史的変化の話など、拙著(共著)『国家のゆくえ』第1章でもふれています。これも出版は、9.11前ですが(笑)、よければご参考下さい。 http://amzn.to/cKNERL
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